自然に育まれた天城軍鶏

numazu-journal6

“生産量を増やすという形ではなく、切り口を変えたところでやっていきたいなと思って”

狩野川をさかのぼり伊豆市矢熊の川沿いにある鶏舎でインタビューに答えていただいたのは天城軍鶏を生産している堀江養鶏の3代目、堀江利彰さん。

天城軍鶏は栄養度の高いエサを与え、自由に走り回る事が出来る平飼い鶏舎を使い、ブロイラーの3倍以上の時間をかけて育てられた軍鶏だ。
飼育は120~150日くらいの時間をかけ、生き物本来の形でゆっくり育てることにより、程良くしっかりとした歯ごたえで臭みもなく育つ。
狩野川沿いに立地するため、川の風が流れることで空気が淀まないそうだ。
鶏も人間と同じでストレスを与えずに育てることが重要だ。

numazu-journal2

“風だったり、陽の当て方だったり、季節によっても違うし、鶏舎に入っている雄と雌の量によってもやり方を変えています”

その時々の条件によってやり方を変える。
これまでに蓄積された経験と知識がそれを可能にさせる。
また、堀江さんは直接料理人と意見交換することを大事にしている。
それは生産者として生産者本位で作ること、自己満足になることを抑止するためだという。

“完璧はないんです。同じように飼っても、全く違う鶏になるんです。生き物を扱うってそういうことです”

numazu-journal

堀江さんのこだわりは餌にも及ぶ。天城の特産であるわさび、その葉っぱを餌に混ぜる。
わさびには抗菌や整腸作用があるそうだ。わさび以外にも近所の豆腐屋さんでできる豆乳も与えている。
人間が飲めるほどの豆乳を惜しげもなく与える。

numazu-journal5

これほどまでに手間暇かけて飼育された天城軍鶏だが、実際に食べる機会というのは少ない。
また、その食べ方もよく分からなかったりする。

“そうなんですよ。食べ方が分からないとただ硬いで終わってしまうんです。だから、プロの料理人さんを経由して消費者に届くようにしているんです”

11月9日、10日に御用邸で行われる松間の饗宴でも天城軍鶏を味わうことができる。
調理に腕を振るうのは沼津リバーサイドホテルの日本料理かの川と馬込のフレンチレストランSHORE。
天城の自然の中で育った天城軍鶏がどう調理されるか、興味は尽きない。

numazu-journal3

堀江養鶏
電話:0558-87-0644
http://www.amagi-shamo.jp/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。