栗名月に誘われて

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“日本でこういう場所って貴重なんでず”

現在、皇室が使用する御用邸は那須、葉山、須崎の3施設。
今は使われていないが見学できる施設として日光の田母沢と沼津の御用邸がある。

沼津御用邸記念公園の副館長、久保田雅博さんから丁寧な説明を受ける。
沼津御用邸は明治26年、大正天皇の静養のために造営。
昭和44年に廃止され、沼津市へ移管される。
昭和45年、東附属邸と西附属邸を中心として周囲の緑地と共に沼津市が沼津御用邸記念公園として開設された。

10月4日、東付属邸で『栗名月の宴』が行われた。
栗名月とは、中秋の名月(十五夜)から約1ヶ月後の満月の直前、十三夜の夜の月を指す。
中秋の名月が“芋名月”と呼ばれるのに対し、十三夜は“栗名月”と呼ばれる。
栗名月の起源はよくわかっていないが、一説には平安時代の宮中行事で、この時期に月見の宴を催したことから始まったともいわれている。

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“毎年やっているので楽しみにしていらっしゃる方も多いです”

『謡と舞のひととき』と題された能の舞台では重要無形文化財総合指定保持者である宝生流能楽師、辰巳満次郎氏の能を鑑賞。
幽玄、雅な世界観が御用邸と相まみえて独特の空気感を作り上げる。
優しく光を放つ月、松の木を揺らす浜風と打ち寄せる波音が溶け込んでいく。
能を堪能した後は懐石料理をいただく。
御用邸の持つ特別な雰囲気が料理を引き立たせる。

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“やっぱり沼津にとっても貴重なものですよね”

皇室ゆかりの施設として格調を重んじながらも多くの人に見てもらいたい、そのバランスが難しいと久保田さんは言う。
11月初めから『松籟の宴』というイベントが16日間に渡って行われる。
菊花展という花を愉しむこと、松間の饗宴(まつまのきょうえん)という食を愉しむことなど凛とした空間のなかで催しが行われる。

松間の饗宴は11月9日と10日、2日間に渡り生産者と料理人がタッグを組み料理を提供する。
松に囲まれた芝の庭園で、海からの風を浴びながら秋の恵みを愉しむ。

“御用邸もいろんな使い方ができるんです”

様々なカタチで御用邸の魅力を発信する久保田さん。
身近にありすぎて気が付かないもの、その価値に気づくこと。
そんな大切だけど忘れがちないくつかのことを御用邸は思い出させてくれる。

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沼津御用邸記念公園
沼津市下香貫島郷2802-1
電話:055-931-0005
ホームページ:http://www.numazu-goyotei.com/

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