Author Archives: 小松 浩二

伝統を守り、新境地を切り拓く和菓子店 ~居山哲也~

大正13年に創業した「いせや本店」。
原材料にこだわり素材の味を大切にしながら、数々の銘菓を生み出してきた。

看板商品の「平作最中(もなか)」は、沼津を舞台とする歌舞伎「伊賀越道中双六」の登場人物「平作」がかぶる笠をイメージしたもので、長年にわたり地域の人々に愛されてきた。
沼津御用邸や寺社仏閣との親交も深く、静岡県の代表として明治神宮にお菓子を献上している由緒正しい和菓子店でもある。

2014年、同社の取締役社長に就任した四代目の居山哲也さんは、伝統の味を守り続けながらも和菓子業界に新風を巻き起こす若き風雲児。

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前職は、和菓子とは異なる業種に在籍していたという居山さん。そこで培ったノウハウと経験を活かしながら、百貨店での販売やワークショップ、イベントへの参加、アパレル企業や現代作家とのコラボレーションなど、革新的な取り組みを続けている。

「当店のメインは昔ながらの素材を使ったお菓子ですが、残念ながら若者の和菓子離れは深刻。和菓子の新しいスタイルを確立することで、その魅力を幅広い世代の方に再発見してもらうことを目指しています。」
と、居山さんは和菓子業界と自社の今を語る。

いせや本店の新しい取り組みのひとつが、沼津御用邸とのコラボレーションで生まれたお菓子「和三盆干菓子くぎかくしさがし」の開発。
「釘隠し」とは柱や扉に打ち付けられた釘の頭を隠す日本古来の装飾金具のことで、城や邸宅などの伝統的な建築物に用いられている。
皇室の御静養に利用される格式高い沼津御用邸の建物内でも、いくつかの釘隠しを見つけることができる。
パッケージには独自に書き起こした釘隠しのマップがあり、それを見ながら館内巡りを楽しんでもらえるという仕組みだ。
邸内に配置された釘隠しの繊細なデザインをモチーフに、それぞれ「晴れ、曇り、雨」をテーマにした三色で作られていて、そこには天気や季節ごとに変わる趣へ想いを馳せながら楽しんでほしいという思いが込められている。
それはただ「おいしい」「美しい」だけでは終わらない、知的好奇心までも満たしてくれるいせや本店ならではの新しい和菓子だ。

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また、新しいプロジェクトとして、北海道・十勝地区で生産されている希少で高級な白小豆を使った「TABERU COFFEE」シリーズがある。
日本一の小豆生産地の十勝地区でさえも、白小豆は限られた量のみしか生産されていない。

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素材そのものの風味と色合いが素晴らしく栄養価も高い白小豆とマスカルポーネチーズを合わせた餡を、細かく粉砕したコーヒーを練りこんだ最中で包んだお菓子だ。

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パッケージにも徹底的にこだわり、和菓子の制作やコーヒーの道具にも使用されている「銅」の色をキーカラーとし、コーヒー豆がモチーフになった和テイストの文様を取り入れるなど、細部にわたり遊び心にあふれている。
見た目のインパクトだけではない確かな味で、全国和菓子協会の会議でも話題を呼んだ。

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十勝の農業の礎は明治 4 年に静岡藩より農家数戸が入植したことがきっかけになったとも言われている。
明治 16 年には伊豆半島・松崎出身の「晩成社」という企業経営の結社移民により帯広への入植がなされたという歴史もある。

居山さんはこの取り組みを通じて白小豆の魅力を伝え、さらには静岡と北海道・十勝地区、産地とお客様との関係を深めていきたいと語る。

いせや本店では、「Confectionery(お菓子)‐Communication」を企業理念として掲げている。
そこに込められているのは、人と人とが集うさまざまなシーンで、お菓子が豊かなコミュニケーションを創造するきっかけになりますように、という作り手の思いだ。

同店では、職人歴50年以上の熟練・濱口さんと、父もいせやで働いていたという20代の下山さんが、日々愛される銘菓を手作りしながら、新たな取り組みを支えている。

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「昔ながらの和菓子が持つ価値を、もっと多くの方に知ってもらいたい」と話す居山さん。
ときには新たな見せ方で、ときにはお菓子とともに店舗を飛び出して、その魅力を地元・沼津はもちろん全国にまで広めるため尽力している。

伝統を大切に受け継ぎながら新しいお菓子のあり方を模索し、革新的な取り組みを続けるいせや本店。
その躍進は今後、和菓子業界と沼津のまちにどんな影響を与えていくのだろうか。

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有限会社 いせや本店
代表者名 居山哲也
HP http://www.heisaku.com
住所 静岡県沼津市幸町2番地
Tel 055-962-0222

 

時を思い出し、そして忘れるレストラン/Oublier(ウブリエ)

沼津駅南口から5分歩くと、アンティークなドアが印象的なウブリエがある。
クラシックで素朴なフランス料理が食べられるお店が2017年1月末にオープンした。

北川さんご夫婦のセンス溢れるお店だ。

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店名はフランス語の、”Le temps oublier=時間を忘れて”
という言葉から名づけられた。

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【募集 】沼津の新しい風景をつくる場

狩野川河川敷上土エリアの”RIVER HOUSE”でパートナーとなる入居者を募集している

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design by ツクリト建築設計事務所

”RIVER HOUSE” は約10年前まで住居として使用されていた、狩野川沿いの小さな木造の建物だ。

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お母さん、お店はじめました~hal/ 後藤由紀子さん~

沼津駅から歩いて5分、路地裏に全国から注目されるhalという雑貨店がひっそりと佇む。
「お母さん、旅はじめました」「ほどほど収納が心地いい」などの書籍も書かれる店主の後藤由紀子さんのお店だ。
2人の子どもを育てるために無理をしない16時までの営業。
店内は後藤さんのセンスで集められた雑貨でなんとも心地のいい空間、そしてそのモノの物語を後藤さんから聞くのもとても心地がいい。

後藤さんはオープンをした15年前を振りかえる。

飲食から雑貨屋をやろうと決断するまで1日。
朝送り出すときは「私、子供が中学生になったら飲食店をやりたいの」と言っていたけど
夕ご飯の時、「雑貨屋をやることにしたから」という具合にそれは突然だった。

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仕事帰りに川で食事をしたい!【沼津でやりたい100のこと】

沼津の街に流れる一級河川”狩野川”。
街のそばに流れる河川敷は、簡単なルールを守れば誰でも使える。

今回、上土河川敷・風のテラスで行われた暑気払いにお邪魔した。

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この光景は誰でもできるのか?
風のテラスのこの食事会を準備から追ってみた。

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【求人】畑と街をつなぐ八百屋 ( REFS沼津店)

8年前、沼津駅と港を繋ぐ商店街で小さな八百屋、REFSは始まった。
そして熱海にはメイン道路を駅から歩いて5分の場所に2号店がある。
店頭には伊豆や富士山麓の野菜が並ぶ。

REFS(レフズ)とはreal food storyの文字をつなげた名前で、ただの八百屋ではない。
コンセプトは食べ物の物語を伝える。
そして理念として“Be organic”であることだそうだ。

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【求人】泊まれる公園に生まれ変わる旧沼津少年自然の家〜株式会社インザパーク〜

平成29年3月末をもって運営を終了した沼津市立少年自然の家。
ここは沼津の人たちが学校行事などで昔使った懐かしい場所だ。
営業終了後は既存の施設を活用し、地域の価値及び魅力を向上させる新たな事業を展開することを目的として民間の運営事業者募集を行った。

この施設が取り壊されることがなく安心した人も多いのではないだろうか。

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現在は工事中、宿泊棟は奥のような外壁に塗られ旧沼津少年自然の家の面影を残しつつも新しい場所へと生まれ変わる。 Continue reading

【後継者募集】牛山精肉店

牛山ベーコン、
これは東京ミッドタウンにあるDEAN&DELUCAのSelect shopの
お肉屋さんで一流のハモンイベリコ等々と一緒に売られている。
燻製の香りも高く、肉自体の質が良いので非常に美味。
業界では美味しいことで特に有名だ。

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ある公務員のランチ修行の終焉 

「沼津のランチを88箇所めぐる美食のお遍路」というミッションを2011年に始めた沼津市役所の職員がいる。
そのラストを飾る88箇所目に立ち会った。

沼津の新仲見世商店街を歩き、昭和10年に開店したケルンという喫茶店へ。

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三澤和也さんは昼食の後にお店の紹介をtwitterで書き込み、2013年からfacebookのページで報告をしてきた。

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駿河湾を泳ぐ沼津のしらす【静浦漁協】

沼津には4つの漁協があるのをご存知だろうか。
そのひとつ、沼津港から戸田へと続く海岸を車で15分ほど走ると静浦漁協のある漁港がひっそりとある。
そして、あまり知られていないが良質な「静浦しらす」の漁が行われている。

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