Category Archives: Food

三島がゴロゴロ詰まったカレー

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三島の特産をふんだんに使用したレトルトカレーがある。
風味が違った三種類、箱根西麓三島野菜のプレミアムカレー、箱根山麓豚の旨辛ポークカレー、三島甘藷のマサラスイートカレー。
地元の食材がごろごろと入った少し贅沢なカレー、レトルトとは思えぬその味わいの深さにただ驚く。

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開発したのは田村商店株式会社。
事業開発プロジェクトチームの滝さんに話を訊いた。

“地元で商売をしてきて、やっぱり地元に恩返しをしたいと思って”

地元のものを使って何か商品化できないかと検討したところ、レトルトカレーの市場の大きさに注目した。
明治20年に雑貨小売業から創業し、スーパーなどの運営をして食と携わっていたとはいえ会社として商品開発は全く初めての経験。
試行錯誤の日々を繰り返した。
まずはレトルトカレーの実食調査、おおよそ100種類のカレーを食べ続けた。

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開発期間は半年、異例のスピードである。

“とにかくやりたいことを商品にしたので、速く商品化できたんだと思います”

開発を通じ、常にあったのは売っていく価値があるものを商品にするということ。
それは黒で統一されたパッケージにも表れている。

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ちょっと大人向けのカレー、いいものが食べたい人向けのカレー、地元のものを使った高級なカレーがコンセプトとしてある。野菜にしろ肉にしろレトルトカレーとしては一線を画する具材の量。
絶対おいしいといえるものを作るという意気込みが全て詰め込まれている。

“いいものを作ろうとするとどうしても価格設定が高くなってしまいます。会社の上の人たちには売れるわけねえって言われていました(笑)”

スーパーに行けば80円で売っているカレーがある現在。
会社の反対を半ば強引に押し切ったかたちの滝さん、そこには絶対に売れるという信念があった。

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味にこだわり続け、試食品ができたときには会社で反対する人はいなかったそうだ。

“品質を落として安いものを作るよりは結果的によかったと思います”

しっかりとしたものを作る、その想いが実を結んだ瞬間である。
地の素材の良さを引き出した商品だからこそまずは地元の人に食べてほしい、滝さんの想いは常に地元と共にある。

三種類のカレーはLot.nでも購入できる。

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山二園×セントベリーコーヒー トークショー【コーヒーとお茶極上の1杯を求めて~】レポート

美味しいお茶やコーヒーを味わう時間は日々の生活を豊かにさせてくれる。
“極上の1杯”をつくる生産や工程を知り、そしてそれをつくりだす想いを知るともっと深く味わいを愉しめるのではないかと思いこのトークショーが開催された。

なんと今回は富山県からコーヒー豆の国際審査員を務めるセントベリーコーヒーの富川義之さんと、煎茶で農林水産大臣賞を受賞した沼津 山二園の後藤義博さんとの対談。
30人以上の方が聞きに来てくれた。中にはお茶のインストラクターを務める方も。

コーヒーとお茶トークショー2

お二人の背景から伺う。
後藤義博さんは東京農大を卒業後、すぐに地元に戻って実家の農業を継ぐ。
農家がだんだん少なくなり、3Kと言われ出したのもあり、小さいころから作業服姿の両親の姿をかっこよく思えず農業が嫌だった。
どうせならと東京へ進学したが卒業するとき満員電車が嫌いでそのまま東京に就職も嫌だなと思ったのがきっかけで考え直した。
その時、農業者は農地を持っていくことが武器だと気付く。
農地がうちにあるということは農地を活かさなければならない。
“かっこいい農業ってなんだろう”と考えるようになった。
そして今の“生産から加工、販売までやろう”ということになった。

コーヒー&お茶トークショー5

“東京に住んでいた時に、すぐ近くにマンションの中に牛を飼っているいる人がいたんですよ。でもちゃんと掃除してあって綺麗で。
平日小学生とか幼稚園生が写生大会なんかもしていて地域の中に認知されている。でも、私も農業を勉強していましたからそれだけじゃ成り立たないことがわかる。
ふと、向こう側をみるとレストランをやっていたんですよ。やり方次第では光が見えたんです“

ではなんでお茶をやろうと思ったのか?
“野菜は八百屋になっていろいろな野菜を仕入れないといけない。お茶屋はお茶だけでできる、お茶は保存がきく、ロスも少ない。
それに製品にはしていなかったもののお茶畑はあったから、自分の置かれた環境の中でできるそうすれば工場、お店が持てる、うまくいけばかっこいい職業になる。
それに工場を持てば嫁も来るかもしれないって不純な気持ちで始めたんですよ“

こうして後藤さんはかっこよく、そして最高のお茶をつくる農家へとなっていく。

一方、富川さんも実家が焙煎屋だったので幼い子頃からコーヒーには触れ合っていた。
実家で働くようになって、マニアックなコーヒーの集まりがあった。ブラジルに行った日本人の方のコーヒーを飲んで飲んだことのないおいしいコーヒーがあることを知った
“本当においしいコーヒーって何かな?”と考えるようになり、
自分らしいコーヒーを求めるためにセントベリーコーヒーという店舗を作ることに。
国際審査員はアメリカから要請が来るそうでたまたま、日本スペシャルティコーヒー認定
テストがあり上位で合格し、推薦され審査員になった。

お二人とも、実家の業種に携わりながら、今までとは違う“新しいもの”をつくろうとしていた。

コーヒー&お茶トークショー3

そこに必要となってくるお二人が共通するキーワードがある。
それは“品評会”だ。

品評される側とする側という立場のお二人。
そこには強い気持ちがある。

後藤さんがお茶を始めた頃、沼津はお茶の産地ではない、質が悪いと言われていた。
“だから日本一のお茶を作ろう、それがきっかけ。
でも農業ってのは職人気質、プライドがあると自分で自分のがおいしいということも多くて。でも決めるのはお客さん。お客さんにだって好みがある。
だから信頼性がある好評性がある品評会に出すことにしました。
運も良かったのか、出した一回目に農林水産大臣賞をいただきました。
お茶の修行してないからわからないことが多く、データを集めました。そういう研究所があったんだけど当時はデータの基づく栽培を誰も信じていなくて。
マニュアル通りに作ると全国で一等賞を受賞しました“

そして昭和58年、献上茶として認定された。

お茶&コーヒー

品評会はマニアック。
商売にはつながらない。
でもこの評価はお客様にとっても安心感があるという。

お客様から言われたひとこにショックを受けた。
“去年のお茶のほうがおいしかったね”
そういったことから不安になる。それを払拭するためにも、
おいしいお茶をいつでも提供できるように。
分析したり、研究したり、安心感を得るためにも品評会に出すことにしたそう。

一方富川さんも、
国際審査員になることで、どんな人がどうやって買い付けるのかを知った。
ただ海外にいって審査をするだけでなく日本のコーヒーに対する意識も変わっていく。
そこに一つ、国際審査をするようになって気づいたことは海外の人たちがたくさん買い付けに来ているということ。

“日本人って譲り合いの精神。
いいことだけど世界に行くとそういう感覚ではない。
一歩先に行く、というよりは、まず口に出す。”

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“国際審査員の集合写真でど真ん中に座ろうと思ったんです。
だからど真ん中に座っても文句を言われない審査委員になろうと思って”

審査員になることで、おいしいコーヒー豆に出会え、
日本で最高の一杯を出すことを可能とし、どうどうと世界でも発言をする。
記念写真も今ではど真ん中で写るようになったそう。

またこのトークショーのもう一つの目玉。
お二人にはお茶とコーヒーの淹れ方レクチャーをしていただいた。

コーヒー&お茶トークショー6

お茶はなんと今年農林水産大臣賞を受賞した雲乃関というお茶だ。
まるでお出汁のようにうまみを感じるお茶だ。
客席からも、“甘い”“かぐわしい”そして“言葉にならないおいしさ”など感動の声が聞こえた。

コーヒー&お茶トークショー4

いつもはコーヒを審査する富川さんからもこのお茶の感想を聞いた
“うまみは日本独特のもの。コーヒーの品評会でも最近はうまみという言葉を知った海外の方たちは使うようになったんですよ。
これは日本文化やお茶から来たものかもしれないですね。
このお茶は、質感を感じます。お茶の味が立体的に感じて、口に含んだ時に粘性を感じました“
との感想をいただいた。

コーヒーは飲み比べということで風味が違うと感じられる2種類をいただいた。
同じコーヒーでも土壌、農園の風土によって味が変わるそう。

今でこそ“スペシャルティコーヒー”という言葉を聞くようになったが、以前は日本ではコーヒーに対してあまり大事に扱われなかったそう。

今回はちょっとコーヒーぽくない後味がレモンティーのような酸味があるエチオピアと酸味がすくなく特殊なフレーバーのインドネシアのマンデリン。

後藤さんはコーヒーは敵だと思ってた時期があるそう。
たまたま同窓会でcafe花野子の齋藤清一さんに再開したのがきっかけで
おいしいコーヒーを知る。そこには選別や火入れ、(コーヒーでいうなら焙煎)、温度管理など共通することがあることがわかり、
それを真摯に行う姿を見て、お互いに刺激を受けたようだ。

ある酒造メーカーの会長さんに言われた言葉の理解にも繋がった。
“おきている時間はどのくらいで、その限られた時間の中で飲み物を飲む時間はどのくらいか?
ほかの飲み物は敵ではなく、その時間にどれだけ「飲み物」を満足してもらえるか。”

最後にお互い、飲み物に欠かせない水について意見交換を。
他の飲み物の方法を聞くことで、さらにおいしい一杯に繋がったように思えた。

今回は最高の一杯というこうとで
お水は髙嶋酒造の“wasan”が用意された

お茶とコーヒー。
飲み物としての共通点だけではなく、“おいしい1杯”を提供したいという気持ちはかわらないこと。
そして、最高のお茶やコーヒーを提供することから学んできたことを教えていただいた。

“もっとあるのではないか”
手間暇を惜しんで効率化し、水分を補給するというだけになるのではなく、最高の一杯を大切にすることで“嗜好品”として飲み物があり、その先に文化ができることを知る。
後藤さんも“お茶には煎茶道があります。お茶に出会わなければ、きれいな庭や掛け軸を楽しむことをしらなかった、よい経験をしています”とのこと。
富川さんも、この海外での経験を次の日は中学校でお話ししたそう。
お二人の話の中で、“おいしい飲み物”を“評価”それをさらに発展させ、そこで終わらずに広がっていく力強さを感じた。

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≪山二園≫
沼津市中沢田349-1
TEL: 055-922-2700
沼津ジャーナル記事はこちら→ぶれないお茶~山二園 日本一の受賞茶を楽しむ会~

≪セントベリーコーヒー≫
[富山清水元町店] 富山市清水元町1-18
TEL:076-420-7155
http://stberry.com/

日本一の塩をつくるミッション~NPO戸田塩の会~

“甘い塩”というと語弊があるかもしれないが
NPO戸田塩の会が作る塩は口の一部分に甘さを感じる。
そしてやわらかくコクがある。

真っ白で滑らかでやわらかい雪のような塩。
まあるいしょっぱさは作り手が見えるようにやさしい。

それは塩なんてどれも変わらないのではないかと思っていた私にとっては衝撃だった。

その塩を追い求め戸田の作業所に見に行った。
海のすぐそばにある木造の建物の真ん中に大きな四角い窯。
壁には薪がおいてある。

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ほんとうにそれだけのシンプルな作業所には
NPO戸田塩の会のメンバーがいる。

“うちは混じりけのない塩をつくっているから作業場を自信を持って見せられるのよ”
理事長の菰田智恵さんは言う。

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戸田塩の作り方はとにかくシンプルだ。
駿河湾の水を沖からくんでくる。(これは協力してくれる方々がいるそう)
その水を薪で約13時間炊く。
塩ができたら手ですくっていく。
それだけ。
1日に約60個しか作ることができない。

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シンプルな塩作りを来る日も来る日もお母さんたちは
にぎやかに、そしてなごやかにしている。

海水の水蒸気が立ち込める。
この天然の混じりっ気のない化粧水に毎日触れている
お母さんたちの肌はとてもきれい。

クーラーもない部屋。
夏も冬も毎日塩を作り続ける。
過酷な環境で大変そうだなと思ったが
“夏はね、海から涼しい風が入ってきて気持ちいいのよ、いつも海の恵みを受けているわね”
という返事。

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“ここの人たちは高いお金をおもらっているわけじゃない。
最高の塩を作りたいって思ってるだけ。
本当に人がいいひとたちのあつまりなの。
だからおいしいハッピーな塩ができるのよ”

出来たばかりの塩を試食した。
ちょっといつもよりしょっぱい感じがするなと思ったら
実は少なくとも3~4日は寝かせているそう。
しかも音楽を聞かせながら。
“今はね、ヴィヴァルディを聞かせてるの。音楽を聞かせてあげると角が取れてやさしくなるのよ”とこっそり教えてくれた。

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過疎化していく戸田。
この地域には何があるのかを見つめた。
日本一の深海がすぐそばにあること。
伊豆の山々の木が近くにあること。
毎日海越しのきれいな富士山を見て心和やかに暮らしている人々がいること。

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18年前、身近にあるものを活かすため“塩”に辿り着いた。
約1500年前に安康天皇にここの地域の塩が献上されていた歴史もあった。

なんとか戸田を知ってもらおうと始めた塩作り。

“私たちは最初から日本一いい塩をつくるのがミッションなの”

志は高いがノウハウがない。
試行錯誤しながらの日々。
そして東京のデパートに行き一番高い塩を見つけ、その生産地へ見学へ行く。

フランスの「ゲランド」へ。
モンサンミッシェルの近くにある、世界的に有名な塩。

どうせだったら世界一の塩を見に行かなくてはと、5年間毎月少しずつお金を貯めて、みんなでそこに勉強に行った。

“着物を着て行ったんですが歓迎されましてね。
そこでたくさんのことを学んで帰りました。”

全力で取り組み、ミッションを果たしていく。
そして“沼津ブランド”になり“農林水産大臣賞”を受賞した。
評判は広がり、今ではスカイツリーのソラマチでも販売している。

この戸田塩はロットンでも買うことができる。
塩は生命にはなくてはならないものだからこそ大切に作るという。
一つまみ、その一つまみでもお母さんたちの愛情が伝わっておいしい食事になる。

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素材をぐっと活かす戸田塩。
ぜひともシンプルに料理し素材のおいしさを味わって頂きたい。

≪NPO戸田塩の会≫
沼津市戸田3705-4
TEL:055-894-5138


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ぶれないお茶~山二園 日本一の受賞茶を楽しむ会~

“ 日本一の受賞茶を楽しむ会”が御用邸記念公園にある東付属邸で行われた。
この会は京都で行われた第67回全国茶品評会で農林水産大臣賞を受賞した山二園の後藤裕揮さんのお茶を
煎茶道 黄檗弘風流 増田弘香先生の御手前のもと味わうことができる会だ。

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今回のこの名誉ある会に参加をした。
煎茶席、茶葉をいただく食茶、山二園レクチャーと3つの楽しみがあった。

まずは煎茶を頂く。
アテンドしてもらいながら順番に部屋に入りコの字に座る。

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御用邸の凛とした空気感が、お茶と向き合う時間をより期待させる。

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まずは香り。上品に香るすがすがしい青葉の香。
そして一口。
ふわっとしたお茶のうまみが口の中に広がる。
それは、出汁のよう。
まわりからは思わず“すごい”という声やため息が漏れる。

今回はたっぷりと堪能してくださいと、
2煎いただいたのでお茶を飲み干した。
そして5つお隣のかたと器を並べ2煎目を待つ間に
和菓子をいただく。
お茶の花をモチーフにした清光堂の上生菓子は上品な甘さが広がりお茶をさらにおいしくさせる。

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最後に二煎目をいただいた。
また一煎目とは違う味わいがあった。

次に、山二園レクチャー。
レクチャーでは今回受賞した息子の後藤裕揮さん、父の義博さん、そして東京から来られた地域食ブランドアドバイザー山本洋子さんにがお話しをしてくださった。

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今回の受賞は、普通煎茶4キロ部門。
この4キロ部門は手摘みのお茶のみエントリーできる。
もっとも優れた賞なのだ。
普通、お茶畑といえば山に段々畑になっているのを見る。
つまりお茶に適している場所は山で標高600m~250m。
だとしたら標高が低い沼津で日本一のお茶ができるというのは理論上不可能だ。
“環境がいいところに引っ越すのではなくて、自分の置かれた環境を最大限に生かす”

そこで、父の義博さんが試行錯誤をしながら、ハウスを有効利用した栽培方法を生み出した。
それにより環境に左右されない“いつでもおいしいお茶”を作ることを可能にした。

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そこまでして環境に左右されないお茶をつくるには訳があった。
“自分で育てて、自分で売るようになってお客さんの声を直接聞くようになった。
 そうすると今年のお茶はおいしい、とか今年は天候が悪いからよくなかったなどと
 天候によって不安定になことが不安になっていった。
 だからこそ毎年おいしいお茶をつくりたいと思った”
と義博さん。

“ぶれないお茶”をつくることは前代未聞。
その方法や、品評会での評価の仕方、茶畑を育ててきた想い、そして父の背中を見て育った裕揮さんの頼もしい姿を見ることができ、より煎茶のうまみを感じることができた。

そして、上級煎茶だからこそ食べられるお茶を入れた後の茶葉をいただいた。

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歯ごたえも香りもしっかり残っており、お茶が野菜のように食べられた。
それは自然仕立てだからこそ。

東付属邸という由緒ある場所に差し込む柔らかな日差し、
そしておいしいお茶。
普段なかなか味わうことのない心地よい緊張感とともに
素敵な時間を過ごすことができた。

普通、品評会用は別に栽培されることが多いそうだが
山二園のお茶は品評会に出したお茶と同じようにに育てたお茶だそう。

“品評会に出すことが目的ではありません。おいしいお茶をみなさんに飲んでもらうめに作っています。
 品評会はおいしいお茶を飲んでもらうための様々な挑戦であり試験です”

生産して、加工して、売るところまでやることで
最高のおいしいお茶を提供することができる。

山二園のお茶は山二園の店頭でしか買うことができない。
わざわざ足を運んで買うこと。
そこには作り手がいる。
おいしさを分かち合う瞬間がある。

最高のお茶は作る人と飲む人がちゃんと見えるのだ。

12月4日(水)ロットンで
義博さんとコーヒー豆の国際審査員を務めるセントベリーコーヒーの富川義之さんの特別トークショーが行われる。
その名も、コーヒーとお茶の会~極上の1杯を求めて~
なんと今回はこの第67回全国茶品評会で農林水産大臣賞したお茶をいただくことができる。

開催日:12/4(火) 19:30~21:00
※19:15より受付開始
場所:ロットン コミュニティースペース(沼津市上土町60)
参加費:2000円(コーヒー・お茶の試飲、お菓子付き)

お申し込みはお電話、店頭、またはホームページで→http://lotn.jp/events/lotntalkshow/

≪山二園≫
沼津市中沢田349-1
TEL: 055-922-2700

おだしのある生活~おだし香紡~

おだし。
日本が誇るべきうまみの文化。
でも地味で目立たない存在で、料理の過程で一番最初に省かれることが多い。
毎日の食事の準備でどこを削るのか。
時間もお金もかかるお出汁。

でもおだしのある生活はより豊かな食生活を与えてくれる。
削るなんてもったいない。
そう思えたのは実際にお出汁をとってみたから。

三島にある“おだし香紡”で手に入れた“だし煎”

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おだしをとったことがなかったので一番使いやすい粉末になったカツオだしが入ったパックを選んだ。
沸騰させたお湯にパックを入れる。
そこからじゅわ~っとお湯が金色になっていく。
そしてキッチンにはやさしいカツオの香り。

火を弱め煮出した後、パックをとりだした。
一口。やさしい味が広がった。
印象は思ったよりもしっかりと味があるということ。
そのおだしを使って味噌汁を作った。
いつもより少なめの味噌でもしっかりと味があり、深みが増した。

おだしを実際にとってみること。
広がる香はとても贅沢な時間だった。
そしていつもよりも大切に感じるお味噌汁。

なんだか日常を特別に感じた。

“おだしにスポットライトを当てる”
そう語るのはおだし香紡の沼田さん。
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使うおだしから贈るおだしへ。

盛り付けられた料理におだしの姿は見えない。
だけど縁の下の力持ち。
素材がぐっと引き締まりおいしくなる。

だからこそ、この日本の良き文化を伝えたいと
店舗を構えることにした。

もともと約80年続く老舗。
カツオなど海産乾物を旅館や日本料理店などに卸している。

沼田さんは全国から煮干しや焼き干しなどを集め
実際に試食。
こだわりぬいたセレクト。
若い人にも使いやすいようにパックタイプ(今回私が使用したもの)も作った。

”贈るおだし”からわかるように
パッケージもおしゃれで
大きさも小さめのものが多く選びやすい。

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ちょっともらったらうれしい。
おいしいから人に贈りたい。

めんどくさく思えることも。
敷居が高く思えることも、
それ以上の楽しみがあることを教えてくれる。

~ちょっといいかもおだしレシピ~
☆普段ブイヨンやコンソメをつかっているものをおだしにかえるとやさしい味に大変身!
・かぼちゃのスープ
・クリームシチュー(ビーフシチューは赤ワインなどを使うことがあるのでおすすめできないそう)
・カレー

☆水を使っていたところをおだしに変えてみる!
・餃子を焼くとき
・目玉焼きを焼くとき
ふんわりとしたやさしい味になる!1さじでもあなどれない。

~おだし香紡セミナー~
おだしを知り尽くした沼田さんによるセミナー。
日本人のDNAを呼び起こして、おだしライフをより豊かに。

「第10回お米日本一コンテストinしずおか」同時開催
本物はおいしい!基本のおだしとごはんセミナー
日時:11月28日(木)10:30~12:00(おだしセミナー)
場所:プラザヴェルテ(キラメッセぬまづ)
内容:出汁とりの講義、実演、試飲(カツオ、昆布、煮干しなど)
詳しくはこちら→http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-350/odashi-gohan.html

≪伊豆沼田 おだし香紡≫
〒411-0000 静岡県三島市西旭ケ丘 4041-2
TEL:055-981-7762
http://odashi-koubou.com/

雨の庭園を眺めながら

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11月10日に松間の饗宴2日目が行われた。

雨のため会場が庭園から東附属邸へ。
ここは大正天皇が学問所として使っていた所だ。

イベントというとBGMが必要だがこの空間では雨の音、天気に合わせ変化する庭の表情を眺めているのがとても面白く音楽は必要なかった。
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昨日とまた料理人が変わる。
フレンチのaiaiはトロール漁のスープドポワソン、
西浦みかんを使ったクレープ。

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中華の一歩は鯖を黒酢で揚げ、野菜をあんかけご飯に。
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天然酵母のパンのワイルドオーブンも参加した。
昨日に引き続き富士山麓野菜と石塚豚のプレート。
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かの川は、大中寺芋と天城軍鶏の炊き合わせ。

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山正の釜揚げシラスと桜海老の佃煮のチラシ寿司。
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志高き生産者と料理人のコラボレーション。

食材を提供した生産者のみなさんもお越し頂いた。

大中寺芋の会のみなさん。

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戸田塩の会の菰田さんは、ふじやまプロシュートの渡辺さんと新しい出会い。
“もしかすると、プロシュートを戸田塩を使い作るかも”
と渡辺さんが話していた。いったいどんな味になるのだろうか。楽しみだ。
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東附属邸の凛としたなかで、食と向き合う時間。
改めてこの地域の事を考える。

ここ沼津御用邸は東京の皇居から移築されたそうだ。
なぜここの地が選ばれたのか。
燦々沼津大使でもある建築史家の浅羽英男さんは、気温や湿度が大きな要因だったと教えてくれた。
そして海のそばで富士山が見える景観。

水産物、畜産物、農産物と恵まれた食を楽しめたのも大きな要因だったかたもしれない。

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特別な場所は、時が経ち我々市民も使えるようになった。
我々はこの場で特別なモノと向き合える特別な時間を愉しんでいきたいものだ。

沼津御用邸記念公園
沼津市下香貫島郷2802-1
電話:055-931-0005
ホームページ:http://www.numazu-goyotei.com/

俺が食いたかったから

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“干物屋だって時代があって、皆さんの食生活は毎年のように変わっていくんです”

干物のインターネット販売を沼津で一番最初に開始した、ぐるめ街道のふなとにお話を伺った。
インターネット販売だけでなく沼津で干物の真空パックを最初に作ったのもふなとである。
沼津ぐるめ街道の入り口に店を構える干物屋、ふなとは昭和47年から干物製造・海産物販売の実績を持つ。この日も川崎から沼津へ仕事に来たという方がお土産として干物を買っていく姿が見られた。
接客を担当するのは代表取締役の渡邉一浩さん。干物に関してわからないことがあれば丁寧に説明してくれる。

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移ろいゆく時代のニーズを察知できるのは対面販売をしているからだと渡邉さんは言う。
ふなとのこだわりは製造工程にある。
量販店のいわゆる開きとは違い、ひとつひとつの工程を丁寧に手作業で行う。
それは生産性をあげるより美味しさを追求した結果である。
さらに温暖な気候と浜風、富士山の湧水という自然の恵みがそこに加わり、ふなとの干物が出来上がる。

“昔からオリジナルな干物をいろいろ作っているんですけど、今でもうちのナンバーワン商品はトロさばです”

トロさばとは脂ののったさばのみを厳選し、干物職人がうす塩天日干しのみで仕上げた商品。
魚全体に脂が良く回っているため、焼くだけでカリカリと香ばしくなる。
トロさば開発のきっかけはなんだったのか、渡邉さんに訊いた。

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“俺が食いたかったから(笑)自分がさばの塩干しを食いたかったからおふくろに頼んだんですよ”

スーパーで扱っているものとは比べ物にならないその出来に驚いたそうだ。
今となってはふなとを代表する商品として全国の飲食店に供給されている。
それでも大量生産ではなく、あくまでも沼津らしさ、沼津の干物であり続けることにこだわり手作業を続ける。

“ぐるめ街道は地元の人に使ってもらえるようにならないといけない。親しみを持ってもらえるよう、まずは知ってもらわなくちゃいけない”

ぐるめ街道振興会の会長も務める渡邉さん。地元の人が利用しやすいぐるめ街道へ。
トロさば同様、新しい驚きは意外と近くにあったりするものである。

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沼津ふなと
沼津市岡一色332-3
電話:055-922-2123

御用邸で沼津の恵みを食す~松間の饗宴~

今日は11月9日、10日と開催される松間の饗宴の初日である。
松間の饗宴は11月2日から始まった松籟の宴の中の一つのイベントである。

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秋の恵みを味わうひとときをテーマに、
御用邸記念公園の本邸奥庭で行われた。
草月の作り出すダイナミック竹のモニュメント。

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そして沼津の家具作家OFCのテーブル。
その上にはドイツで修業をした女性オーナーが営むアコルトの花。

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庭園の空間に料理人が集まった。

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リバーサイドホテルのかの川、
フレンチのSHORE、イタリアンからはサンテラスキッチン。
それぞれシェフたちが腕を振るうのを目の前で見ることができる。

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さらに麦豚工房石塚、フジヤマベジを提供するREFS。
そして、OPERA、魚ぶん、イルパリオ、LOTUS SWEETS、御殿場からはふじやまプロシュート。

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今回特別に用意された沼津の食材をふんだんに、そしてお店のカラーで仕上げていく。
大中寺芋、深海魚など沼津港市場の水産物、丹那牛乳、戸田塩など。。。

アルコールも白隠正宗やベアードビールの地酒もそろった。

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沼津ジャーナルでも取材を重ねてきた。
その一つ一つが集結し、形になった。

今回はこの話を聞きつけてきた東京からのお客さんや、
明日沼津アルプス縦走する方たちも来ていた。

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チケットを買い、思い思いの料理を買っていく。
そして松林の中で特別な時間を過ごす。

ステージでは琴の演奏もあった。
波の音と松林の中に今だけの特別な空間が気持ち良い。

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明日は天候が雨になるため東附属邸で行う。
東附属邸でこのようなイベントをするのは初めてだ。
歴史を感じる空間でこの地域ならではの恵まれた秋の食材を味わう。
出店店舗の入れ替わりもあるのでまた違う“食”と“空間”を味わえるだろう。

松間の饗宴
明日は最終日!

自然に育まれた天城軍鶏

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“生産量を増やすという形ではなく、切り口を変えたところでやっていきたいなと思って”

狩野川をさかのぼり伊豆市矢熊の川沿いにある鶏舎でインタビューに答えていただいたのは天城軍鶏を生産している堀江養鶏の3代目、堀江利彰さん。

天城軍鶏は栄養度の高いエサを与え、自由に走り回る事が出来る平飼い鶏舎を使い、ブロイラーの3倍以上の時間をかけて育てられた軍鶏だ。
飼育は120~150日くらいの時間をかけ、生き物本来の形でゆっくり育てることにより、程良くしっかりとした歯ごたえで臭みもなく育つ。
狩野川沿いに立地するため、川の風が流れることで空気が淀まないそうだ。
鶏も人間と同じでストレスを与えずに育てることが重要だ。

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“風だったり、陽の当て方だったり、季節によっても違うし、鶏舎に入っている雄と雌の量によってもやり方を変えています”

その時々の条件によってやり方を変える。
これまでに蓄積された経験と知識がそれを可能にさせる。
また、堀江さんは直接料理人と意見交換することを大事にしている。
それは生産者として生産者本位で作ること、自己満足になることを抑止するためだという。

“完璧はないんです。同じように飼っても、全く違う鶏になるんです。生き物を扱うってそういうことです”

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堀江さんのこだわりは餌にも及ぶ。天城の特産であるわさび、その葉っぱを餌に混ぜる。
わさびには抗菌や整腸作用があるそうだ。わさび以外にも近所の豆腐屋さんでできる豆乳も与えている。
人間が飲めるほどの豆乳を惜しげもなく与える。

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これほどまでに手間暇かけて飼育された天城軍鶏だが、実際に食べる機会というのは少ない。
また、その食べ方もよく分からなかったりする。

“そうなんですよ。食べ方が分からないとただ硬いで終わってしまうんです。だから、プロの料理人さんを経由して消費者に届くようにしているんです”

11月9日、10日に御用邸で行われる松間の饗宴でも天城軍鶏を味わうことができる。
調理に腕を振るうのは沼津リバーサイドホテルの日本料理かの川と馬込のフレンチレストランSHORE。
天城の自然の中で育った天城軍鶏がどう調理されるか、興味は尽きない。

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堀江養鶏
電話:0558-87-0644
http://www.amagi-shamo.jp/

ベアードビール × 高嶋酒造 トークライブ

先日、Lot.nコミュニティスペースで沼津を拠点とするベアードビールのベアードブライアンさんと白隠正宗をつくる高嶋酒造の高嶋さんのトークライブが行われた。
沼津ラガーや白隠正宗を飲みながらの会。

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オイルサバディ、黒はんぺん、各種調味料など
ロットンで扱う食品もおつまみとして。

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世界から注目をされるベアードビール。
若手の杜氏として全国から注目される蔵元の高嶋酒造。
実はお二人のトークライブははじめて。
このトークを聞こうと、仕事帰りに東京からやってきた方もいた。

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お二人に今まで、そしてこれからを語って頂いた。

ベアードさんは13年前にビールづくりをはじめた。
沼津港のそばのビルの2階。
そこは日本一小さなビール工場だった。
大手ビールメーカーのつくるキレのいいビールではなくバランスのとれた個性のあるビール。
そんなビールは初め、全く沼津の人に興味を持ってもらえなかった。

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高嶋さんは、東京農大で醸造学を学ばれご実家に戻られる。
ご実家の酒蔵に入ると、今までのつくり方や意識に疑問を持ち始める。
しばらくすると酒造りを見直そうと29歳という若さで杜氏になり根本から酒造りを変えっていった。
でも沼津ではなかなか評価されない現実。

お二人がつくったお酒は沼津ではなく東京など県外の人たちから注目をされていく。

しかしお二人は地元をしっかりとみつめていた。
地酒、地ビールは
“地元の人でつくり、地元の素材でつくり、地元の食にあうようでならない”

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富士山からの湧水を使い
地元の農産物を使い個性的な味わいを出していく。
地元の生産者のお米を多く使い、醸造アルコールを使わなくなっていく。

生産者に工場から出たホップを堆肥として畑で使ってもらう。
精米して出されるモノを堆肥にし稲作りに使ってもらう。

農を活かし農に還元するお二人の取り組み。

地域にこだわるのは
『循環』
という言葉に共通点があった。

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以前、沼津西浦地区で自然農のパイオニアの高橋さんの畑へベアードさんと一緒に行った時のこと
カルフォニア出身で歴史学者のお父様を持つブライアンさんは、
物事の本質に向き合い、そして本物をつくる『職人』を気質を持つ日本のモノづくりの人々、
そして生産者を尊敬していたことを思い出した。

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そしてお二人は世界も見つめたいた。
世界的なクラフトビールの市場の広がりを実感しているベアードビールは規模を拡大しより農に近い場所、修善寺で新しい工場が稼働する。
高嶋酒造は世界的な日本食の広がり、日本酒の味覚そして知識の成熟していく事を見越し、純米酒だけをつくり続けていく。

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理念に向かっていくことは、とても大変なことだ。
途中で挫折してしまう方も多いが
強い理念を持ち行動し続けることで、まわりに共感者が多くなっていき、その理念により近づいていっているような印象を受けた。

“想い”からすべてがはじまる。

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今回はシェフ、酒屋さん、干物屋さん、わさび漬け屋さん、行政の方などにもご参加して頂いた。
それぞれが地域をベースにした想いの強い方たちだった。

これからこの想いがカタチになっていくことが楽しみだ。

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Lot.nのコミュニティスペースでは、このような想いを体感できるワークショップやトークライブを行う予定だ。

ぜひとも参加して頂き、この地域のヒト・モノを体感して頂きたい。
ビールを片手に。

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