自転車で海沿いを走りカフェへ行こう~チェレステカフェ~

“伊豆は自転車乗りにとって初心者から上級者まで楽しめる最高の場所なんですよ”

海沿いは緩やかな道が続き、山に入れば激しいアップダウン。
山の景色も海の景色も楽しめる。海の向こうに富士山を見ることも。
そしてなんといっても疲れた時に楽しめる美味しい恵み。

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そんな伊豆の入口、内浦には自転車乗りたちが集まるカフェがある。
それが“チェレステカフェ”
チェレステとはイタリア語で“青い空”という意味。
それだけではなく自転車乗り達の注目するブランドだそう。

“この名前なら自転車が関係してることがわかると思って”
そう答えるのはオーナーの小野剣人さん。

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出身は東京、約10年前に静岡に移住してきたそう。
昨年3月にオープンする前は朝霧にいた。
実はスノーボードで靭帯を痛めたことをきっかけに
リハビリを兼ねて自転車を再開したらまんまとはまってしまった。

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おちゃめで話好き。そして温かく見守る奥さま。
そんな空間が心地よく、メニューも甘いものからごはんまで揃い、
自転車を漕ぐ心地よい疲れにやさしく響く。

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≪生地から手作りのピザ≫

こんにちはと自転車を担いで中に入ってきたお客様

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“なにか甘いものを”とシナモンロールを。
自転車の格好とシナモンロールのギャップがなんだかカッコイイ。

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1人で自転車に乗ってやってきて、
ここで仲間を見つけて一緒に走るという光景もよくあること。
小野さんの気さくな雰囲気は人と人とをつなぐ。

“高校生とかが自転車を買う前に来ることもあるんです。
常連さんたちにいろいろ聞いて勉強してるんです”

自転車に興味を持つと一度は行ってみたい場所担っているように感じた。

自己責任で自分でメンテナンスを行うのが前提だが
空気入れやちょっとした工具も借りることができるそう。
初心者でもたよりになる人がいる場所はこころ強い。

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《奥に進むと壁には絵本、ソファー席と授乳が可能なスペース》

じつはここはもうひとつの顔を持つ。
こちらはお子さんを持つお母さん向け。

この店内は小野夫婦、そして家族や仲間たちと一緒に作った。
奥さんのおじいさんの所有していた家一軒分の古材を利用。

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さらにスナックだった名残を残し、座席を山から切ってきた木の丸太に変えた。

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もちろん、お母さんじゃなくても自転車乗りじゃなくても
ちょっと内浦に行った時に小野さん夫婦に会いに行きたくなる。
おしゃれでほっとする場所がある。

≪CELESTE-CAFE チェレステカフェ≫
沼津市口野55-16
TEL:090-6350-0023
【営業時間】
月/11:30-20:00
水〜金/11:30-20:00
土/6:30-9:30、11:30-20:00
日/6:30-9:30、11:30-17:00
http://celestecafe.com/

街中でふらっと川沿いを走る拠点~沼津ランニング&スキルズステーション~

【2014年の記事です。現在は記事のサービスを提供しておりません】

沼津市の市街地の真ん中に中央公園がある。
この公園は狩野川が流れ朝夕にウォーキングやランニングを安全に楽しめる拠点として人気を集めている。

恵まれた環境を活かし、水辺の空間をより楽しむために、
中央公園内に健康づくりの拠点施設として沼津ランニング&スキルズステーション(愛称:Nステ)は誕生した。
今年で5年目となる。

去年から担当となったスタッフの松田さんと阿久津さんにお話を伺った。

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あらゆる運動の導入部分のアドバイスをするスポーツプログラマーの資格を持つ松田さん。

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“さぁ、運動をしましょう”と言われても自己流だとなかなか続かないのが運動。
ケガを防いだり、継続が出来るようにするのが目的。
そんな松田さんは月に何度かストレッチの指導もする。

一人でも希望者がいれば行う。
親身になって運動を始めるサポートをしてくれる。

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Nステではこういった、運動を始めるため、続けるためのプログラムから、
運動をやっていた人も楽しめるプログラム、そしてイベントを開催している。

そこで活躍するのが阿久津さん。
素敵な笑顔で送り出し、ゴールで待っていてくれる。
運動の疲れをさらに心地よいものに変えてくれるのだ。
“私は運動は苦手。みなさんを待ってるのが役目です”
そんな阿久津さんに促されてコミィニュティーが出来ていく。

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常連さんが集まり、新入りの方のサポートをしたり
利用者の意見によってイベントが決まっていくことも多い。

Nステと利用者が一体となって
運動を楽しむ場所を作るここは普通のジムとは一味違う。

“まず3日坊主をやってください。3日やって1日休んでまた来る。
1か月後にまた来る。最初はあゆみ橋を往復するのでさえ辛かった人もいますが
今はイベントに参加するほどになることも。
楽しみながらやることが大切!”

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川の美しい景色の中で走る。
時間帯によっていくつもの顔をもつ沼津の景色。
気持ち良い環境で
楽しかったら、また続けよう。
そんな小さな喜びが運動につながる。

会社帰りにも利用したいNステ
Nステではロッカーやシャワールームがある。
また、ロッカーにスニーカーを預けておくサービスもある。
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Nステには沼津アルプス情報やランニング情報がある。
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ちょっとしたお茶も飲めるので情報を聞きに来るところからスタートしても良い。

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沼津のお菓子屋さんのスイーツを楽しめるスイーツランや
皆で楽しめるかのがわリレーランなどのイベントも開催。

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自分に合ったイベントを目標に運動をしてみるもの楽しい。

≪沼津ランニング&スキルズステーション≫
【2014年の記事です。現在は記事のサービスを提供しておりません】

【営業時間】
平 日 11:30~20:30
土日祝 9:00~18:00

【更衣室利用料金】
大人 300円(18歳以上、高校生を除く)
小人 100円(小・中・高校生)
●利用料金に含まれるもの :ロッカー、 シャワー(ボディーソープ、シャンプー、リンス付)、


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港街から教わること~気仙沼・卒業ライブ~

3月1日、気仙沼の5箇所の高校でも卒業式が行われた。
その翌日に気仙沼市内の鹿折小学校で卒業ライブが行われた。
そのイベントのサポートを沼津からもさせて頂いたため、沼津ジャーナルでも報告をする。

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《現在の気仙沼・鹿折地区》

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《3年前の気仙沼・鹿折地区》

「中学の卒業式の前日に津波がやってきて、満足に卒業式ができなかった。だから高校の卒業式の次の日に、自分達らしい卒業ライブをしたかった。」
実行委員長の菊池南海さんはそう語られた。

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《右から菊池さん、小野寺さん、山下さん》

実現に向けみんなで動きはじめる。
サポートをした小野寺真希さん。
(菊池さんや小野寺さんは底上げYouthという地域への取り組みをするコミュニティにも参加していて地元の高校生だけでなく、全国へ気仙沼の魅力を発信し幅広い世代と交流をしていた。)

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《高校生で作った気仙沼恋人スポットのリーフレットを持つ小野寺さん》

でも、高校生だけでは前に進まない。
そこで毎月一回気仙沼のコミュニティスペースで行われている音楽のワークショップのレコハコで相談する。
(このレコハコは、毎年10月に行われるサンマを焼きながら音楽を楽しむ、気仙沼サンマフェスティバルから生まれた。このイベントは水産業に携わる山下さんが実行委員長となり東京からアーティストを呼び高校生も演奏に参加した。音楽の好きな社会人と高校生の交流するきっかけが始まった。)

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《レコハコで演奏をする高校生》

山下さんとレコハコの世話役をする妊婦の津谷さんは高校生の想いをカタチにしていく。
といっても地味な作業だった。
まずは会場探し。
企画書を持ってまわるがなかなか使用できる場所がない。
なんとか、気仙沼市内の鹿折小学校を借りる。

そして問題になったのが運営資金。
そこで、沼津のライジングサンマフェスティバルの支援金を使うことに。
(昨年度のライジングサンマフェスティバルは子どもたちが笑顔になるプログラムに対し支援する事になっている、引き続きこの高校生の取り組みなどを応援していく予定だ)

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想いがつながり、卒業ライブが3月2日にこうして始まった。

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高校生、昨年卒業した先輩、そして社会人たちが参加して手作りのイベント。

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高校生の地域への活動報告も展示された。

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緊張するなか気仙沼市内の4校の卒業生のライブが12時にスタートした。

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仙台や東京などからもアーティストがボランティアでお祝いにやってきた。

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高校生とプロが一緒のステージが始まると会場はさらに熱気に包まれた。

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底上げYouthの報告を小野寺さんと後輩が発表する。

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想いは次の代につながれる。

底上げYouthは、リーフレットを作る他にも、気仙沼で一番大きなお祭り、港祭りのスゴさを再発見し発信すること、気仙沼の郷土料理「あざら」をPRすることなども進め、高校生目線で気仙沼の魅力を発信し全国から観光に来てもらうことを目指している。

近所の商店の女将さんが、底上げYouthなどの活動を、「目の前にある事としっかり向き合い、そしてしっかりと行動する事、高校生の取り組みから本当に元気をもらっています」と笑顔で自慢していた。

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「震災でつらい事もいっぱいあったけど、震災があったから出会えた人、見たことない景色にも巡り合えた。そして今こうして素晴らしい場に立てている事は震災のおかげだと思っている。」
演奏をしていた高校生ステージで語られた。

実行委員長の菊池さんからも多くの方に感謝の言葉も。

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震災から3年。
高校生生活を復興と共に過ごした卒業生。
話していると、とても頼もしく思えた。

ステージの前列では、後輩たちが純粋に音楽を楽しみ、真ん中では同級生がちょっと寂しそうに演奏を聞き、後列では大人たちがその光景を嬉しそうに静かに見守っていた。

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社会人メンバーは高校生が楽しくすごせるように、全力でそしてさりげなくサポート。

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夢を語る人、夢に向かって一緒に行動する人、夢が現実になるため環境をつくる人、夢の実現を喜び一緒に喜ぶ人、そしてまた次の夢を持つ人。
会場には笑顔が溢れていた。

地域って素晴らしいと心から思った。
震災で失ったものは大きいが、築き上げたものはもっと大きい。
彼らがこれから想いをカタチにし続けていくと、そう言える時が来るはず。

そして私たちはもっと港街の気仙沼から多くの事を学ばなければいけない、と強く思った。

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富士山の日に酒蔵と酒屋が届ける酒~髙嶋酒造~

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静岡県では2月23日は富士山の日と条例で決められている。
その日に特別に絞られるお酒がある。
それが髙嶋酒造“富士山の日朝絞り”

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お酒に使用されるのは誉富士(酒米)、富士山の伏流水、静岡酵母NEW-5。
ラベルは歌川広重と豊国の双筆五十三次「はら」。
この絵の舞台は髙嶋酒造のある原。そしてこの浮世絵は安政のころに描かれていて、髙嶋酒造の創業が文化元年なので
もしかするとこのモデルはご先祖様に関係があるかもしれない!?ということで特別にラベルをお借りしているそう。

“地元だけでこういうお酒を造れるっていうことを知ってほしい”
と語るのは杜氏も務める髙嶋社長。

2月23日、たった1日だけに出荷された量は一升瓶約1300本。
1シーズン5万本出荷されるうちのたった1300本。
とても貴重なお酒は完全予約制。(1部酒屋で店頭販売ありだがほんのちょっとだそう)

実は“この日に絞る”と決めることはとても技術がいる事で、
通常は大体の日程は決めるものの、発酵の様子などで絞る日が2~3日スライドするものだそう。

“この富士山の日は杜氏としても挑戦。技術向上のためのチャレンジでもあるんです”
髙嶋さんにとっても貴重な体験。

お酒自体も普段ならオリが沈殿するようにおいておく。
だが今回は絞ってすぐに出荷するのでオリが残るのだ。
少し白くにごる酒には甘みがある。
純米酒しか作らない髙嶋酒造は機会も古来からの絞り機のため柔らかいな味わいが残る。
これもいつもとは違う感覚で美味しい。

生のオリがらみなので酵素が失活しない変化の大きい状態。
早めに飲むのが良いそう。
そのおいしさをすぐに飲む人に届けるためにもう一つ、いつもとは違う風景が蔵に見える。

このお酒を販売する酒屋が集まり、出荷を手伝い、その日のうち販売するのだ。

日付が変わるとともに蔵人はお酒を絞り出す。

そして朝五時半。静岡県全土と名古屋から酒屋や関係店が集まる。
まず杜氏から今回のお酒の説明を聞き、
テーブルに置かれた利き酒用猪口に酒を注ぎ、口に含んで香りと味わいを試した。

そして、神主が来ると全員でご祈祷。
富士の恵みに感謝し、お酒を清める。
澄んだ冷たい空気が流れる中、厳かに行われた。

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ご祈祷が終わったお酒はラベル貼りの作業場へ運ばれる

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“酒蔵だけでなく、酒屋さんに協力してもらうことによって広く認知し楽しんでもらう。蔵人、杜氏、酒屋が一緒になってラベルを張り箱に詰めて出荷しなければ飲む人の元へ届かない。
それは「飲む人」をより近く感じる事が出来ました”
と髙嶋さん。

鮮度がとても高いお酒だからだからこそ、その日に届けられる
静岡県の取引している酒屋だけに案内を出したそう。
あくまでもその日に売ってその日に飲んでもらうため。

それを知った名古屋の酒屋も翌年からは一軒参加。
なんと日付が変わるとともに名古屋を出て、瓶を箱に詰めるとをするとすぐに持ち帰る。
遠いのになぜ?と思うがこの言葉を聞いて納得。
“もちろん味も良いが、酒の中に入り込んでいる髙嶋さんに惚れ込んでこのお酒を届けたいと遠くても参加してます”
そこまでしても届けたいお酒なのだ。

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酒造と酒屋、酒屋同士など普段見られないコミュニケーションが
酒造りの場で行われている。

髙嶋酒造のコンセプトである“この地でしか作れない最高の地酒をコミュニケーションツールに”からさらにもう一歩、
作る“場”でもコミュニケーションが生まれていた。

別の酒屋さんに“朝早いですけど、やっぱり毎年来たいですか?”という野暮な質問をしてみると
“毎年来なくっちゃ一年が始まらないじゃない”と。

酒蔵と酒屋の信頼関係がおいしいお酒を飲む人へ届けていることを感じた。

作業のあいだ別室では奥さんたちが朝食の準備をしていた。
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この日は2種類のおにぎりと具だくさんのトン汁、と漬物。
シンプルだが奥さんたちの手作りの味は格別だ。

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“遠くは名古屋浜松から手伝ってもらうのでせめて朝食でもと喫茶去のようなものです”
その心温まるおもてなしは前日から下準備をし4時から作り出す。

杜氏も酒屋も同じ釜の飯を食べる。

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愛される酒蔵は愛されるお酒を作る。
お酒を愛する酒屋さんは、愛されるお酒を売る。
そんな朝の冷たい空気と一緒にすがすがしい気持ちのいい光景を見る事が出来た。

沼津ジャーナル取材チームは“速報ジャーナル”を試みた。
取材し、その場で編集、印刷、配布。
このお酒を買ってくれた方へ、朝に起きた特別な出来事を届けるために。
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富士山の日朝絞りはフレッシュで爽やかな香りの中に米の旨みがギュッと詰まったお酒。
魚料理全般に合うそう。

富士山の日という特別な日に、
静岡尽くしの特別なお酒を富士山を眺めながら飲む。
贅沢な1日は1年に一度。
気になる人はお酒を買う楽しみを酒屋さんで学んで、
酒蔵を身近に感じてほしい。

逃してしまった人はロットンでも飲むことが出来る。
一升しかないのでお早めに。

≪髙嶋酒造≫
沼津市原354-1
TEL:055-966-0018
http://www.hakuinmasamune.com/index.html

髙嶋酒造沼津ジャーナル記事→http://numazujournal.net/2013/09/takashimas/

写真:川上千絵

8時間後のミライのために~ハチエイチ~

ハチエイチは8時間後のミライを幸せにしようというコンセプトの元、
障がいを持つ方の作るプロダクトをプロデュースしている。

ハチエイチ=8H
“8時間”とは労働基準法で定められた時間。
つまりは働く時間。
「障がい者にも“働くこと”をもっとやりがいのある仕事にしたい」
とこの試みが始まった。

ハチエイチを運営する風間康寛さんにお話しを伺った。

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風間さんの3つの障がい者の子ども達の為の施設の代表理事をしている。
その中の1つ、エシカファームを訪れた。
約10人の障がいを持った子どもたちが楽しそうに勉強をしたり
遊んだりしていた。

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ある日、1人のシングルマザーのお母さんに言われた願いから風間さんは障がいを持った子どものための託児施設を作ったという。
”学校が終わっても見てくれる場所が欲しい。そうしないと働いてこの子を育てることが出来ないのです”
障がいを持つ子どもにとって、1人で待つことや、バスや電車に乗って学童保育に行くことは難しい。
そこで学校へ迎えに行って母親の仕事が終わるまで学童保育をすることにした。

最初はアパートの一室から。
たった一人のお母さんの要望に応えた。
そして同じ思いをするお母さんたちからの声もあり
今では3箇所になった。

ダウン症など見た目にわかる障がいをもった子どももいれば、
自閉症の子どもなど見た目には分からない子どももいる。

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ここで遊ぶ子どもたちはみな自分を持ってい生きている。
社会に適応していないとかいるということではなく
“居心地”の良い場所がどこか。
それが大事だと風間さんはいう。

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自閉症の子どもにとっては大人数よりも少人数で学ぶほうがよりよい。
誰しもが集団行動をしないといけないわけではない。

だが、”ふつう”とちょっと違うのでは?と思った時母親は不安になる。
そして自分を責めたり、家族や周りの人がから責められることが多くあるそう。

“ふつう”ってなんなんだろう。
誰が決めることでもないし、当てはまる場所がなければ行くところがないのもおかしい。
エシカファームで遊ぶ子どもたちはみんな本当に可愛かった。

それでも母親は不安になる。
愛するわが子のミライを心配する。

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大丈夫だよといってもこの不安は消えない。
そんなお母さんたちに明るいミライを見せたい。
子ども達が素敵なプロダクトを作ることによって。
そうして「障がいのある方たちの働く場所(作業所)をサポートする事業」であるハチエイチが始まった。

この構想に賛同した八百屋レフズの小松さんが商品開発
デザインは富士山グッズを多く手掛けるグッバイマーケットの池ヶ谷さんと一緒に動き出した。

ハチエイチプロダクトを制作するクリエート太陽(沼津ジャーナル→http://numazujournal.net/2014/02/createtaiyo/)でも
一生懸命作業をし、素敵なプロダクトを作る場面に出会った。
今では企業からも依頼が来るそう。

障がいとか健常とか普通とか。
そんなことは関係ない。
“働くこと”は“楽しいこと”です。と笑顔で風間さんは言う。
誰しもがもつ権利をただ使っているだけ。

ロットンでも取り扱いのある
ハチエイチの商品はポストカードから椅子、石鹸などがある。
どれも丁寧に作らている。
手に取ってそのぬくもりを感じてほしい。

≪ハチエイチ≫
三島市松本293-12
http://8-h.jp/index.html

地域の魅力に触れて伝統を守る~ふじのくに美しく品格のある邑(むら)まつり~

2月23日(日)富士山の日にキラメッセ沼津でふじのくに美しく品格のある邑づくり連合による“ふじのくに美しく品格のある邑まつり”が開催された。

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会場は千本の菜の花で彩られ、一足先に春の訪れを感じさせる。
静岡県の農山漁村の個性ある食や工芸品や伝統芸能に触れる事が出来るイベントだ。

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そもそもタイトルにある“邑(むら)”
なかなか見ない漢字だ。
一般に「むら」と言えば市町村の「村」を使うが、行政的な区分ではなく、
地縁型ではない「目的型の新しいコミュニティを農山漁村に作りたい」という強い
思いから、人が多く集まるところという意味を持つ“邑(ゆう)”の字を用いているそう。
つまり、この“ふじのくに美しく品格のある邑づくり連合”は
誰もが憧れる農山漁村づくりを進めるため、個性的で美しい田園環境、自助・共助の精神に溢れた農村社会、
創意工夫を凝らした地域経済の視点から、持続的発展が見込まれる地域を“美しく品格のある邑(むら)”として認定し、PRしているのだ。
今回のこのイベントもその一つ。

小さな地域も、みんなで力を合わせれば魅力を広く伝えられる。
この“ふじのくに美しく品格のある邑連合”は静岡県の全部の35市町村と静岡県が会員となり
農山村漁村地域の魅力向上のお手伝いをしている。
現在、65邑が登録されている。

“農村景観の美しい場所、豊かな資源がある場所、伝統が残る場所は過疎化など社会影響で失われつつあります。
そこに光を当てていこう。そして多くの人に知ってもらい、来てもらい、楽しんでもらう。邑を応援してほしいです。
そうして地域の人たちの励みになったらいいなと思います”
そうお話しするのは静岡県交通基盤部農地局の八木嘉隆さん。

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この活動は要望がある限り続くそう。
逆を言えば、一人一人が邑に興味を持つことによって
“地域を守る”ことが出来るようになったら終わる。

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会場のステージでは普段ではそこに行かないと見ることのできない伝統的な舞が行われ注目を集めていた。

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その他、シカ肉やかぼちゃの麺など各邑のおすすめの一品が並び、
購入や試食をすることが出来た。

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そば打ちの実演を行っていたりと製品が出来上がるまでを楽しむのもひとつ。
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真ん中では2年前から始まったこの活動のロゴを決めるコンテスト(投票形式)や写真の展示、
子どもたちも楽しめる木で作るフォトフレームなどのワークショップスペースがあり
親子で楽しむ光景が見られた。

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邑というのは私たちが暮らしている本当に近くにある。
気付くか気づかないかで大きく生活も変わってくる。
ちょっと行けば顔の見える作物を食べる事が出来るし、
ちょっと行けば、思わず涙が出てしまいそうな美しい景色にも出会うことが出来る。

この恵まれた静岡を感じる事を“邑”は教えてくれるような気がした。

ふじのくに美しく品格のある邑づくり連合はイベントだけではなく
ホームページやスマートフォンアプリ、動画等で邑の魅力を伝えたりと、
いろいろな活動を行っている。
自分の住んでいる地域にはどんな“邑”があるのか。
県内にはどんな“邑”があるのかチェックしてみてはいかがだろうか。

《ふじのくに美しく品格のある邑づくり連合》
http://www.fujinokuni-mura.net/

Waterside LIFE ▷ 阿見屋サロン

【2014年の記事です。現在は記事のサービスを施設で提供しておりません】

狩野川の流れが眼前に広がる絶好のロケーション。
レンタルスペースとして阿見屋サロンでは音楽の演奏が行われている。
また、ピアノやドラムのレッスンなども定期的に行われ、人が集まる場として機能している。
阿見屋サロンが出来てから30年以上。内装はほぼ完成当時のまま。
照明から家具、小物までどこかレトロで暖かい味わいを出している。
ゆっくり流れる時間と音楽。窓の外には刻々と表情を変える狩野川。
なにか秘密の場所を知ったようなそんな気分。
大人な時間の過ごし方ができる場所だ。

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レンタル料は1時間、5,000円
阿見屋サロンのお問い合わせについては阿見屋パーキングまで。

≪阿見屋パーキング≫
沼津市上土町1-2
TEL:055-951-0214

ぬくもりをつくる~クリエート太陽~

愛鷹山の麓にクリエート太陽という場所がある。

障がいを持つ方たちが働く喜びを感じ、働く意欲を持ち、労働習慣を身につけて
生き生きと充実した地域生活が送れるよう支援する場所だ。

今ここでは20歳から58歳まで幅広い年齢の方が、
知的障がいや就労が難しくなってしまった方など様々な理由でここに通っている。

施設の中に入ると、木のいい香りが広がる。
檜の香はなんとも心地よく、自然のアロマだ。
ここでは愛鷹山などで伐採された木を使用してプロダクトを制作している。
実際に利用者と一緒に間伐材をもらいに行く。

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その木を乾かして使えるようになるまでは1年半~2年半かかる。
また、市内の建材会社さんから廃材を譲り受けている。

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これらを加工し椅子やテーブル、マグネットからブランコまで色々なものを作る。

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ロットンでも販売しているこの椅子は組み立てるところから仕上げるところまで約2週間かかるそう。

木を加工する作業はいろいろな工程がある。
木を切る補助、ひたすら磨く、小さな穴をあける、形にあわせて切る。
一人ひとりの力量によって作業を決めていき、
皆の力を合わせて完成させる。

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長年勤めるとより高度な技も出来てくる。

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壁にあるのは本人たちの目標。
日常のことだったり、就職のことだったり。
そうした中で、作業を通して“働く”ことだったり“生活”することを学んでいく。

“私たちがやっていることはかっこいいものを作りだすのではなく、
木のぬくもりを大切に、時間をもってどれだけ関われるかなんです”
そう答えるのは施設長榊原さん。

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実際に丁寧にゆっくりと時間をかけて何度も何度も
職員と利用者とで確かめながら作りあげていく。

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単純作業かもしれない。
ある人にとっては単純は同じことを繰り返すだけかもしれない。

けれど、彼らは同じ作業に同じだけ、同じ丁寧な気持ちで臨める。
その特技と時間が木にぬくもりを与える。

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時間をかけただけ、
彼らの作業、つまり丁寧さが詰まっている。
決して納期が早いわけではないが
その時間も楽しんで、今彼らが育ててくれているプロダクトを心待ちにする時間は
自分自身の時間=生活にもぬくもりを与えてくれるだろう。

そんなぬくもりをロットンでも体感出来る。
クリエート太陽で作られた椅子や雑貨、そしてブランコなどの製品を1月中旬から展示、一部を販売している。

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ぬくもりのある製品を自分の目と手で感じてほしい。

≪クリエート太陽≫
TEL:055-923-7917
http://www.a-taiyou.jp/03_shisetsu/taiyo.htm

ひとりで申し込んでみた!~ぬまづ観光ボランティアガイド~

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ぬまづ観光ボランティアガイドは御用邸記念公園やびゅうおなどの観光案内、ウォーキングイベントの開催などを行っているが、なんと一人でも利用可能とのこと。
これは早速申し込んでみるしかない。
コースはいくつかに分かれている。希望者はその中から好きなものを選び申込書を送ればいい。
千本浜公園を中心としたコース、びゅうおや沼津港魚市場をまわるコース、香貫山往復コースなどどれにしようか迷うところだが、今回は御用邸記念公園を案内していただくことにする。
当日は御用邸西附属邸の入り口で待ち合わせ。どんな方にガイドしてもらえるのかと緊張してくる。

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今回ガイドしていただいたのは長谷川明郎さん。目印は紫色の帽子である。
簡単な自己紹介を終えると、長谷川さんの案内で厩舎として使われていた建物へ入る。
ここは誰でも利用できる休憩所になっている。
そこで今回案内していただくコースを確認しながら御用邸の成り立ちや歴史を教えていただく。
一通りの説明が終わったら西附属邸をぐるっとまわりこむように海辺へと出る。

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ここからの景色は良く、駿河湾に面した牛臥山、淡島、達磨山、天城連山と一望できる。
歴史民俗資料館では昔の人々の暮らしぶりや、江戸時代から大正初期にかけて内浦・静浦沿岸で行われていたマグロなどの囲い込み漁の様子を知ることも出来る。

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また、御用邸の敷地内に作られた防空壕の跡など、一人では見逃してしまいそうなものまで丁寧に案内していただく。

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その後、、昭和天皇の学問所として造営された東付属邸を一周。
途中、潮風から生活を守った沼津垣の話や京都の待庵を忠実に再現した駿河待庵など長谷川さんの説明にも熱が入る、また、東付属邸の窓ガラスに使用されている手作りガラスの話など興味深い話を聞くこともできる。

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東付属邸をまわり終えるとガイドは終了。
ここまで2時間のコースだったが、あっという間に時間は過ぎる。
長谷川さんによると平日は事前の申し込みが必要だが、土日はボランティアガイドのメンバーが常に待機しているので気軽に声をかけてほしいとのこと。

“ボランティアガイドはそれぞれ勉強してますから、個性があって面白いと思いますよ”

ボランティアガイドの方との会話を楽しみながら御用邸記念公園を散策するのも面白い。

≪ぬまづ観光ボランティアガイド≫
沼津市千本港町117 NPO法人沼津観光協会内
TEL:055-964-1300

ガイド料 1,000円(1グループ)

コースもいろいろ!
1.潮の音プロムナードコース(以下の一部あるいは前コース)
 ①千本松原・千本浜公園・若山牧水記念館(所要1~2時間)
 ②港口公園・沼津港大型水門「びゅうお」・沼津港魚市場(所要1時間)
 ③我入道の渡し・芹沢光治良記念館・牛臥山公園(所要1時間)
 ④沼津御用邸記念公園(西附属邸・本邸跡・東付属邸)(所要1~2時間)
2.沼津駅からの周遊散策コース
 ①香貫山往復コース(所要2~3時間)
 ②狩野川・駅周辺史跡コース(所有1~3時間)
3.文学コース
 ①若山牧水コース(所要1~2時間)
 ②井上靖コース(所要2~3時間)
 ③芹沢光治良コース(所有1~2時間)

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移りゆく沼津の街中で使命を果たす~松浦酒店~

約70年近く続く酒屋、松浦酒店。
駅から歩いてくるとマンションの1階にある。
時代の流れとともに街の風景は変わる中、
松浦酒店は同じこの場所で沼津の街を守っている。

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地元の酒蔵やブルワリーとの信頼関係も強くベアードビールや髙嶋酒造など地酒も豊富だ。
ベアードビールは季節限定ビールも含め種類も豊富。
白隠正宗もワンカップからあるのでちょっとしたお土産にもぴったり。

松浦酒店の70年の歴史は沼津の歴史を反映している。
実は最初の何年かはかつての沼津の繁華街、千本浜に近い八幡町にあった。
駅が動くとともに一緒に店を移動させて今の場所に。
そして長崎屋というデパートが現在のこの場所にできることになった。
そんな事で松浦酒店は長崎屋の中で営業する時期もあった。

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そして街中から相次ぐ大型店舗の撤退。
長崎屋もなくなり、跡地にマンションが建つ事になり三園橋近くの平町の倉庫で仮店舗を構えた。

少し離れたところに仮店舗を持つことはお客さんの流れも変わってしまう。
だが、その間もお客さんとつながってた。
長崎屋時代、松浦酒店には販売部門とコップ酒部門、いわゆる気軽に飲める居酒屋があったのだ。
“昔からのお客さんもたくさんいる。それも多くは酒屋じゃなくて居酒屋で飲んだ思い出。
酔っぱらった楽しい思い出よ”

4年後、マンションができると今度はこのマンションの1階に。そして今に至る。

そんな時代を沼津の街中と一緒に駆け抜けてきた松浦酒店。
もともとコップ部門があった松浦酒店。
皆でお酒をおいしく飲む場、おいしいお酒を知ってもらう場としてコップ部門を復活させたいと、
3代目の青木元美さんは
イベントを3年前より不定期に開催するようになった。

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レストランを貸り、料理を出してもらうことも。
お酒は松浦酒店の選りすぐりのお酒を飲み放題で。
多いときで60人集まる。

それだけではない。
地域で行われるイベントに合わせ、ゆるりと店内や店舗前でちょっとした角打ち(かくうち )的なイベントも。
そんなことで沼津ナイトマーケットにも参加。

イベントに参加した人がまたお店に来たり、
店先で飲んでいるときは新しい人が飛び入りで参加したり
今までの常連さんや新しい人たちが緩やかにお酒でつながり
お酒をおいしく飲んでいる。

さらに酒屋でお酒を買うならではのうれしいこと。
例えばホームパーティー。

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どのくらい必要かちょっと不安な時は相談に乗ってくれる。
更にラベルが汚れたりしない限り返品可能。
そのほか、もちろんギフト用にラッピングも行っている。
おいしいお酒を飲むためのサポートはばっちりなのだ。

“お酒をおいしく飲んでもらう。
それが酒屋の使命”
そう笑顔で答える青木さん。
時代が変わっても松浦酒店の使命はシンプルだ。

お酒を楽しむだけではなく、
酒屋でお酒を買うことも楽しみの一つになる。

≪松浦酒店≫
沼津市大手町3-9-1
TEL:055-962-0538
http://www.11sake.com/


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