【求人】伝統を守り、新境地を切り拓く和菓子店 ~有限会社いせや本店~

【2017年の記事です。】

大正13年に創業した「いせや本店」。
原材料にこだわり素材の味を大切にしながら、数々の銘菓を生み出してきた。

看板商品の「平作最中(もなか)」は、沼津を舞台とする歌舞伎「伊賀越道中双六」の登場人物「平作」がかぶる笠をイメージしたもので、長年にわたり地域の人々に愛されてきた。
沼津御用邸や寺社仏閣との親交も深く、静岡県の代表として明治神宮にお菓子を献上している由緒正しい和菓子店でもある。

2014年、同社の取締役社長に就任した四代目の居山哲也さんは、伝統の味を守り続けながらも和菓子業界に新風を巻き起こす若き風雲児。

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前職は、和菓子とは異なる業種に在籍していたという居山さん。そこで培ったノウハウと経験を活かしながら、百貨店での販売やワークショップ、イベントへの参加、アパレル企業や現代作家とのコラボレーションなど、革新的な取り組みを続けている。

「当店のメインは昔ながらの素材を使ったお菓子ですが、残念ながら若者の和菓子離れは深刻。和菓子の新しいスタイルを確立することで、その魅力を幅広い世代の方に再発見してもらうことを目指しています。」
と、居山さんは和菓子業界と自社の今を語る。

いせや本店の新しい取り組みのひとつが、沼津御用邸とのコラボレーションで生まれたお菓子「和三盆干菓子くぎかくしさがし」の開発。
「釘隠し」とは柱や扉に打ち付けられた釘の頭を隠す日本古来の装飾金具のことで、城や邸宅などの伝統的な建築物に用いられている。
皇室の御静養に利用される格式高い沼津御用邸の建物内でも、いくつかの釘隠しを見つけることができる。
パッケージには独自に書き起こした釘隠しのマップがあり、それを見ながら館内巡りを楽しんでもらえるという仕組みだ。
邸内に配置された釘隠しの繊細なデザインをモチーフに、それぞれ「晴れ、曇り、雨」をテーマにした三色で作られていて、そこには天気や季節ごとに変わる趣へ想いを馳せながら楽しんでほしいという思いが込められている。
それはただ「おいしい」「美しい」だけでは終わらない、知的好奇心までも満たしてくれるいせや本店ならではの新しい和菓子だ。

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また、現在進行中のプロジェクトとして、北海道・十勝地区で生産されている希少で高級な白小豆を使った「TABERU COFFEE」シリーズがある。
日本一の小豆生産地の十勝地区でさえも、白小豆は限られた量のみしか生産されていない。

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素材そのものの風味と色合いが素晴らしく栄養価も高い白小豆とマスカルポーネチーズを合わせた餡を、細かく粉砕したコーヒーを練りこんだ最中で包んだお菓子だ。

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パッケージにも徹底的にこだわり、和菓子の制作やコーヒーの道具にも使用されている「銅」の色をキーカラーとし、コーヒー豆がモチーフになった和テイストの文様を取り入れるなど、細部にわたり遊び心にあふれている。
見た目のインパクトだけではない確かな味で、全国和菓子協会の会議でも話題を呼んだ。

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十勝の農業の礎は明治 4 年に静岡藩より農家数戸が入植したことがきっかけになったとも言われている。
明治 16 年には伊豆半島・松崎出身の「晩成社」という企業経営の結社移民により帯広への入植がなされたという歴史もある。

居山さんはこの取り組みを通じて白小豆の魅力を伝え、さらには静岡と北海道・十勝地区、産地とお客様との関係を深めていきたいと語る。

いせや本店では、「Confectionery(お菓子)‐Communication」を企業理念として掲げている。
そこに込められているのは、人と人とが集うさまざまなシーンで、お菓子が豊かなコミュニケーションを創造するきっかけになりますように、という作り手の思いだ。

同店では、職人歴50年以上の熟練・濱口さんと、父もいせやで働いていたという20代の下山さんが、日々愛される銘菓を手作りしながら、新たな取り組みを支えている。

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「昔ながらの和菓子が持つ価値を、もっと多くの方に知ってもらいたい」と話す居山さん。
ときには新たな見せ方で、ときにはお菓子とともに店舗を飛び出して、その魅力を地元・沼津はもちろん全国にまで広めるため尽力している。

いせや本店では現在、マネージャー候補を募集中。店舗の運営をベースに、企画・広報として自らの美的感覚を活かしたい人、アンテナが高く新しい視点をもった人が求められている。
いずれは独立したブランド化を目指している「TABERU COFFEE」の運営にも携わってもらいたいという。

居山さんは、「時代の流れに対応できるセンスを養うためにも、自分でこれをやりたい、知りたいと思ってくれる人がきてくれたら嬉しいですね」と話す。

伝統を大切に受け継ぎながら新しいお菓子のあり方を模索し、革新的な取り組みを続けるいせや本店。
その躍進は今後、和菓子業界と沼津のまちにどんな影響を与えていくのだろうか。

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有限会社 いせや本店
代表者名 居山哲也
HP http://www.heisaku.com
住所 静岡県沼津市幸町2番地
Tel 055-962-0222
営業時間 9:00~17:00
雇用形態 正社員・アルバイト
雇用開始予定日 2017年4月1日より、本人と相談の上で決定
雇用開始予定日 入社後3ヶ月は試用期間、その後は期間の定めなし
お問い合わせ https://numa-job.net/xcorps/show/1701

【求人】次につなぐ沼津の養殖〜株式会社マルセイ水産〜

沼津港から海辺を南下していくといくつかの漁港が連なる。
沼津の漁業を支えるそのメインに養殖がある。
かつて真珠の養殖、ハマチなどの養殖から始まり、一時期は静浦地区から江梨地区までいけすが並び、約200件もの経営体があったそう。
しかし、魚の消費量の減少、環境の変化、販売先がないなど様々な要因の中、今は15の事業者にまで減った。
その中で1960年から養殖業を営む株式会社マルセイ水産は沼津でも中心となる養殖業者だ。
マルセイ水産は沼津駅から車で約30分、西浦地区の港を拠点としている。

社長の眞野幸正さんは両親の始めた養殖業を大学卒業後に継いだ。
今はハマチや鯛などの海面養殖、沼津にある直営の飲食店《真鯛》、釣り堀を経営している。
そんなマルセイ水産では従業員を募集している。

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社長の眞野さんは言う。
「養殖をやりたいという若者が居なければ事業を終えようと思います。」
養殖の難しい点、それは買い手市場なところ。1匹を育てるのに1年半かかり、そこには莫大な投資が必要だ。昨今は輸出の関係もあり少しずつ売れていくだろう言うがやはり買い手市場が変らない限り難しい業態だ。

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「なかなか事業としては特殊だし、よっぽどやる気がないと。だけど自分の育てたものをみなさんおいしいっていって食べてもらえば有難いし。若い連中が来てくれればがんばる気にもなる。」

現在マルセイ水産には社員が6名、直営の飲食店は2名従業員がいる。そのうち60代の一人を除いて全員が20代。
この春には新卒の社員も入社する。今後も養殖業が継続されていくためにも若いアイディアや力が必要だという。
山梨県など県内外から集まる彼らの為に、沼津中心街に寮もある。
職場では駿河湾や沼津アルプスなど豊かな自然を感じ、仕事が終われば沼津の街を楽しめる環境だ。

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養殖はどこで育てたか、どのようなものを食べていたかが明確なので安心感もあるし、年間を通じて安定供給ができる。
マルセイ水産では良質なエサを使い、品質向上の努力をしている。
だからこそ売り先が大事だという。価格競争に淘汰されない売り先。
そのために始めたのが飲食業。
沼津の中心市街地に《真鯛》という店を構えた。そこでは美味しい養殖の真鯛を味わうことができる。刺身はもちろん鍋や塩竈焼き、鯛飯など様々な料理を楽しむことができる。
この店舗をきっかけに沼津産の鯛を普及を目指す。

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養殖現場の繁忙期は5月から12月。忙しい時には休みもないこともある。
しかし、冬場は日の入り前に終業することも。養殖とはいえ、自然海の中に生け簀を構え、相手は生き物。
日々天候とともに臨機応変に対応して行かなければならない。必要となるのはその時々での各自の状況判断。
言われたことだけをやるのではなく、自分で先を考えて行動することが大切だ。先輩達のやる事を見て覚えていかなければならない。
さらに、未来の水産業、養殖業を考えていくことも重要だ。

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自然、生き物を相手にした仕事は、昨日良くても今日はだめということが当たり前だ。それをすぐに分からなければならない。その状況に向き合い判断していくこと、絵で覚えるような、イメージが出来ることが大切だという。

「魚が好きでやる気のある人。単純にそれくらいだと思う。やる気のある方が来てくれれば、どんどん仕事も覚えてもらって、好奇心をもってがんばってもらいたいね。そして沼津産の鮮魚の良質な価値も一緒につくってもらいたい」

沼津、そして日本の養殖業を支えるマルセイ水産。
色々なアディアをもってどんどんチャレンジしていきたい人にぴったりだ。

株式会社マルセイ水産
静岡県沼津市西浦足保31-2
TEL:055-942-2096
http://www.maruseisuisan.com

沼津で働く魅力を伝えること 〜沼津しごと応援サイト「ぬまジョブ」オープン〜

沼津市は平成29年3月に、雇用の促進を目的とした沼津しごと応援サイト「ぬまジョブ」をオープンする。
インターネットを通じた求人は掲載費用がかかる場合も多いが、この「ぬまジョブ」は沼津市内の企業であれば無料で登録することができる。
その役割は求人だけにとどまらず、製品紹介やビジネスパートナーの募集、画像・映像を使った会社のPRなど、マルチに活用できるウェブサイトになる予定だ。

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2月14日、同サイトの開設にともない、沼津市役所にて『“沼津で働く魅力を伝える”企業のための求人セミナー ~求職者に沼津の企業の魅力を知ってもらい、優秀な人材を集めるコツについて学ぶ~』が実施された。
講師を務めたのは株式会社いろあわせの代表、北川雄士さん。

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「一人ひとりのいろ(=魅力)を大切にする豊かな社会を創りたい」と、学生の就職支援や企業の人事のサポートをする会社を経営したり、滋賀大学の講師を務めたりしている北川さんは、入社面接や採用戦略策定など、約10年にわたり採用に関する仕事に携わってきた
そんな採用のプロフェッショナルを講師に迎えたセミナーは、成長する人材の特徴や採用する側の心構えまで内容は幅広く、聴講者は真剣な様子で耳を傾けていた。

全国の地方都市と同様に、沼津にも「求人を出しても応募がない・優秀な人材がこない」という悩みを抱えている企業は多い。
北川さんによれば、やみくもに求人を出す前に、まずは自社の魅力と向き合うことが大切だという。
20~30代では仕事選びにおいて、自分の居場所、働く意味を重要視する人が増えている。東日本大震災以降は特に、その傾向が顕著になってきた。
だからこそ、求人においても給与や事業内容をただ紹介するだけでは足りないのかもしれない。
どんな人たちが働いているのか、そこにどんな思いがあるのか。そんな会社の中にあるストーリーまで伝えていくことが、必要不可欠になりつつある。

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どの企業にも言えることだが、会社が存続しているということは、その会社には必ず何らかの長所がある。
なぜ、お客様がついてくれているのか。
そこを改めて問い直すことが、会社の魅力を掘り起こすカギになる。
また、長く働いている社員や経営者が「辞めない」理由を考えてみるのもひとつの方法だ。そのようにして会社の魅力やストーリーを見つけ出し、わかりやすく伝えていくことが、有望な人材を採用するための近道になる。

企業の中で活躍するキーパーソンは、給与や事業内容より、最後は人で会社を選ぶ。
北川さんは、人事としての長年の経験からそう断言する。
お金や世間体に囚われない自分の価値観をもつ人は、自分なりの答えを生み出せる人材が多いという。
企業のもつ魅力をしっかりと伝えることができれば、規模や売上、業種に関わらず、チャンスがあるはずだ。

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また、ワークライフバランスを重視する人が増えていく中で、都会にはない地方ならではの魅力を発信していくことも沼津における求人のポイントになる。
沼津は、多くの人が求めている「自分らしい暮らし」を叶えるための資源が豊富にあるまちだと話すのは、同セミナーの企画に携わった沼津ジャーナル編集部の小松。

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川を眺めながら働いたり、仕事帰りに海沿いをサイクリングできる環境がある。
日本一高い山と日本一深い海が近くにあって、まちの中にはゆるやかに流れる川がある。
都心のように週末渋滞に巻き込まれることもなく、のんびりと遊びに出かけられる。
ほどよく田舎、ほどよく都会の沼津だからこそ、叶えられる暮らしがきっとある。そして、このまちには、自分なりの想いを持ちながら働く人々がたくさんいる。
だからこそ、沼津にあるさまざまな中小企業がこの土地ならではの働き方やそれぞれの思いを発信していけば、そこに魅力を感じる人は多くいるはず、と小松は話す。

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都心に暮らしながらも、人と比較・競争し続ける人生に疲れ、給与や評価、成長率のような指標から離れたいと願っている人は少なくない。
沼津というまちは、自分の価値観を持ち、自分で大切なものを決め、ゆったりと人生を送りたいと考えている人々にふさわしい場所に思える。
「ぬまジョブ」はきっと、市内企業の魅力を発信しながら、沼津で働きたい人を後押しする、会社と人をつなぐ新たなプラットフォームになっていくだろう。

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http://www.numa-job.net/

【求人】商店街を支えるひと〜上土商店街事務局〜

沼津駅南口を出て、沼津港の方向へ歩いて5分ほど。
決して駅前ではない商店街なのだがその立地に屈することなく今もなお新しいお店が増え、老舗も存在感があり、狩野川と寄り添うようにあるやわらかで独特の雰囲気を醸し出す商店街、それが沼津あげつち商店街だ。

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40年前から続く心地よさ~梅邑Bar~

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【2017年の記事です。現在は記事のサービスを店舗で提供しておりません】

沼津銀座に店を構えて40年以上、知る人ぞ知る名店といえばバー梅邑(うめむら)である。
まさに隠れ家といった入り口を開けると2階に続く階段、2階に上がるとやや暗めの照明にバーカウンター、テーブル席も2つ、こじんまりとしたなかにどこか歴史の重みを感じさせるお店である。

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空白の場にパフォーミングアーツを〜人生と街を楽しむためのスケイル〜

沼津駅南口の改札を出て正面に見えるビルは沼津西武百貨店に代わり、2014年にラクーンという複合施設になった。
ラクーンは各階によって様々な顔を持つ。
実は8階、すべての壁や装飾が取り壊されたスケルトンの状態で普段は利用されていない。
かつての活気を失った場所は、”パフォーミングアーツ”により命が吹き込まれた。

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【スケルトンになった旧西武百貨店、現在のラクーン8階】
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未来につなげるママたちの座談会

沼津市長選の立候補予定者に話を聞く
「沼津市長選直前!ママたちの座談会」が10月22日に金岡地区センターで行われた。

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「私たちは政治のプロではないけれど、ママたちの感性や本能や柔らかさや強さをフル稼働して、貴重な一票を誰に投じるか決めるヒントを掴んでもらえる会になれば」
主催したメンバーの峯松さんたちはそんな想いをまわりのママ伝え、この会が開かれる事になった。

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Friendly, comfortable atmosphere for over 40 years-Umemura Bar

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Located in Numazu Ginza for over 40 years, Umemura Bar is the well-loved bar to those in the know.

It’s like a hideaway. When you open the door a staircase leads to the second floor; and once you step inside, the light is dim, with a counter and two tables. It’s not spacious, but that again let’s you feel it’s history.

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Baird Taproom Numazu Fishmarket

Just in front of Numazu Port is the Baird Taproom. Once you step inside, it feels just like a brewery pub at fisherman’s market abroad. There are stately brick walls and finely crafted wooden tables. From the window, there is a scenic view of the port and the market.

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カフェの役割~ひねもすカフェ~

【2016年の記事です。現在は記事のサービスを施設で提供しておりません】

沼津駅から港の方へ歩いて行く。
スルガ銀行本店の裏路地を入ってくと蔵があり、
ひねもすカフェがある。

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店の前には野菜が干してあったり、
外壁にはイラスト。
ただならぬ雰囲気を醸し出している。

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