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生き続ける味噌

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昔、農家ではどの家でも自家用味噌をつくっていた。
手間のかかる味噌作り。
時代とともに味噌を作る家は少なくなっていった。

味噌や醤油、金山寺味噌の製造販売をする三島の渡辺商店の渡辺勝利さんと奥さんのきみ江さん。
“ただ昔からの味をまもっているだけです”
お父さんに教えてもらった味を守って今も味噌を作っている。

もともとお父さんの代から続く米などの農家だった。
近所の人にたのまれ農家の傍ら醤油やみそをつくっていた。
勝利さんの代になって45年。

お母さんが嫁にきてから二人きりでお父さんの味を守っている。
あくまでも“二人でできる範囲”
だから手作業で丁寧に作っている。
防腐剤も化学調味料をつかっていない。

渡辺商店では自家製の麹も作っている。

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時間もかかる。
でも守り続けるべきものがある。
その思いはとてもシンプルなもの。
“やってきたからこれからもやっていく”

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化学調味料などがなかった時代から味噌を作っていた。
時代の移り変わりとともに防腐剤などが使われるようになった。
だが使うとなんだかうまくいかなかった。

現代の流れに合わせて食の講演会など勉強も怠らない。
化学調味料などを使わなくても、素材の味、そしてお父さんの味を守れるように。

手のかかった味噌は、
味もにおいも一辺倒ではない複雑な風味。
とてもふくよかな味。
香りが良く、それは生きているにおい。

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あるとき、昔から渡辺味噌を愛用しているおじいさんが
カビが生えた!と喜んで連絡してきたそう。
無添加の味噌にはカビが生える。

カビが生えないように防腐剤をいれて菌を殺してしまうのではなく
味噌をちゃんと生きたまま届ける。

何もかもがきれいに、人間が発酵や細菌とともに作り出してきたものも殺してしまうのではなく、
ちゃんと共存するという意思がそこには見れるような気がする。

“手だけはほめられるの。どんな化粧品つかってるの?って”
とおちゃめに答えるお母さん。
酵母菌に囲まれたお二人は本当に元気。
ふたりともよくしゃべり、肌がつやつや。

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古き良きものをちゃんと知ってて、それを守り続ける。
めんどくさいことをめどくさいままやっている。
一見頑固なようだが、その頑固さが信頼できる。

“この味噌はうちのじゃないんだ、味噌をあずかってるんだよ”と。
自分で作った味噌の仕上げをしたり、材料だけを持ち込んで味噌をつくることも引き受けているそう。

気持ちのいい感じ。
人も味噌も生きていることを十分に感じているからこそできること。
最後に一番おいしい味噌の使い方は?と聞くと
“やっぱり味噌汁だね!”
そう笑顔で答える勝利さん。
あったかなお味噌汁が飲みたくなった。

≪渡辺商店≫
〒411-0035 三島市大宮町2-6-26
TEL:055-971-6370