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ベアードビール × 高嶋酒造 トークライブ

先日、Lot.nコミュニティスペースで沼津を拠点とするベアードビールのベアードブライアンさんと白隠正宗をつくる高嶋酒造の高嶋さんのトークライブが行われた。
沼津ラガーや白隠正宗を飲みながらの会。

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オイルサバディ、黒はんぺん、各種調味料など
ロットンで扱う食品もおつまみとして。

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世界から注目をされるベアードビール。
若手の杜氏として全国から注目される蔵元の高嶋酒造。
実はお二人のトークライブははじめて。
このトークを聞こうと、仕事帰りに東京からやってきた方もいた。

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お二人に今まで、そしてこれからを語って頂いた。

ベアードさんは13年前にビールづくりをはじめた。
沼津港のそばのビルの2階。
そこは日本一小さなビール工場だった。
大手ビールメーカーのつくるキレのいいビールではなくバランスのとれた個性のあるビール。
そんなビールは初め、全く沼津の人に興味を持ってもらえなかった。

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高嶋さんは、東京農大で醸造学を学ばれご実家に戻られる。
ご実家の酒蔵に入ると、今までのつくり方や意識に疑問を持ち始める。
しばらくすると酒造りを見直そうと29歳という若さで杜氏になり根本から酒造りを変えっていった。
でも沼津ではなかなか評価されない現実。

お二人がつくったお酒は沼津ではなく東京など県外の人たちから注目をされていく。

しかしお二人は地元をしっかりとみつめていた。
地酒、地ビールは
“地元の人でつくり、地元の素材でつくり、地元の食にあうようでならない”

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富士山からの湧水を使い
地元の農産物を使い個性的な味わいを出していく。
地元の生産者のお米を多く使い、醸造アルコールを使わなくなっていく。

生産者に工場から出たホップを堆肥として畑で使ってもらう。
精米して出されるモノを堆肥にし稲作りに使ってもらう。

農を活かし農に還元するお二人の取り組み。

地域にこだわるのは
『循環』
という言葉に共通点があった。

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以前、沼津西浦地区で自然農のパイオニアの高橋さんの畑へベアードさんと一緒に行った時のこと
カルフォニア出身で歴史学者のお父様を持つブライアンさんは、
物事の本質に向き合い、そして本物をつくる『職人』を気質を持つ日本のモノづくりの人々、
そして生産者を尊敬していたことを思い出した。

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そしてお二人は世界も見つめたいた。
世界的なクラフトビールの市場の広がりを実感しているベアードビールは規模を拡大しより農に近い場所、修善寺で新しい工場が稼働する。
高嶋酒造は世界的な日本食の広がり、日本酒の味覚そして知識の成熟していく事を見越し、純米酒だけをつくり続けていく。

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理念に向かっていくことは、とても大変なことだ。
途中で挫折してしまう方も多いが
強い理念を持ち行動し続けることで、まわりに共感者が多くなっていき、その理念により近づいていっているような印象を受けた。

“想い”からすべてがはじまる。

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今回はシェフ、酒屋さん、干物屋さん、わさび漬け屋さん、行政の方などにもご参加して頂いた。
それぞれが地域をベースにした想いの強い方たちだった。

これからこの想いがカタチになっていくことが楽しみだ。

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Lot.nのコミュニティスペースでは、このような想いを体感できるワークショップやトークライブを行う予定だ。

ぜひとも参加して頂き、この地域のヒト・モノを体感して頂きたい。
ビールを片手に。

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御用邸の宴

本日から沼津御用邸記念公園で松籟の宴が始まり様々なプログラムが16日間行われる。
11月9日、10日には庭園で松間の饗宴(まつまのきょうえん)を開催。

波音を聞きながら松の間から通り抜ける風を感じ
沼津近郊の秋の恵みを料理人が一皿に想いを込めて提供。
秋のめぐみを味わうひとときを愉しめる。
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この宴の料理は、予め料理人に使用する食材が決められた。

沼津魚市場の水産物/ 大中寺芋/ 西浦の柑橘/ 愛鷹山麓野菜
石塚豚/ 天城軍鶏/ 丹那牛乳/ ごとうのたまご /

生産者と料理人のコラボレーション。


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【1日目】
■かの川・・和食  大中寺芋と天城軍鶏の煮しめ
■SHORE ・・フレンチ  ・西浦みかんと海老と天城軍鶏のソテ 
■サンテラスキッチン ・・イタリアン  トロール漁の駿河湾パスタ 
■麦豚工房石塚 ×REFS ・・ハムソーセージと野菜のプレ-ト

《アミューズ》
OPERA 魚ぶん イルパリオ Loutus Sweets ふじやまプロシュート

【2日目】
■かの川・・・和食  大中寺芋と天城軍鶏の煮しめ
■aiai ・・・フレンチ 沼津 西浦みかんのガレット
■一歩 ・・・中華  沼津鯖と野菜のあんかけご飯 
■麦豚工房石塚 ×REFS ・・ソーセージと野菜のグリルプレ-ト

《アミューズ》
山正 Ninoe Toq`s Wild Oven ふじやまプロシュート

沼津の地ビール ベアードビール 沼津の地ビール 白隠正宗も用意される予定だ。

当日、11時からチケットが販売される。
1チケット 約300円となり、1~3枚のチケットと料理を引き換えとなる。
限定300皿。

ぜひとも、農産物、水産物、畜産物を食し旬を感じながら
沼津の魅力を存分に味わって頂きたい。

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沼津御用邸記念公園 本邸奥庭
雨天時:東附属邸
11月9日(土) 11月10日(日)
12:00~15:30

御用邸入場券 100円

お問い合わせ:松籟の宴実行委員会
(沼津市観光交流課内)
055-934-4747

御用邸と大中寺芋のつながり

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10月の終わり、中沢田の畑で大中寺芋の収穫が行われた。
大中寺芋とはこの地域で収穫された里芋につけられた名前である。
特徴は赤ん坊の頭ほどになるというその大きさ。
普段我々が食する里芋は子供の芋もしくは孫芋。それに対して大中寺芋は親芋だという。
その味は不思議なほど、きめ細やかでまったりとした味である。

“煮物にして食べるのが一番シンプルでいいね。家庭で普通に食べられてきたんで今まで残ってきたんです”

答えていただいたのは生産者のひとり、井出栄一さん。
実は井出さんのお父様である井出貞一さんこそがこの大中寺芋の種芋を絶やさずに作り続けたのだ。
現在はご子息である栄一さんが大中寺芋の会を結成し守り続けている。

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では、なぜ大中寺芋という名前がついたのか。
名前の元となった大中寺は臨済宗妙心寺派の禅寺。
明治31年、大正天皇が愛鷹山への狩猟の道すがら大中寺へ立ち寄られたことをきっかけに大中寺はしばしば皇室のお成りを仰ぐことになった。
大中寺ではその都度、名産の里芋を用意し、お土産としても用いたそうだ。
また、警備の警察官に煮て振る舞ったとも伝えられている。
こうして御用邸では大中寺の里芋ということで、いつしか大中寺芋と呼ばれるようになった。

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“お歳暮になると70軒ぐらい大中寺芋を配るんです。そういったことが積み重なって今日があるんですよ”

大中寺の住職、下山光悦さんはそう語る。
生産者と消費者、立場は違えども地道な努力が大中寺芋の普及に繋がる。
地域の伝統的な食を地域で守る、シンプルだけど大切なものがここには残っている。

そんな沼津の食を存分に味わう機会が11月9日、10日と御用邸で行われる“松間の饗宴”である。
大中寺芋も沼津を代表する食材として料理人の手によって調理される。
それは御用邸と大中寺との関わり、歴史を感じさせてくれるものになるに違いない。

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生き続ける味噌

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昔、農家ではどの家でも自家用味噌をつくっていた。
手間のかかる味噌作り。
時代とともに味噌を作る家は少なくなっていった。

味噌や醤油、金山寺味噌の製造販売をする三島の渡辺商店の渡辺勝利さんと奥さんのきみ江さん。
“ただ昔からの味をまもっているだけです”
お父さんに教えてもらった味を守って今も味噌を作っている。

もともとお父さんの代から続く米などの農家だった。
近所の人にたのまれ農家の傍ら醤油やみそをつくっていた。
勝利さんの代になって45年。

お母さんが嫁にきてから二人きりでお父さんの味を守っている。
あくまでも“二人でできる範囲”
だから手作業で丁寧に作っている。
防腐剤も化学調味料をつかっていない。

渡辺商店では自家製の麹も作っている。

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時間もかかる。
でも守り続けるべきものがある。
その思いはとてもシンプルなもの。
“やってきたからこれからもやっていく”

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化学調味料などがなかった時代から味噌を作っていた。
時代の移り変わりとともに防腐剤などが使われるようになった。
だが使うとなんだかうまくいかなかった。

現代の流れに合わせて食の講演会など勉強も怠らない。
化学調味料などを使わなくても、素材の味、そしてお父さんの味を守れるように。

手のかかった味噌は、
味もにおいも一辺倒ではない複雑な風味。
とてもふくよかな味。
香りが良く、それは生きているにおい。

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あるとき、昔から渡辺味噌を愛用しているおじいさんが
カビが生えた!と喜んで連絡してきたそう。
無添加の味噌にはカビが生える。

カビが生えないように防腐剤をいれて菌を殺してしまうのではなく
味噌をちゃんと生きたまま届ける。

何もかもがきれいに、人間が発酵や細菌とともに作り出してきたものも殺してしまうのではなく、
ちゃんと共存するという意思がそこには見れるような気がする。

“手だけはほめられるの。どんな化粧品つかってるの?って”
とおちゃめに答えるお母さん。
酵母菌に囲まれたお二人は本当に元気。
ふたりともよくしゃべり、肌がつやつや。

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古き良きものをちゃんと知ってて、それを守り続ける。
めんどくさいことをめどくさいままやっている。
一見頑固なようだが、その頑固さが信頼できる。

“この味噌はうちのじゃないんだ、味噌をあずかってるんだよ”と。
自分で作った味噌の仕上げをしたり、材料だけを持ち込んで味噌をつくることも引き受けているそう。

気持ちのいい感じ。
人も味噌も生きていることを十分に感じているからこそできること。
最後に一番おいしい味噌の使い方は?と聞くと
“やっぱり味噌汁だね!”
そう笑顔で答える勝利さん。
あったかなお味噌汁が飲みたくなった。

≪渡辺商店≫
〒411-0035 三島市大宮町2-6-26
TEL:055-971-6370

センターテーブルを作るということ

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“僕が作ったのは沼津の素材を使って地元に誇りを持ってもらうようなものだったと思うので、ちょっとでもお客様に伝わっていればいいかなと思いましたね”

レストランSHOREのオーナーシェフ、鵜澤宏至さんは沼津自慢フェスタを振り返る。
鵜澤さんが参加したのは開催最終日のセンターテーブル。
和食の美食倶楽部 蓮、ワインバーレストランのNinoeとのコラボレーションだ。

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“海に敬意を持ってもらうような味にしたく、ソースも塩を使わず貝の持っている塩味で作りました。きれいな海というのはそれだけでありがたいものだということをお皿の上で伝えたかったんです”

食材に対する姿勢、感謝の気持ち、敬意を大切にする鵜澤さんらしい言葉である。
そんな自慢フェスタのなか我々が気になった点がひとつある。
それは鵜澤さんを終始サポートしていた奥様が流した涙である。そのわけを訊いた。

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“みんな純粋で、ほんとにいい子たちで。清らかな心に触れたというところです”

自慢フェスタの3日間をサービスボランティアとして支えた飛龍高校の生徒。

その生徒たちの一生懸命な姿を見て心を打たれたということだ。

センターテーブルを作ったのは料理人だけではない。多くのサポートがあり、あの特別な空間、空気感が生まれたのだ。

“一生懸命学ぼうとする姿というのは見ていて感動的ですよね”

多くの人の想いのうえに成立したセンターテーブル。
自慢フェスタ初参加となった鵜澤さんはそこで普段とは違った充実感を得た。

“いつもと違ったものにチャレンジする機会を与えて頂いたのはありがたいですよね。久々に完全徹夜でしたけどね(笑)”

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RESTAURANT SHORE
静岡県沼津市馬込31-1
電話:055-960-7714
http://www.uzawa-french.com/

コーヒーで繋がる関係

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片浜駅の近く今沢にその店はある。
cafe花野子は気軽に本格的なコーヒーを楽しめる店として多くのファンを持つ。
コーヒーの味はもちろん、マスターである齋藤清一さんの人柄もその人気の秘密だ。
齋藤さんは2001年、サラリーマンを辞めて珈琲店を開いた。
まったくの素人だった齋藤さんが店を始めるにあたって修行に選んだのは東京は南千住の名店、カフェ・バッハ。日本における焙煎技術の第一人者、田口護氏のもとだ。

“ここしかないと思って電話したんです。そうしたら、とりあえず来いよとなったんです”

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ここで焙煎技術からコーヒーの理論、お客様に対する姿勢まで学んだ。
ちゃんとした商売をする、それは今でも変わらないスタンスだ。

“僕らが揺るいでたら駄目なんです。幹が10年でやっと育ってくるんです。うちで言ったらコーヒーをどれだけおいしく提供できるか、これが幹です”

開店して3年は不安だらけだった。家族の心配もあったし、お酒を販売すればという知人のアドバイスもあったそうだ。
それでも、バッハで学んだことを頑なに守り続けた。そこには絶対の自信があった。
自家焙煎の強みを活かして生豆の時と焙煎後の2回手作業で豆を選別する。
ひとつひとつの作業が最高品質のコーヒーを生み出す。
基本に忠実に、決して怠らず。それが花野子という幹を太くさせる。

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“お客様に満足して帰ってもらいたいから、そこは絶対にぶれないところです”

考え方はコーヒーにとどまらず店内のものすべてに応用される。
コーヒーをおいしくするために焼き菓子にもこだわる。トマトジュースもそうだ。
齋藤さんが販売するもの、それはバッハで学んだコーヒーに向かう姿勢、花野子という考え方。
花野子に集まるということはその考え方を享受するということ。

“うちにくるお客様はうるさいよ(笑)でも、そういうお客様が新しい方を紹介してくれる。そうやって店のレベルが上がっていくんですよ”

店とお客様の有機的な関係。
齋藤さんの入れるコーヒーにはそんな想いが込められている。

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Cafe花野子
沼津市今沢383-1
電話:055-969-2830

感じるお菓子~LOTUS SWEETS~

LOTUS SWEETS (ロータススイーツ)は今年の夏に店舗を移転した。
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沼津駅と沼津港を結ぶ通り。
沼津駅から徒歩約15分。
元ひもの工場だ。

奥さんがLOTUS SWEETS を担当、旦那さんはギター教室をこの場所を行っている。

自分たちでこの空間は作られている。
現在も改築は続けられて、今は入口の戸を作っている。

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移転先でも前の場所と変わらずロータススイーツどこかショートムービーでも見ているような
ちょっと非日常的なゆるやかな空気に包まれる。

店主のあづささんはナチュラルな雰囲気。
この工房やイベントなどでも販売している。

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LOTUS SWEETSはどうやって誕生したのか。
10年前、カフェをやっていた時
必要に迫られてお菓子つくりを始めた。

技術がないところから始めたお菓子作り。
実は苦手だったそうだ。
試行錯誤をかさね、あづささんらしいお菓子の形が出来上がっていった。

その後カフェ閉めたが、あづささんのお菓子を求める人が多数いた。

その時、お客さんや今までおせわになってきた人に
仕事を通じて、そして社会的に恩返しをしたいと思うようになった。

お菓子作りを続けよう。

そうしてLOTUS SWEETSとしてお菓子作りは今日までつづいている。

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“私、なんか足りない感じが好きじゃないの”とあづささん。

みんなに喜んでもらおうとLOTUS SWEETSのお菓子はどれも大きくて食べごたえがある。
ちょっとした軽食や朝食にもぴったり。

“基本的に薄利多売なのよね”
と笑顔で答えるあづささん。

みんなのために。その想いを伝えるために。
出来るだけお手ごろな価格で、大きくて食べごたえのあるお菓子。
パッケージは一つずつ白いペンで手書きで書いてある。
いつもLOTUS SWEETS のまわりには人があふれているのがなんだかわかる気がした。

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LOTUS SWEETS (ロータススイーツ)

​静岡県沼津市下河原488
定休日  水 .土曜日
営業時間 10:00−17:00
TEL:055-956-4267

シンプルに食と向き合う

牛山ベーコン、
これは東京ミッドタウンにあるDEAN&DELUCAのSelect shopの
お肉屋さんで一流のハモンイベリコ等々と一緒に売られている。
燻製の香りも高く、肉自体の質が良いので非常に美味。
業界では美味しいことで特に有名なのだ。

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牛山ベーコンは、沼津の三園町にログハウスの店構えの牛山精肉店で作られる。

“ただ買ってもらうだけでなく、
まず私たちがお客さんを知って、
お客さんが私たちが売るお肉を理解して買ってもらう。”

お肉を大切に想い売る姿勢に
こだわりがあるように感じたので
こだわりはなんですか?と問いかけた。

“こだわりはありません”

驚きの答えがかえってきた。

この言葉に秘められた想い。
それは自分が食べたいものしかうらない。
こだわりというよりも当たり前のことをお客さんを想いやっているだけなのだ。

店にはお肉だけではなく各地から取り寄せられた調味料も置いてある。
それもすべて、自分たちが食べたいものなのだ。

食べたいものを食べてみる。
そして納得をして、これは自分も食べたいからお客さんにも売る。
食べ物だけではなく応援したいものは雑貨でも絵でもなんでもお店の中にある。
ログハウス調の店舗では音楽ライブも開催される。

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“要するに、こういう商売をしていると神様がいるな~と思うんです”

その言葉には誠実さが伝わってくる。
いいものをいいと認める。
だからこそ、無駄をださない、ゴミをださない。
食べ物を、命、自然を大切にしているのだ。

決して特別なことではない。
普通のこととしてそう思っている。

ここに仕入れられたお肉は骨まで大切に扱われる。
ガラスープ、ドックフードのおしゃぶり用の骨など
本当に余すことなく全部使う。

牛山精肉店では店長が肉の解体をする。
大切に、大切に解体されていく。
その光景は美しい。
熟練の技は体に染みつき
今や感覚で解体することができる。

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素材を大切にする。
最後は心が宿る。
気持ちが入る。

この気持ちを理解せずに金額だけを見て買いに来るお客さんはほとんどいないという。
正直言って、一頭一頭じっくり時間をかけて育てていく牛山さんのお肉は
生産効率が悪いので少し値段も高くなる。

だが類は友を呼ぶ。
質に対してわかってくれる人たちがこのお店に集まる。

そのお客さんの気持ちを裏切らないように
沼津産だから売るということは絶対にしない。
産地にはこだわらない。

さらにここではすぐにお肉は売らない。
まずお客さんとのコミュニケーションをする。
そしていつ、どういう料理をするかを聞く。
そして頭の中でイメージし、
カットする。

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お客さんが買ってよかったと、悔しい思いをせずにすむことは
お店の責任という。

責任感、そしてコミュニケーションがあるからこそ
おいしいものにありつける。

その前には生産者がいて私たち(精肉店)がいる。
地域の生産者と精肉店がもっとコミュニケーションをとることができたらいい、とのこと。

牛山精肉店でコミュニケーションと
真摯な思いが食卓をおいしく彩ることを知った。

牛山ベーコンはLot.nでも買うことができる。

牛山精肉店
〒410-0833 沼津市三園町10-21
営業時間:9:00~19:00  火・水曜定休(祝日は営業)
TEL:055-932-7007 FAX:055-932-7010

ライジングサンマフェスティバル

今年も沼津魚市場でライジングサンマフェスティバルが行われる。

“復興したらいつかサンマフェスティバルみたいのをやりたいね”

イベントの発起人は2011年3月、仙台や気仙沼へ沼津から赴き被災地でボランティアスタッフとして1ヶ月ほど滞在した。
現地で壊滅的な港を見ていた地元の方からそんな言葉を聞いた。

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日本一の水揚げのある秋刀魚は、気仙沼の象徴だった。
いつか水揚げされたら…
いつかという夢物語に願いを込め宮城県の想いを持った人々と静岡のデザイナーなどが協力し手拭いを作った。
その手拭いこそがライジングサンマフェスティバルのはじまりである。

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秋の初めのこの季節、気仙沼ではお祭り騒ぎ(FESTIVAL)で秋刀魚を水揚げ(RISE)していること
秋刀魚が勢いよく水揚げされることが、気仙沼の復興の幕開け(rising sun)になるように。

そんな想いが込められた手ぬぐいは、その想いに共感した全国の方々の手に渡ることになる。

夢物語はその年の10月、現実へと動き出す。
崩壊した魚市場をなんとか再建し、船が入れるようになり秋刀魚の水揚げが始まったのだ。

気仙沼で水揚げされたサンマを
それまで家電製品など支援物資を送ってくれた沼津に送ろう。
この気仙沼の方の気持ちに応え沼津魚市場が場所を提供をした。

そんな港町と港町の想いがつながるイベント。

3回目を迎えるライジングサンマフェスティバル。
昨年から羽野水産、佐政水産など沼津の水産会社が買い取った秋刀魚をチャリティーとして提供するようになった。

気仙沼の方の求めているモノってなんだろうと確認をすると、
毎年
「忘れないでほしい」
と答えが返ってくる。

今年の支援金は、気仙沼の子供たちや高校生の活動に支援する。
我々同じ港街として共に笑顔になる日々を共有していけたらと思う。

同じ日に気仙沼でもサンマフェスティバルが行われる。
港と港のサンマリレー。

【1回目のサンマフェスティバルが始まるまでと当日の動画】

10月6日(日)
10時〜13時半
沼津魚市場第一市場
限定1000尾
http://rising-sanma.org

昼でも食べられる餃子

うなぎの名店、沼津うなよしで餃子が食べられる。
しかも沼津の特産“鯵”を使った餃子。

不思議だと思うが
半年前にデビューした“あじ餃子”はうなよしの代表するメニューの一つとなった。

そもそもなぜうなぎ屋で餃子なのだろうか。
沼津うなよしの大将、名古谷さんにお話しを聞いた。

「沼津の特産を活かせないか。と思ったのがきっかけです。
うなぎにはこだわらずにね。」

静岡県飲食業衛生同業組合の中ではじまったプロジェクト。

かつてアジによっても栄えた沼津。
そのアジに注目した。

ひものというイメージを一変してまずはつみれ団子をつくった。
さすがはプロ。とてもおいしくでき
ピーマンやしいたけに詰めて焼いたり、ハンバーグにしたり
いろいろ試行錯誤をしたうえにたどり着いたのが“餃子”だった。

なぜ”餃子”にたどり着いたのか。

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「味はもちろん、子供からお年寄りまで人気が高いのが餃子。
だけどお昼に食べるにはちょっと・・・ためらってしまうのが餃子。
だからお昼にも食べれる餃子にこだわりました。
私自身も餃子が大好きなのに昼に食べられないのをなんとかできないかとおもっていたんだ。」
と古谷さん。このあじ餃子を作ることで自身もより楽しめるようになった。
ニンニクなしでもしっかりとした満足感と、魚臭さがなく肉のようなジューシー感。
ヘルシーに仕上げる野菜。どれをとっても研究し尽くされている。
さらに、もうひとつのこだわりが“タレをつけないでも食べられる”ことだ。
ひとつひとつ手作りで丁寧に作られている。

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地域と経験をいいバランスで。
あじぎょんには地域を超えた良さが詰まっている。

ネーミングを募集したり、
イラストを従業員に書いてもらったりと
周りを巻き込んでできたこの餃子。

静岡県飲食業衛生同業組合に加盟している店舗で出されている。
沼津うなよしでつくられた餃子は沼津のいろんなところで食べられている。
加盟しているスナックでも人気メニュー。
アレンジバリエーションの多い餃子は冬は鍋に入れたりと
各々の店で工夫されているものおもしろい。

地域にあるお店としてジャンルを超えた活動。
一流のお店だからできること、
組合での協力や盛り上げ力。

今回、このあじ餃子のあじぎょんは
沼津自慢フェスタ2013に登場した。

さらに今回はうなぎライスボールフライも。
沼津うなよし秘伝のたれがしみ込んだおにぎりにはしっかりとウナギがはいっており、
崩れないようにパン粉をまぶして揚げてある。
はじめはコロッケのサクサク感、そしてあとからうな丼を食べているような
満腹メニューである。

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自慢できるものを提供したい。
だからこのためにいろいろな努力をしている。
うなぎ屋として街に対してできること。
それを全力でやっている。
ひと手間を惜しまない、街に対しての想いが伝わってきた。

「沼津で安心して食べられる店を目指していきたい」
とのこと。
きれいにしてある厨房からは見えないところからもまごごろが伝わる。

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沼津うなよし
AM11:00~2:30 PM4:30~8:30 火曜日休み
〒410-0822
下香貫樋ノ口1712-3
tel:055-931-2131