ぶれないお茶~山二園 日本一の受賞茶を楽しむ会~

“ 日本一の受賞茶を楽しむ会”が御用邸記念公園にある東付属邸で行われた。
この会は京都で行われた第67回全国茶品評会で農林水産大臣賞を受賞した山二園の後藤裕揮さんのお茶を
煎茶道 黄檗弘風流 増田弘香先生の御手前のもと味わうことができる会だ。

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今回のこの名誉ある会に参加をした。
煎茶席、茶葉をいただく食茶、山二園レクチャーと3つの楽しみがあった。

まずは煎茶を頂く。
アテンドしてもらいながら順番に部屋に入りコの字に座る。

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御用邸の凛とした空気感が、お茶と向き合う時間をより期待させる。

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まずは香り。上品に香るすがすがしい青葉の香。
そして一口。
ふわっとしたお茶のうまみが口の中に広がる。
それは、出汁のよう。
まわりからは思わず“すごい”という声やため息が漏れる。

今回はたっぷりと堪能してくださいと、
2煎いただいたのでお茶を飲み干した。
そして5つお隣のかたと器を並べ2煎目を待つ間に
和菓子をいただく。
お茶の花をモチーフにした清光堂の上生菓子は上品な甘さが広がりお茶をさらにおいしくさせる。

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最後に二煎目をいただいた。
また一煎目とは違う味わいがあった。

次に、山二園レクチャー。
レクチャーでは今回受賞した息子の後藤裕揮さん、父の義博さん、そして東京から来られた地域食ブランドアドバイザー山本洋子さんにがお話しをしてくださった。

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今回の受賞は、普通煎茶4キロ部門。
この4キロ部門は手摘みのお茶のみエントリーできる。
もっとも優れた賞なのだ。
普通、お茶畑といえば山に段々畑になっているのを見る。
つまりお茶に適している場所は山で標高600m~250m。
だとしたら標高が低い沼津で日本一のお茶ができるというのは理論上不可能だ。
“環境がいいところに引っ越すのではなくて、自分の置かれた環境を最大限に生かす”

そこで、父の義博さんが試行錯誤をしながら、ハウスを有効利用した栽培方法を生み出した。
それにより環境に左右されない“いつでもおいしいお茶”を作ることを可能にした。

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そこまでして環境に左右されないお茶をつくるには訳があった。
“自分で育てて、自分で売るようになってお客さんの声を直接聞くようになった。
 そうすると今年のお茶はおいしい、とか今年は天候が悪いからよくなかったなどと
 天候によって不安定になことが不安になっていった。
 だからこそ毎年おいしいお茶をつくりたいと思った”
と義博さん。

“ぶれないお茶”をつくることは前代未聞。
その方法や、品評会での評価の仕方、茶畑を育ててきた想い、そして父の背中を見て育った裕揮さんの頼もしい姿を見ることができ、より煎茶のうまみを感じることができた。

そして、上級煎茶だからこそ食べられるお茶を入れた後の茶葉をいただいた。

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歯ごたえも香りもしっかり残っており、お茶が野菜のように食べられた。
それは自然仕立てだからこそ。

東付属邸という由緒ある場所に差し込む柔らかな日差し、
そしておいしいお茶。
普段なかなか味わうことのない心地よい緊張感とともに
素敵な時間を過ごすことができた。

普通、品評会用は別に栽培されることが多いそうだが
山二園のお茶は品評会に出したお茶と同じようにに育てたお茶だそう。

“品評会に出すことが目的ではありません。おいしいお茶をみなさんに飲んでもらうめに作っています。
 品評会はおいしいお茶を飲んでもらうための様々な挑戦であり試験です”

生産して、加工して、売るところまでやることで
最高のおいしいお茶を提供することができる。

山二園のお茶は山二園の店頭でしか買うことができない。
わざわざ足を運んで買うこと。
そこには作り手がいる。
おいしさを分かち合う瞬間がある。

最高のお茶は作る人と飲む人がちゃんと見えるのだ。

12月4日(水)ロットンで
義博さんとコーヒー豆の国際審査員を務めるセントベリーコーヒーの富川義之さんの特別トークショーが行われる。
その名も、コーヒーとお茶の会~極上の1杯を求めて~
なんと今回はこの第67回全国茶品評会で農林水産大臣賞したお茶をいただくことができる。

開催日:12/4(火) 19:30~21:00
※19:15より受付開始
場所:ロットン コミュニティースペース(沼津市上土町60)
参加費:2000円(コーヒー・お茶の試飲、お菓子付き)

お申し込みはお電話、店頭、またはホームページで→http://lotn.jp/events/lotntalkshow/

≪山二園≫
沼津市中沢田349-1
TEL: 055-922-2700

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