Category Archives: Event

沼津のバーを愉しむ

numazu-journal

“忙しかったんですけど気持ちいい仕事ができました。改めて見直したという人もいたり、反響の大きさにびっくりしましたね”
昨年の沼津自慢フェスタの感想をGATO BARの金子忠裕さんは語る。

干物の空箱で作られたバーカウンター、背面には“THIS IS NUMAZU”の文字。
その前に整然と並ぶバーテンダー達。
ベテランから若手まで勢ぞろいしたメンバー、その組み合わせに驚いた方もいただろう。

IMG_3051

“沼津の人たちに見せつけてやろうと思って”

その意気込みから沼津の“バー文化”を感じた瞬間だった。

image

バーはその街の文化度を測る目安だ。

その街にどんなバーがあり、どんな人々が集まり、どんな使い方をしているのか?
バーをみれば街がわかる。

“バーテンダーは街のコンシェルジュです。そのためには私たちがまず沼津のことを知らなくてはいけない”

numazu-journal5

バーテンダーの役割について金子さんは説明する。
“沼津再発見の案内役をバーテンダーが担えたらいい、沼津はポテンシャルをもっているんだから”

numazu-journal3

日々のお店のことと共に金子さんの視線は自然と若手バーテンダーへと向く。
“自慢フェスタのような場所は若い人たちにとっていい経験。シンプルな動きを覚えてほしいですね”
日本バーテンダー協会の沼津支部長を務める金子さんは、ベテランと若手を繋ぐパイプ役も務める。
沼津のバー文化、その根本は選ぶ楽しさである。
オーセンティックなバーからカジュアルなバーまで、その幅広さが受け皿となり、多様性が文化となる。

大人たちが笑顔で集まれる場所、ゆるやかに流れる時間。
多くの方に沼津のバーを楽しんでいただきたい。

numazu-journal4

GATO BAR
沼津市大手町2-3-1 Wiseビル1F
電話:055-963-2379

アンダーグラウンド

沼津のとあるBarを訪ねて沼津駅から10分ほど歩き大岡地区の住宅地に入っていく。
そこに一軒の家がある。
以前は外車を売っているお店の事務所だったところ。

中に入ってみると
アメリカンスタイルな店内。
カウンターとテーブル席がある。
奥にはDJブースも。

開店前。オーナーの金刺さんは快く出迎えてくれた。
ラジオステーションと名付けられたバーは開店してから19年経つ。

numazujournal_ラジオステーション1

オーセンティックなバーではなく
アンダーグランドなバー。

アンダーグランドといっても
クオリティーは約束されている。
ただ、いい意味で悪いヤツというか個性が強く
オーナーのスタイルを全面に感じられる。

そんなバーをアンダーグラウンドと金刺さんは呼ぶ。

たとえば、音楽通だったり、釣りのことをよく知っていたり。

金刺さんはディスコなどがどんどんなくなっていく中で
音楽を聴ける場所を作りたい。そこにはお酒もほしい。
そういう思いからバーをやることにした。

さらにいろんな近辺情報をつたえたいとういうことで
名前は「ラジオステーション」とした。

ちょっとラフなところで勉強してオーセンティックなバーにいくのもよい。
そんなきっかけにもなるバー。

numazujournal_ラジオステーション3

「バーをデートコースで使い分けていく感覚。
“今日はオーセンティックに。
今日はちょっとラフに。”
なんてファッションのようにバーを使わけてほしい」
と金刺さんは言う。

この感覚、かつてバーで出会った先輩たちに教わったそう。

「日によって、週によってバーを選んでもらって
その選択肢であり続けられるようなお店でありたい」

そして、そこにたまたま居合わせた人とのコミュニケーションが生まれる。
ふと気付けば隣のお客さんとも合流なんてことも。
その中ですっとほかのお客さんに目を配る。

バーテンダーは絶妙なバランスで
お店の空気を作り出す。その安心感もラジオステーションにはある。

オシャレをするようにバーを選ぶことをスタイルとする金指さん、
「いろんなバーに顔を出してほしい」
その言葉のとおり、自分のお店以外にもここがいいよと何件も話してくれた。

バーテンダーによって、同じカクテルでも味が違う。
一日一日ライブのような感覚で
その時しか味わえない時間を過ごせる場所。
一期一会にプラスα。
ちょっとラフなアンダーグラウンドだからこそ。

 

≪ラジオステnumazujournal_ラジオステーション2ーション≫
静岡県 沼津市大岡1705-11
定休日:火曜日
tel:055-951-6338

駿河湾にかぶりつく

numazu-journal

駿河湾では古くから底引き網(トロール)漁が行われ、
沼津港や戸田港にはトロール漁で獲れた深海魚が多く水揚げされている。
この深海魚を活かそうと誕生したのがぬまづトロフィッシュバーガーだ。
その定義はシンプルで、沼津で水揚げされた深海魚を使い、バーガー形式で食べること。
その中でも人気なのがバンデロールの“のっぽパン”を使ったトロフィッシュバーガーだ。

numazu-journal5

静岡県東部にお住まいの方はのっぽパンといえばすぐにキリンのイラストが頭に浮かぶだろう。
ある年代の人には特別な想いを持つ方もいるのではないだろうか。
なぜなら、15時のおやつにのっぽパンと言えばご褒美だったからだ。
そこにはノスタルジックな思い出がある。

“三島なら三島コロッケ、富士宮なら富士宮やきそばがあったのに対して沼津は何もなかったんですよ”
トロフィッシュバーガーの開発を手掛けたバンデロールの佐野五男さんは言う。

“たまたま戸田の深海魚を使ったトロはんぺんを紹介していただいて、そのはんぺんを挟んだらどうかと思ったんです。のっぽパンと戸田のトロはんぺんを組み合わせてみようかと”

numazu-journal3

もともと漁師の家庭料理として食されていたトロはんぺん。
それを細長いのっぽパンに合うように加工したのは戸田のツツミ水産だ。
“僕ら深海魚のことはぜんぜんわからないので加工してるツツミさんにお任せです”
それぞれの長所を合わせた結果、トロフィッシュバーガーが生まれた。
そこにはそれぞれの想いが詰まっている。

そのトロフィッシュバーガーを食べる機会が沼津自慢フェスタである。
昨年に引き続き出店するバンデロール、佐野さんは自慢フェスタへの意気込みを語る。

“沼津はのっぽパン誕生の地。トロフィッシュバーガーが少しでも沼津の自慢になるように協力していきたい”

沼津のソウルフードであるのっぽパン。
のっぽパンから生まれたトロフィッシュバーガー。
開発者の想い、こだわりを味わっていただきたい。

numazu-journal4

バンデリ沼津駅ビル店
沼津市大手町1-1-1沼津駅ビル アントレ内
電話:055-963-2637

音楽の力に酔う夜

numazu-journal

“最初はステージもなく、後ろに看板があるだけだった。
バンドの設備もなかったので、あの頃はアコースティックでやったりして”

沼津自慢フェスタの1回目を知る歌手、CANARYはそう振り返る。
イベントやクラブなど幅広く活動するCANARY。
いまや沼津を代表する地元シンガーのひとりである。

“歌う以外になかった。文集とかにも「歌手になりたい」って書いてた”
物心ついたころには歌手を目指していた。
まさに生まれ持ってのシンガー、歌うために生まれてきた。

numazu-journal2

趣味であったダンスを通じブラックミュージックに触れ95年頃から本格的に歌手活動を始めた。
ジャマイカやNYへの旅でスタジオワークなど音楽的経験を深める。
転機は沼津への帰省である。
藤沢や川崎、名古屋で過ごしていた彼女が地元である沼津に帰ってきたのは8年前。
その時に書いた曲が“Roots of my life ~沼津の歌~”である。

“春のあったかいSUNDAYは 香貫山でてっぺんで酒飲んで
桜の花びらのシャワーあび 歌い 騒ぎ・・・ってしたい
夏は千本で足つかって 波に向かって走って
「バカヤローッ!」って叫んで
狩野川の堤防にすわり でっかい花火みたい”

ストレートに表現された地元への愛情。
一度外から見たからこそ分かる沼津の良さ。

“何日かかけてではなく1日で出来ました。ドバっと出てきました(笑)”

作曲時の様子をCANARYはこう語る。
包括された豊かな音楽性、沼津に対する愛情、シンプルだからこそ伝わるメッセージ。
曲の持つ力はそのまま音楽の持つ力に昇華される。

numazu-journal3

9月14日、今年も中央公園に“Roots of my life ~沼津の歌~”が流れる。
クレジットはCANARY with FRIENDS。バンド編成での登場だ。
“ここ1年でバンドとして定まってきた。レゲエだけでなくいろんな音楽を聴かせることができると思います”
本番へ向けてバンドはひとつになっている。
“自慢フェスタのお客さんは暖かくてものすごく楽しい。沼津愛は誰にも負けないんで会場を盛り上げたい”
ステージを心から楽しむCANARY。
歌の持つ力、バンドの力、音楽の持つ力を体験してほしい。

numazu-journal4
『Humming Bird』
ICI Records
CBCA-001

すべてのルーツ

沼津駅南口をでて左手に行くと
ホテルアリアがある。
その1階に本格的なフレンチレストランとして、
またアラカルト1品から楽しめるバーとして15年の歴史をもつninoeというところがある。

沼津自慢フェスタの実行委員長を務める
オーナの橋本さんのお店である。

ソムリエ、バーテンダー、調理と3つの視点から飲食に携わっている橋本さんだからこその観点で
実行委員や出店者、お客さんたちと沼津の美酒、美食を愉しむ特別な空間を作り出す。

そして、もう一つの観点。
それは海藻押し葉アーティスト。

Ninoeは海辺を感じる海のサロンとして、伊豆の海で取れた海藻を使った“海藻アート”を楽しむことができる。
オーナーの橋本さんがなぜこの店をレストランバーだけでなく海藻アートのサロンとしたのか。

“日本一の深海を持つ駿河湾のある伊豆。
実は世界一海藻の種類が多い。”

numazujournal_2

お店には橋本さんの海藻アート作品を飾っている。
このアートは浜辺に打ち上げられた様々な海藻を素材にした「押し葉」だ。

numazujournal_ninoe4

どれも本当にきれいな色でまるで絵のようだ。
こんなにもきれいな色を海藻が持っていたなんて驚きである。
カラフルなものから幾何学的な模様を持つものまで。
一つとして同じものはない。
その海藻は丁寧にまた押し葉アートとして命を吹き込まれる。

なぜ、海藻押し葉をしようと思ったのか。
問いかけてみた。

「東京で働いたのち、地元に帰ってきた。
東京都比べると最新の情報が遅いかもしれないが
東京ではできないことをしたい。」

numazujournal_ninoe

そう思いとにかく地元を調べることにした。
徹底的調べる中で“海藻押し葉の本”に出会う。
作者は修善寺在住。
これが海藻アートとの出会いだった。

すべてのルーツがここ(海藻)にはある。
地球ができて、海ができて、プランクトンが生まれ、海藻がうまれ・・・
私たちやわたしたちを取り巻くものが生まれる。
この果てしない過去へ道にはロマンがある。

つまり野菜からワインまで元をたどれば
植物のルーツ、そう海藻なのだ。

東京にではできないこと。

海に5分でいける。
街中にいても海を感じる。

この海藻押し葉をやるようになり
仕事へのとりくみも変わったそう。
海、山の恵みを十分に理解し手をかけて提供する。
海藻が果たす役割、地球の現状、自然への関心などすべてにおいて”食”につながり
“海藻アート”を見ることで意識がかわる。

地元の資源を大切にする働き方、
地元らしい働き方は地元が持っている当たり前を見て見つかる。
そんな気がした。

沼津自慢フェスタ2013ではいろいろな「食」を通じていろいろな人が出店する。
その人にしかない個性。
形は違えど、地元を愛する人たちが集まってくる。
それがイベントを通じて具体的な形になり、出店者も参加者もより深まればいい。

「昨年の自慢フェスタも良い時間だった。
今年は“楽しい気持ち”をより多くの人に味わってもらいたい」
と一言をいただいた。

numazujournal_ninoe1

≪Ninoe(ニノエ)≫
静岡県沼津市大手町2-4-8 ホテルアリア1F
営業時間:18:00~翌2:00 定休日:水曜日
tel:055-963-0031

戸田を味わい尽くす

numazu-journal

“発想は漁師の家庭料理です。もらった魚ですり身を作れば家庭の味になるんです”
へだトロはんぺんの元祖とも言えるツツミ水産の堤勝彦さんは語る。

日本で最も深い駿河湾。
戸田では約200メートルの深海に住むタカアシガニの底引き網(トロール)漁が盛んだ。
その漁で同時に獲れるトロボッチ(メヒカリ)やメギスなどの深海魚をすり身にし揚げたのがへだトロはんぺんだ。

numazu-journal2

歴史を紐解くとディアナ号の沈没とも関係があるようだ。
1854年、安政東海地震による大津波で遠洋航海が不能となったロシアの軍艦、ディアナ号。
乗員500名は全員救出されて戸田に収容された。
ここで天城の木材を使用し日露共同による日本最初の洋式造船が始まったのだ。
この時、救出された500名の食を支えたのがへだトロはんぺんという。
以来、家庭の味として長く親しまれてきた。

“15年前、何か地元のものを使ったものができないかと思ったのが商品化の始まりです。
いまでは食堂や民宿など戸田に来れば食べることができます”
現在、へだトロはんぺんはご当地グルメとして認知されるようになった。
それは各地のイベントへ積極的に参加してきた結果でもある。
沼津自慢フェスタへの出店もそのひとつといえる。

numazu-journal3

“へだトロはんぺん以外にもメヒカリのから揚げとかエビの味噌汁とかだしますよ”

さらにもう一つ、堤さんに関する商品が並ぶ。バンデロールのトロフィッシュバーガー。
沼津生まれののっぽパンにはさまれたトロはんぺん。そのトロはんぺんを手掛けるのがツツミ水産だ。

へだトロはんぺんとトロフィッシュバーガー。自慢フェスタでは戸田を堪能する組み合わせも可能だ。

“100%、駿河湾でとれた魚です!”
堤さんは自信を持って言う。日本で最も深い駿河湾。
駿河湾を感じる料理から目が離せない。

numazu-journal4

ツツミ水産
沼津市戸田2938
電話:0558-94-4277
http://oyogu-himono.sakura.ne.jp/

至福を味わう時間〜山正〜

“至福の時を味わっていただきたい。”
山正のモットーをやさしいまなざしで語るのは大将の竹下さん。

numazujournal_山正1

沼津駅からほど近く
店先には干物が干してある。
店内に入ってみると
カウンターには新鮮な海の幸。
そしてその後ろで真剣なまなざしで料理をする板前たち。
その臨場感に圧倒される。

numazujournal_山正2

山正はもともと35年続く鮮魚店だった。
その鮮魚店で培った魚に対する知識、仕入れをもとに
おいしいもの作って提供したいと始まったのが8年前。

昼の定食でお父さんの作った干物を食べてもらうのが始まりだった。
今でもお父さんが店先で干物を干す姿を見ることができる。
この干物は買うこともできる。

さらに、今では昼は行列が絶えず、夜も予約でいっぱいの人気店になった。
地元の人や出張や観光で訪れた人たちで
ランチでは開店前に売り切れになってしまう時もある。
まさに「地元の人が自慢したくなる店」だ。

絶えず人気の理由。

おいしいものを食べて至福の時を味わいたい。
このシンプルな思いにこたえてくれる。

最近は女性一人で来店する人もいるそう。
お寿司屋さんに一人では少し入りにくいと思う人も多いかもしれない。
何を頼んだらいいかわからない時も、板前さんに相談してみると
おすすめで2~3品と握りなどその時の気分に応じて出してくれる。
女性スタッフの雰囲気も安心感がある。

numazujournal_山正4

少し落ち着く夜の時間は会話を楽しむこともできる。
“楽しくやっているよ”と大将。
そんな言葉が納得できるお店の雰囲気。

“お子様連れでも、女性一人でも、家族でも、会社の人とでも
 食事を楽しみたいひとならどなたでもいらしてください。”

月一で遠方から訪れる人、記念日や誕生日に、
会社の人たちと日頃のねぎらいを込めて利用する。

厨房では忙しく夜の仕込みをしていた。
お客さんがどのような利用をするのかを考え
小分けにしたり大皿にしたりと一人ひとりに気を配っている。
ここには職人の心意気とお店の丁寧さがちゃんとある。

まさに“至福の時”を作っているところだった。

numazujournal_yamasho

山正は沼津自慢フェスタ2013のCENTER TABLEにも参加する。

山正
(ランチ) 11:30~14:00(LO 13:20)/(夜の部)17:30~23:00(LO 22:00)
日曜・祝日のみ20:30ラストオーダー※第3日曜 定休 臨時休業あり

静岡県沼津市平町3-14
Tel:055-963-0377

あしたか牛を支える力

numazu-journal

“あしたか牛は本当にうまいんです”
自信をもって語るのは渡邊精肉店の専務取締役、渡邊勝之さん。
創業以来、牛豚肉の加工から卸、小売、直営の焼肉店まで手掛ける渡邊精肉店。
思い出されるのは昨年の沼津自慢フェスタ、出店ブースの前にできた長蛇の列。
お目当てはあしたか牛の焼肉。
売り上げは出店した全店舗の中でトップだった。
1日20kg、3日間で60kg。用意した肉は2日目にはすべて売り切れた。

“普段から地元の人たちが飲食店であしたか牛を食べてくれている。
そういった積み重ねが自慢フェスタといったイベントの時に発揮されたと思うんですよ”

numazu-journal4

あしたか牛は厳選された飼料により一定期間肥育することによって仕上られた高品質な牛。
豊かなコクのある風味が特徴である。

今となっては地元のブランド牛として確立されているが、14~15年前はそうではなかった。
そこにはあしたか牛推進協議会による地道な活動があった。
“最初は鳴かず飛ばずでしたよ、苦しい時代でした”
渡邊さんは当時をこう振り返る。

流れが変わったのは、世の中の地産地消の動き。
地元のモノを使おうとまず動いたのは飲食店の料理人。

“土台を作ってくれたのはあしたか牛を使ってくれている飲食店です。
多少コストがかかっても使ってくれているから徐々に浸透していった。
だから、こういったイベントの時でも食べてみようってなると思うんです”

numazu-journal3

自慢フェスタに参加してない店も含めて普段からあしたか牛を使い続けている飲食店、
小売店、消費者の想いが昨年売り上げトップという結果に結びついた。
渡邊さんは冷静に分析する。

そんな渡邊さんが今年の意気込みを語る。
“今年は牛を半分用意します(笑)限定30枚でステーキ焼いちゃおうと思って”
なんと!焼肉に加え今年は限定でステーキを焼く予定だという。
あしたか牛のステーキ、肉好きにはたまらないご褒美だ。

早い者勝ちの予感漂う渡邊精肉店のステーキ。
これだけでも自慢フェスタに行く理由となるはずだ。

numazu-journal2

渡邊精肉店
静岡県沼津市原345
電話:055-966-0140

中華一筋にかける想い

numazu-journal

沼津自慢フェスタの楽しみ方は人によって様々だが、
その中でもセンターテーブルはメインのひとつと言えるだろう。
沼津の料理人たちが織り成すコラボレーションをゆっくりと堪能していただきたいものだ。
そのコラボの中でも異色の組み合わせとして楽しみなのは12日のラセール×王味である。
かたやフレンチの名店、かたや大衆的中華料理店。
これだけ色のはっきりとしたコラボはないのではないだろうか。

“ラセールさんに胸を借りるつもりで頑張りたいですね”
王味の関口寛さんは語る。
関口さんは栃木県出身、高校時代の先生の勧めで横浜中華街で修業。
中華料理一筋32年のベテランだ。
先代から店を引き継いだのは11年前。
料理に対して勉強熱心だった先代が関口さんを口説いたかたちだ。

numazu-journal2

食材は世界中から仕入れる。
“せっかく世界からいい食材がはいる日本にいるわけだから”
なるほど、これもまた日本に住んでいるからこその発想だ。

おいしいものを気軽に提供する。
それが王味のコンセプトだ。

決してぶれることのないスタンスが王味をここまでの人気店に押し上げた。

numazu-journal3

そんな関口さんが自信を持って自慢フェスタに提供する料理がある。
中国は東北地方の家庭料理、乱湯麺だ。
夏野菜だけでとったスープにうどんをいれて食べる。
野菜の甘み、香りを存分に味わうことのできる一品だ。
料理人の思いが詰まったスープ。

9月12日のセンターテーブル、自慢フェスタ初参加の王味。
その実力を確認していただきたい。

王味
沼津市柳町1-56
電話:055-922-1313

食材と向き合って

numazu-journal

静浦は馬込、穏やかな湾内を一望できる場所にその店はある。
レストラン、SHORE(ショア)
ここでは海を見ながらゆっくりとフレンチを楽しむことができる。

“2時間ぐらいの食事の中でどんどん表情が変わります。
時の流れをリアルに感じることができる。それがこの場所の魅力です”
そう語るのはオーナーシェフの鵜澤宏至さん。
太陽の動きにより刻一刻と表情を変える海と空。
鵜澤さんもここの魅力に惹きつけられたひとりだ。

東京は世田谷で生まれ、母親の実家である秋田で育った鵜澤さん。
“喧騒を離れようとすると神奈川でなくて静岡になる”
25~26年前、静岡の中でも沼津、静浦の景色に心奪われた。

“ここの湾内から太平洋に突き抜けていくところが見えるのはいい景色だなと思います”

numazu-journal3

料理を楽しむとき、機能するのは味覚だけではない。
視覚、嗅覚、聴覚、触覚それらすべてが満たされたとき、満足を覚え心は動く。
感性に訴える料理、その中で鵜澤さんはフレンチを選んだ。
本場のフランス料理をベースに和食の食材、要素を盛り込んだ。
“フランスのものを消化して日本人として誇りを持った仕事をしないといけない”
鵜澤さんが問うのは食に対する誇りである。
そして、その問いは食材へのこだわりに繋がる。

“沼津港っていうのは北海道から九州まで魚介類が運ばれてきますから、
地元のものがなければ他県のものも使います”

その時々によりいいものを選ぶ柔軟なスタンスにあって、
決して変わることのないひとつの想い。
それは、食材への感謝の気持ち。
“いただきます”という気持ちが食材と真摯に向き合う姿勢となる。

numazu-journal2

“沼津に誇りを持ってもらえるような仕事をしたい”

“沼津らしさっていうのが、魚を安くたくさん食べられるっていうのじゃ安っぽいじゃないですか?
そうじゃないというのを表現できればと思います”

食へ向けて楽しみは尽きない。

numazu-journal5

RESTAURANT SHORE
静岡県沼津市馬込31-1
電話:055-960-7714
http://www.uzawa-french.com/