Author Archives: 小松 浩二
Think Kesennuma & Think Numazu
10月5日(日)に沼津魚市場でライジングサンマフェスティバルが行われる。
今年で4回目となるこのイベント。
普段セリをしている場所にて魚市場の職員が炭火で焼いた秋刀魚を戸田塩、橘と一緒に振る舞いまう。
沼津の水産物も召し上がって頂き、 湾内のクルージングを体験したりと沼津の海の魅力を感じながら
港と港の人のつながりを考える機会になっている。
東日本大震災以降、沼津市民と気仙沼の間で様々な形で継続的な支援活動を行われてきた。
沼津魚市場の「産業が少しずつ元に戻り始め、港で水揚げができるようになったことは、同じ市場として喜びを感じます。この喜びを、沼津市民の皆さんや、沼津港を訪れた観光客の方々など、より多くの人たちと共有できたら」という想いが伝わり多くの方に毎年参加して頂いている。
港と港は海を通じて“モノ”もつながっている。
ライジングサンマフェスティバルを行い港と港の“人”のつながりを見つめ直し、港町沼津から被災地の
港に陽が昇るお手伝いを継続的に行っていけたらと思っている。
昨年度の支援金は高校生の取り組みにも支援された。
http://numazujournal.net/2014/03/kesennuma/
この時、体育館にいて卒業を迎えた一人に三浦亜美さんがいる。
ライジングサンマフェスティバルの前に三浦さんに被災当時のことや3年半経った気仙沼のことなどお話をして頂くこととなった。
震災当時中学3年生で気仙沼にて被災された三浦さん。
また被災地に通い大学で地域研究を行う泉有香さんが震災当時のことと今の被災地の現状をみなさんからの質問を加えトークライブを行う。
また震災後の行動をシュミレーションしたゲームを参加者のみなさんと行い、沼津での防災の事も考えるきっかけになれたらと思う。
イベントを通じて市民通しで交流を持ちながら、被災地から様々なことを学ぶ
■Loto.n コミュニティサロン
Think Kesennuma & Think Numazu
『大学生の被災地レポート』
日にち:9月30日(火)
時間 19:00 ~ 21:00
場所:ロットン沼津市上土町60
参加費:1600円 (学生・1000円)
【お問い合わせ】
ロットン
reservation@lotn.jp
055-919-1060
■RISING SAN-MA FESTIVAL 2014
日時:10月5日(日) 10:00 ~ 13:30
場所 :沼津魚市場第一市場 (沼津市千本港町)
【出店予定】
・焼き秋刀魚(チャリティー)
・沼津魚市場の水産物 ・ベアードビール ・我入道漁協 ・松風軒のおにぎり
【乗船体験】
・漁船体験乗船(無料)
10時~13時 定員100名
(整理券 9:30 より配布)
海と空と光と食とおもてなしの心 ~Sushi dining 志摩津~
【2014年の記事です。現在は記事のサービスを施設で提供しておりません】
千本浜沿いを歩くと海岸のすぐそばにSushi dining 志摩津がある。
このお店は海を見ながら寿司を食べられる所として、地元はもちろん県外からの方からも支持をされている。
店主の島津英希さんは、東京で修業をされ平成元年、22歳の時に沼津に戻り街なかで20席のほどの寿司屋を始めた。
そして魅力ある海岸線沿いに海を眺めるお店が他にないことから、海沿いにSushi diningを創ることにした。
今から17年前のことだ。
水が見え、穏やかな気持ちになり、人を和ませることができる場所。
その当時、国内の個人旅行がより注目されていた。
旅する方々に沼津の環境を活かした場所で食を通じて、この地域を満足をしてもらえる場所にしたかったそうだ。
毎日、海を見ているとこの地域の気候の良さを改めて感じる。
天候のおかげでもたらせる恵まれた食材。
寿司と新鮮な素材を生かした滋味深い料理。
そんな料理を沼津自慢フェスタ・THIS IS NUMAZUのセンターテーブル3日目でも味わうことができる。
今回このイベントに参加するにあたり、自分たちだけがTHIS IS NUMAZUではないと島津さんは語られた。
『沼津=寿司』
このイメージををつくった諸先輩方。
双葉寿司さんの先代は街中で屋台で寿司屋を始められ、港に店舗を構えてお客様に支持をされていった。
他にも多くの先輩方が人を育て、そしてお店が集まり寿司は沼津の文化になっていく。
島津さんは、お客さまを満足させ続けている先輩方に敬意を抱いていた。
「では自分たちの世代ができることってなんなのか?
文化をつなぐこと。
そして若い人たちにも夢を持ってもらいたい。」
普段からお客さまと接するときは沼津市民代表として話すという島津さん。
恵まれた環境に誇りを持ち、地域に来て頂いた方におもてなしを持って接すること。
普段からやられていることの延長上にこのTHIS IS NUMAZUはある。
そんな沼津の先輩方から引き継がれた文化がProud Numazuとなりその想いが集まり沼津自慢フェスタは創られていく。
Sushi dining 志摩津
〒410-0849 静岡県沼津市千本郷林1907-155
TEL.055-963-6760
[定休日] 月曜日
http://www.sushishimazu.com/
銀幕のスターが晩年を過ごした街で ~ありがとう三國さん~
昨年の4月14日、三國連太郎さんがこの世を去られた。
翌日、まちなかを歩くと街のみなさんが三國さんの事を話してくれた。
その時、晩年を過ごされた沼津でも三國さんを偲ぶ会があればという声も聞いた。
多くの方からの声が集まり「ありがとう三國さん」という三國連太郎メモリアル企画が8月29日から9月7日まで沼津市立図書館で開かれることになった。
会場に入ると、よく目にした釣りバカ日誌などの多くの映画のポスターが目に入ってきた。
様々な表情を持つ役者の三國さん。
そして展示の中央には写真家・信太一高さんによる三國さんのプライベートなど素を映した写真があった。
1972年にアフガニスタンの砂漠でのスチールカメラでの撮影から撮り続けてきた信太さんの写真。
三國さんの表情は歳を重ねるにつれやわらかくなっていく。
60代の半ばに沼津で過ごし始め、晩年は沼津で過ごされていた。
俳優三國連太郎はなぜ沼津を選んだのか?
展示を見ながら改めて思う。
群馬県で生まれ7か月の時、父親の故郷・静岡県西伊豆に戻った。
旧制中学二年まで土肥町で育つ。
この時期、沼津へ行くと映画館があったりと憧れの場所だったと、かつての広報ぬまづで語られていた。
下田港から青島に渡り、その後釜山で弁当売りをし、帰国後は大阪でさまざまな職に就きそして中国に兵役出る。
戦後は宮崎、鳥取、福島と移り住みながら27歳の時に銀座でスカウトをされ俳優としてデビューをした。
恵まれた環境ではなかったが掴みとった栄光。
銀幕のスターとして不動の地位を得て60代で求めたものの一つが沼津での生活だった。
今回の展示は様々な方に協力して頂いている。
映画会社、スポンサー企業、ご家族、写真家、ファンの方。
この展示品を借りるためお願いにまわった実行委員会の杉山さんは
「お借りする時、みなさんがとても協力的で三國さんは多くの方に好かれていたということを改めて感じた」
と今回の企画の背景も教えてくれた。
「こんなすごい方が沼津で過ごしていたという事をもっと知って頂きたい」
と杉山さんは語られた。
今回の展示に合わせ、三國さんが愛した沼津のお店を紹介した冊子が制作され配布をしている。
会場を出て冊子の地図を見ながら珈琲を飲み、狩野川に沿って海に向かい秋空を見ながら歩いてみた。
海、川、山、街、人、仕事、そして思い出との距離感が三國さんにはほどよく心地よかったのかなとふと思った。
ご自宅近くの愛鷹の農家さんとは、野菜を届けてもらったり餅つきを一緒にしたりと交友を持たれていたようだ。
今でも農家さんは三國さんと過ごした家に通い庭の手入れなどお手伝いをしている。
亡くなられて1年。
この場所に三國連太郎は存在しないが、彼は作品の中で生き続けている。
そして彼の好きだった場所もここには存在し続ける。
三國さんの映画を見た後に沼津を歩くと、昭和の激動を生きた俳優の人生の一部を少し知ることができ、三國連太郎の作品と沼津という街がさらに面白く見えるかもしれない。
三國連太郎メモリアル企画「ありがとう三國さん」
沼津市立図書館(沼津市三枚橋町)
8月29日~9月7日(9月1日:休館)
火曜日~金曜日:9時30分~18時30分
土曜・日曜:9時30分~17時
入場料:無料
沼津のまちなかで暮らすこと ~Lot.n コミュニティサロン~
沼津で暮らすこと。
ライフスタイルによりエリアを選択ができるのも沼津の魅力と言える。
気軽にジョギングやカヤックをしたいから海のそば、
車で移動しやすい郊外、
電車での通勤や商店をまわりやすい“まちなか”。
全国で人口流失6位になった沼津は本当に住みづらい場所なのか?
そして何が足りてないのか?
そんな事を見つめようと沼津の子育て中のママに集まって頂き、
今回は『沼津のまちなかで暮らすこと』をテーマに日常で思っていること、感じていること、
不安なことなど沼津市の都市計画部の方と一緒にLot.n コミュニティサロンで意見交換をすることになりました。
住む場所を考える世代で、実際の住まいへの要望や気にすることが一番多いのが子供のいる“ママ”。“まちなか”って住む場所として選んでもいいけど・・・
沼津の“まちなか”の良い悪い好き嫌い、ママとしての住みやすさ、いつも何気なく感じることや思っていることなど、住んでいなくてもOKです。
お茶とお菓子を食べながら自由にみなさんとお話して頂き、行政の方にもその声を届けたいと思います。
現在、“まちなか”に住んでいる方、またこれから住むことを考えている方、Lot.nのコミュニティサロンでお待ちしています。
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【会場】Lot.n(沼津市上土町60)
【日程】9月10日(水)
【時間】① 10:00~11:30 ②13:00~14:30
①②のうち、ご都合のよろしい時間帯を教えてください。どちらでも可な場合も教えてください。
【募集する人と定員】10名程度
沼津市内在住の子育て中の女性(特に、幼稚園生から小学生のお母様)
【参加費】無料
【連絡先】沼津市役所 都市計画部 建築指導課 担当:松本
tel 055-934-4759
mail kentiku@city.numazu.lg.jp
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movie:Fes Numazu Beach
7月20日に沼津ビーチフェスが行われた。
創造都市ポートランドから港町・沼津が学ぶこと~藤原慎一郎×岡島悦代 トークライブ~
ポートランドに住んでいる方がかつて沼津や伊豆に来て
「何かこの地域はポートランドにあるスピリッツに近いものを感じる」
と言った事を思い出した。
山、海、川、街がすぐ近くにある沼津。
しかし、沼津の街中は一見寂しくなり、人口流失が全国ワースト6という現実。
このミスマッチはなぜ起きているのだろうか?
そんな疑問をポートランドから見つめ、我々一人一人ができる事を探れたらと
岡島さんと藤原さんのトークライブをLot.nで行うことになった。
岡島さんからポートランドに住む人たちの意思が街中の現象として表れている事例を
『TRUE PORTLAND』の取材体験からお話しして頂き
藤原さんには旅で見つけたこの地域が豊かになるヒントをお話して頂く予定だ。
静岡のクラフトビールやこの地域ならではの食をつまみながら、トークライブを通じて参加者のみなさんとゆるやかに“知”を共有できたらと思う。
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≪定員に達し募集を締め切りました≫
<スピーカー>
藤原慎一郎(ケンブリッジの森デザイン事務所)
岡島悦代(自由大学/コンテンツクリエイター)
<進行>
小松浩二(REFS/沼津ジャーナル)
【日程】7月23日(水)
reservation@lotn.jp
055-919-1060
身近な自然を描こう~狩野川ワークショップ~
傘に絵を描いて、世界に一つだけの傘を作るワークショップをLot.nにて行います。
ただ傘に絵を描くだけではなく、佐々木愛さんと一緒に街中にある自然を探しに傘を持って狩野川の周辺を散策します。
そこで見つけた“沼津の街並みや自然の中の興味のあるもの”を傘の世界に描いていくというワークショップ。
一緒に歩きながら、絵の先生をしてくれるは佐々木愛さん。
クレマチスの丘の21世紀アートプロジェクトの参加アーティストの一人です。
現在クレマチスの丘・ベルナール・ビュフェ美術館にて展覧会“Four Songs”が行われており、
心の中に持つ「記憶」から呼び起こされるような世界を、身近な素材を使用し作品を発表しています。
Lot.nのショーウィンドにも砂糖で作られた「はじまりの舟」という作品があります。
今回のワークショップはここからスタート。
あゆみ橋に向かい、沼津アルプスを眺めながら対岸へ。
歩きながら川で遊べること、出来ること、危ないことなど、生活の一部を川がより満たしてくれることも知れます。
梅雨空の雲間の陽光、川のそばの街の営み、川の波の音、風が河川敷の花をゆらす姿。
参加者は小学生から大人まで。
子どもにしか見えない沼津、大人にしか見えない自然。
身近にある自然や街。
佐々木さんとその世界に入り込んでみませんか?
佐々木さんは「毎日のスケッチ」展でこのような事を言われていました。
「新しい町に住むと事と空からの視点は似ている。
場所を移動する事は、いつもと違う角度から物事を見ることができるとてもシンプルな方法の一つだ。」
今回、遠くの街から来る人も、地元の人も
街をゆっくりと散策、移動しながら、いつもとは違う角度から見た沼津の世界を傘に表すこと。
雨の日、ぱっと空を見上げると自分の世界が広がる。
きっと雨の日も楽しくなる。
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【佐々木愛さんと世界にひとつだけの傘をつくろう】
日時2014年7月5日 (土) 12:30 – 16:00
講師佐々木愛
定員20名
料金1,000円 (材料費込み)
会場Lot.n
〒410-0802 静岡県沼津市上土町60
■Lot.n周辺駐車場MAP
http://pioon.info/event/sasakiai-ws/
《お申し込み》
お電話にてお申し込みください。
クレマチスの丘コミュニケーションセンター
Tel. 055-989-8785 (水曜休館)
*このワークショップは東日本復興支援チャリティクレマチスの丘 PIOONプロジェクトの関連イベントです。
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PIOONプロジェクト
http://numazujournal.net/2014/05/pioon/
クレマチスの丘
http://numazujournal.net/2014/05/clematisnooka/
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港と街をつなぐ手書き地図
幕張メッセで行われたデジタルサイネージジャパン2014にて「沼津における観光エリアと地域商店街をつなぐスクリーン連携」というセミナーが実施され、沼津で行われている手書き地図の報告がされた。
デジタルの最先端の展示会でアナログなこの地図が注目された理由はいったい何故なのだろうか。
パネルディスカッションによって、その理由を改めて知ることになった。
スピーカーは東京を拠点に全国へ飛びまわる手書き地図推進委員会の赤津さん、跡部さん、大内さん。
沼津市役所 観光交流課の原さん、沼津ジャーナルの小松。
はじめにこの地図をつくった背景が説明された。
「海、山、川、街があって沼津っていい所ですよね」
と、よく言うがどうやってその魅力を発信していくか。
そしてその点と点の魅力にどのように導線をつけるべきか。
まずは自分たちの地域を知る事から始めようと、ランドネの編集長と国交省の所長さんのトークライブの時、みなさんのおすすめ情報をチェックした付箋マップがスタートした。
Lot.nに置かれたマップに付箋がどんどん増えていく。
その情報をもとに手書き地図をつくることになる。
作って頂いたのは、大学生、社会人、主婦など。
そんな沼津の動きを知った手書き地図推進委員会が定期的に沼津に来る事になる。
そして全国の手書き地図を参考にしながらアドバイスも頂いた。
その時、具体的な沼津の現状を伝えた。
沼津港には多くの観光客が来るが街に情報の発信力が無く素通りをされてしまう。
沼津水産祭の時などその傾向が特に現れる。
港は車が渋滞するぐらい賑わっているが街中はガラガラ。
駅から商店街は歩いて約10分、商店街から港までは約20分。
車でも歩きでも、二つの場所に行くともっとこの地域が知れて楽しめるはずだ。
そんな課題の解決策の一つとして手書き地図は何ができるか検証をしようと、水産祭に合わせ実証実験が行われることになる。
この時に間に合わせ、エリアやテーマごとに5パターンの地図の制作が行われた。
街の臨場感をより伝えるために商店のおすすめ情報などの映像も用意された。
それら情報をiPadに入れ、東京から来られた約10名の方に紙の地図やタブレッドを見ながら水産祭に行った後、街を歩いて頂いた。
このコンテンツによってどのように影響を受けて、どのような行動をするのか?
【手書き地図推進委員会のレポート】
http://www.tegakimap.jp/post/87884977329
街を歩いた後、参加者から感想などを伺った。
どこに行き、なぜそこに行ったか、そしてそこで何を得たか。
買い物をした物の発表も。
地元の者にとって、その感想は刺激的だった。
偏った情報が面白がられた。
「地図をたどると地元の生活であり食に出会えた」
という意見も聞けた。
地図のご指摘も挙がった
・国鉄の廃線跡につくられた「蛇松緑道」の情報をもっと載せてほしかった
・蔵が多くあり、蔵と歴史の情報もあってほしかった
・もっと着物屋とか布団屋などフツーのお店も紹介してほしかった
あたりまえの事が、興味を持たれるとは!
際立った観光施設のない地域でも、自分たちの“この場所らしい”生活の場を丁寧に伝えるとこの地域のファンになってもらえる。
手書き地図は場所と場所結ぶだけでなく、人と人を結ぶ媒体になっていくようだ。
これらの意見を活かしまた沼津の手書き地図はバージョンアップしていく予定だ。
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うさぎがつなぐ物語 ~PIOONプロジェクト~
クレマチスの丘のでヴァンジ彫刻庭園美術館で「イケムラレイコ PIOON(ぴよ~ん)」展がはじまった。
ベルリンとケルンを拠点に活動を行うイケムラレイコさんのヴァンジ彫刻庭園美術館にて8年ぶりの個展だ。
90年代に制作された彫刻から、全長3.4メートルにおよぶ信楽焼のうさぎ観音まで、
数多くのうさぎがあらわれる。
イケムラレイコのうさぎが紡ぐ美術館と庭園をめぐる物語。
このうさぎ観音は、東日本大震災以降の被災地に住む人々、そこで暮らす動物たちへの想いが直接のテーマとなっているそうだ。
イケムラさんは東京とベルリンを往復しながら、東北や日本に対して自分にも何かできないか考えこの作品の制作に取り掛かった。
出来上がった作品を福島に置いて頂く事も考えたそうだが、輸送や受け入れ先の問題もあり実現には現段階では難しかった。
そこで、この作品をヴァンジ彫刻庭園美術館で展示することになった。
イケムラさんの想いが美術館に溢れる。
美術館の副館長である岡野さんは、この想いをクレマチスの丘だけに留めておいてはいけないと思ったそうだ。
作家の想いを美術館で表現し、そしての外にも発信するのが美術館の役割ではないかと。
そして、PIOONプロジェクト ~うさぎがつなぐ東日本復興支援チャリティ~が始動することになった。
このプロジェクトは静岡県東部のカフェやレストラン、雑貨店、ホテルなどの12か所の店舗にて、イケムラさんの想いに賛同するさまざまなアーティストの作品を展示する。
そこに参加するアーティストがプロデュースする限定品や“PIOONバッジ”を販売し、制作費を除く売上金を東日本復興支援として寄付をしていく。
このように美術館から作品が地域に出ていくことはヴァンジ彫刻庭園美術館では初めての試みだそうだ。
美術館にとって、自分たちができること、そして可能性を考えた。
一件一件、学芸員がお店に行きコンセプトを確認しながら、お店の雰囲気にあったものを展示する打ち合わせをした。
Lot.nではベルナール・ビュフェ美術館にて21世紀アートプロジェクトとしてFour Songs展を開催している美術作家・佐々木愛さんが4月22日から制作することになった。
砂糖と卵白でつくられた素材で線を重ねて模様を作っていった。
シュガードローイングというそうだ。
とても細かい作業。
5日間作業が行われ、「はじまりの舟」という作品が完成した。
Lot.nのテーマの一つである狩野川の名前の由来が「軽野船」からきている事を聞きイメージを膨らませたそうだ。
「ここは、いろいろな人が集う場所なので、この森を運ぶ船の絵を多くの方に楽しんで頂ければと思います。
作品が昔あの場所から旅立った舟のように、さまざまな出会いのはじまりのひとつになれたらうれしいです。」
と佐々木さんから作品についてコメントを頂いた。
そして店舗内には缶バッジにもなっている佐々木さんの「眠りうさぎ」の絵画が展示されている。
同じ商店街では、八百屋のREFSに杉戸洋さんの作品、洋服店のC-threeには持塚三樹さん、レストランのOPERAには岩崎有加さんの作品を見ることができる。
企画をした岡野さんは、はじめてこの地域の街に作品が出たのを見て、やはり作家の力は強いと感じたそうだ。
「クレマチスの丘がオープンし12年経ち、やりたいことがまた一つ出来た。そしてこの取り組みを次につなげたい」
と語られた。
アートの力が美術館の外に溢れること。
それは素晴らしい文化が地域に広がる事になる。
クレマチスの丘で美術館に行ったあと、地域に飛び出したアートのPIOONプロジェクトの作品をめぐる三島と沼津の散歩もおすすめだ。
そして、ぜひ各店舗で300円の“PIOONバッジ”も手にぜひ手に入れて頂きたい。
PIOONプロジェクト
http://www.pioon.info/project/