Author Archives: 佐伯

蔵に住み着いた酵母菌が創り出す生きた調味料~天野醤油~

御殿場の富士山のふもとにある小さな醤油工場。
それが天野醤油。
静岡県東部の学校給食にも採用されている天野醤油は
品質、味ともに細部までこだわっており、地元の人たちに愛されている。

3代目天野栄太郎さんに天野醤油について伺った。

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昭和12年、祖父福太郎さんが三島で醤油作りの修行をした後
御殿場で蔵を構えたのが天野醤油の始まりだった。
何にもないゼロからのスタート。
だが、富士山の湧水がそこにはあった。

その後、お父さんの泉太郎さんの代に変わり、醤油を使う人から要望のあった無添加の醤油をつくることを始めた。
その時、蔵には醤油の味を豊かにする自然の菌が住み着いていた。

今では静岡県東部の学校給食に“本丸亭”が使われている。
安全で安心して使えるお醤油を作るために受け継がれてきた伝統は今、じっくりと時間と愛情をかけて
天然醸造という形で丁寧に守られている。

工場のを見せてもらうと
想像していた以上に限られたスペースで全工程が行われていた。

この場所に大分の一等の大豆、北海道の麦、鳴門の塩、そして富士山の水。
選び抜かれた素材が運び込まれる。

大きな機械で大豆が蒸されている横では小麦が炒られていた。

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そしてその奥には小さな扉。

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そこでは3日間かけて大豆が麹へ。
メガネやレンズが一瞬で曇ってしまうほどの室内は一定の温度と湿度で保たれている。

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その後、麹と食塩水を混ぜ合わせ発酵熟成させる。
そして天野醤油の味を決めるのが蔵に住み着いている菌、
黒ずんでいるところにいるそう。
運命とでもいうのだろうか、伝統を守り真剣に作る醤油の蔵にはおいしくしてくれる菌が住み着いて離れない。

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こうして発酵熟成されたもろみを布に包んで絞る。
ゆっくりとじっくりと絞り出される“なましょうゆ”

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そして火入れをして、色、味、香りを整える。
さらに品質検査をし味だけでなく安全も。

出来上がったばかりの醤油を口にしたときに“んっ?”と思った。
ちょっと“抵抗感”を感じた。
この“抵抗感”は生きた醤油だからだ。
それはすぐにおいしさに変わる。
発酵食品の大切な要素を体に運んでくれる。

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そして、工場長の天野幸吉さんが大学を卒業後日本一の醤油を作りたいと
始めたのが山口県発祥の“甘露醤油”
これはもろみを作る際の食塩水を生醤油で行うことによって塩分が控えられると同時に深みのある味になる。
2年以上の歳月と2倍の原料を使用した、醤油の中の最高級品。
2000年度には農林水産大臣賞を受賞。全国の甘露醤油の基準にもなっている。

“今の大きさのままこの場所で醤油を作り続けていくこと”
そう栄太郎さんは言う。

住み着いた酵母菌は宝だ。
醤油は調味料だからと侮ってはいけない。
生きている醤油は素材をさらに活かしてくれる。
そして体も活かしてくれる。

愛情と歴史が作り出す醤油が食卓を支えてくれる。

≪天野醤油≫
御殿場市御殿場139-1
TEL: 0550-82-0518
http://www.gotemba.or.jp/i/amano/

楽しむパワー~上土おかみさん会~

沼津駅南口からまっすぐ約10分歩くと現れるのは上土商店街。
毎月15日にはここで5年前から“稲荷市”が開催されている。

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実は45年前、毎月25日と26日に開かれていたとのこと。
稲荷市では各店の前で自分の商品じゃないものを売っていた。
“まるでキツネが化かすように”呉服屋では大根が、お菓子屋で衣類といったふうに。

この稲荷市を復活させた立役者、それが上土商店街の“あげつちおかみさん会”なのだ。
今回、インタビューを市川さんと内田さん、そして過去の写真提供を辻さんにご協力いただいた。

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→左が内田さん、右が市川さん

上土おかみさん会は発足して今年で20年になる。
浅草おかみさん会の富永会長が沼津に講演に来た際に上土商店街にもおかみさん会を作ろうとうことになったそう。
富永会長の“奥さんといって奥にいるのは違う。おかみさんといって前に出るのよ”という言葉。

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奥さん同士が集まって何かできないか。
この日から、おかみさんたちは、おかみさんたちならではの方法で上土商店街を盛り上げていくことになる。

まずは資金集め、ということでガレージセールや夏祭りなどでフリーマーケットを開催。
徐々に、クリスマスコンサートやビアガーデンをやることになる。

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→クリスマスにサンタさんを呼んで写真を撮るサービスは大盛況だったそう。

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当時、路上でビアガーデンをやるのに許可がいることを知らず、
大盛況の模様が新聞に掲載されてたことによって、警察から注意を受けたりした。
“もう慌てて翌日謝りにいったのよね、でもごめんなさいといったらそうですかってことで。
女性の力かしら(笑)それからは私有地の時計台の下でやるようになったの”
とにかくやってみるというおかみさんたちの行動力には驚く。

もともといろいろなところから上土商店街に嫁いできたおかみさんたち。
会員は「お店のおかみさん」というだけで、年齢もバラバラ。
この会によって縦・横のつながりも深くなった。

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最も特徴的なのがおかみさん会には“会長”がいない。
一人に責任がかからないように、長く、楽しく続けられるように。
皆が得意なことや詳しいこと、そのほかのコミュニティーなどを通じてがそれぞれの窓口になる。
たとえば市や公の場所からの依頼は、ご主人が振興会の会長をしている人、
子ども会などからの依頼は子どもが小さくその会に入っている人など様々なところから入ってくる。
また、無理強いもしない。
“ガチガチにしてたこともあったのよ。でもそれじゃあみんな辞めたくなっちゃうじゃない(笑)”

個人を大切にした組織作りを20年前からしていたおかみさん会。
だからこそ続く、だからこそ愛される。
そして、アイディアがカタチになっていく。

稲荷市も会議のなかでふと出た事を一度挑戦してみた。
その取り組みを、地元の新聞社記者が商店街の背景を含め取材をした。
稲荷市終了後、記事が新聞に出た。
その最後に“これからも続けてほしい”との言葉があったそう。

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“期待してもらっちゃったから、続けようってことになって。
そう言ってもらえて本当感謝よね。3月に開いて、4月を挟んで5月から毎月やるようになったのよ。”
そう市川さんと内田さんは笑顔で話していた。

毎月、稲荷市の報告会や次回への活動のために、会合を開くようになったそう。
そこでは、他県へ旅行へ行ったときに見つけたおいしいものや街中の情報などを交換。
こうしておかみさん会らしい感性でイベントや商店街を作り上げていく。

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→平成14年

そして必ず皆さんから出てくる言葉。
“楽しかったのよね~”

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→平成26年

楽しいという何よりも強い力とそれぞれの個性、
そして上土で商売をするおかみさんの心意気、そして女性ならではの感覚が街を明るくより活気づける。

気軽にクルージング~千鳥観光汽船~

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豊かな自然に恵まれた沼津。海から体感できるスポットがあるのをご存じだろうか?

それは“駿河湾クルージング”

千鳥観光汽船が沼津港

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まず、チケットを買う。
チケット売り場は殺風景だが人情味のある港感が漂う空間。
冬場のクルージングで忘れてはいけないのが“カモメの餌”を買うこと。

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チケットと餌を持っていざ乗船。

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開放感あふれる野外デッキ、室内のあったかい席やバリアフリー客室などが完備されている
150人乗りの船舶だ。

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出発してからすぐ、
大型水門びゅうおへ向かうまでの景色も普段とは一味違う港の顔を見る事が出来る。

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→ボランティアガイドのおじさんがいってらっしゃいのサインを出してくれる。

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また、びゅうおを通過する瞬間この大きな水門を真下から見る迫力。
それだけでも楽しめる。

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そうしているうちに多くのカモメやトンビが船に近づいてきた。
最初はゆっくりとした速度で出発したホワイトマリンⅡ。

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餌(かっぱえびせん)を投げるとうまくキャッチしてくれたり、
隣の人はなんと手渡しで餌を挙げている。
そんな鳥とのコミュニケーションに大興奮の船内。

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“以前はカモメの餌やりはやってなかったんです。自分たちが遊びで餌をやりだしたんですよ。
最初は全然カモメも寄ってこなかったんですよ”
と土本さん。

渡り鳥のカモメ。秋から冬にかけてがシーズン。
寒い船の上だからこそ味わえるカモメとのふれあいがある。
こんなにも近くカモメを眺めることが出来るのも船の上だからこそだ。

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びゅうおをどんどん港が遠くなるにつれて“湾”を感じる風景に出会う。
伊豆の山々、沼津の町、富士山。そして遠くの雪をまとった南アルプスまでもが見える。
山に囲まれる体験が出来るのが駿河湾なのだ。

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カモメの餌やりが終わると船が時速を変えて走り出す。
水しぶきの中に虹が見えた。
下にある室内客船は水面と近いので迫力満点水しぶきを見ることが出来る。

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時速は30キロ、40キロと上がっていくたびに揺れや水しぶきが大きくなる。
漁船ではもっと早くもっと揺れる。ホワイトマリンも時速60キロまで出すことが出来る。

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海から見る街や山々は日頃陸地から見るよりもはるかに美しく見えた。
サンセットクルーズや貸切クルーズ、戸田までも交通機関としても楽しめるホワイトマリンⅡ。

“自分たちにとっては船の上の出来事は普通の事なんだけど、
カモメと触れ合ったり水しぶきがかかったりして楽しいという声を聞くとうれしい”
と山崎さんは言う。

美味しい港を味わった次は、美しくそして肌で感じる港を堪能してほしい。

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→左が土本さん、右が山崎さん

≪戸田運送船株式会社 ホワイトマリンⅡ≫
●戸田港乗り場
沼津市戸田313 TEL:0558-94-3323

●沼津港乗り場
沼津市千本港町128 TEL:055-963-6570
http://www.hedaunsousen.com/index.html

【駿河湾クルージング】
料金:大人/1,000円(中学生以上) ・小人/500円(小学生)
出航場所:沼津港
所要時間:約30分 ※時間は季節によって変わります。
※最少運航人員は5名様以上です。※悪天等により欠航する場合があります。

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Numazu is a city rich in natural beauty. Do you know there is a way to enjoy this from the ocean?

It’s the Suruga Bay cruise.

Today, we are taking Heda Overseas Transportation Company’s rapid boat White Marine II on a cruise.

The White Marine II is a public transportation vessel that connects Numazu Port, Heda Port and Toi Port. While the boat waits for its next scheduled time at each port, it operates as a cruise boat.
First you need to buy a ticket.
The ticket counter may look bleak, but there is the beauty and warmth of the port-side scenery.
And in winter time, you shouldn’t forget to buy food for the seagulls too.
Now it’s time to get on.
Our young captains will welcome you. Today’s captains are Mr. Yamazaki and Mr. Tsuchimoto.
The White Marine II has warm indoor seating for 150 passengers with barrier-free seats available. There is also a deck you can step out on to and feel the fresh air.
As soon as we leave the port, we get a different view from the ordinary at the big watergate View-O.
The volunteer guide sees us off with a “see you later” pose.
As we pass under the big water gate, we are off to have some fun.
Soon seabirds, such as seagulls and black kites, come flying close to the boat.
The boat travels slowly. Birds come to catch the food.
A passenger is even feeding birds from her hand.
The passenger’s excitement fills the air.
“We didn’t have this feeding service before. We started for fun. At first the bird didn’t even come close,” says Captain Tsuchimoto.

As we sail out into the ocean, we see the mountain ranges of Izu, the town of Numazu, and Mt. Fuji. Even farther out, you can even see the Southern Alps covered with snow.
Surround yourself with mountain scenery; it’s all possible at Suruga Bay.

As we finished the feeding time, the boat changed its speed.
The lower passenger seats had a powerful view so close to the water.
The boat shakes and splashes as its speeds up from 30 and 40 km per hour.
The White Marine II can reach a top speed of 60km per hour.
The town and mountains look even more beautiful when seen from the ocean.

White Marine II is also available as sunset cruiser, charter cruise, and as transportation to Heda.

“For us what we see on the boat is an everyday thing, but it’s great to hear guests enjoy the water and bird feeding,” says Captain Yamazaki.

After enjoying the rich tasting seafood at the port, come outside on the ocean to enjoy the beauty of nature from the water.
To the left is Captain Tsuchimoto, on the right is Captain Yamazaki.

< Heda Overseas Transportation Company White Marine II >
・Heda Port
313 Heda Numazu city TEL;0558-94-3323
・Numazu Port
128 Senbonminatocho Numazu city TEL:055-963-6570
http://www.hedaunsousen.com/index.html

【Suruga Bay Cruise】
charge: Adults/¥1000 (middle school and above)
Child/¥500 (elementary school)
Departure: Numazu Port
Planned time: 30 min.*time may vary seasonally

Mayuko Serizawa/Winnie Shiraishi

上土商店街にきつねを出現させる!?~Fox’s make Team(フォックスメイクチーム)~

沼津にある上土商店街ではきつねの嫁入りが年に一度開かれる。
その日、町中がキツネになる。

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この光景が出来上がるまでにはあるチームの存在が必要不可欠だ。
それが“Fox’s make Team(フォックスメイクチーム)”だ。

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当初、きつねの嫁入りが開催されるときには結成はされていなかったこのチーム。
本格的にチームとして結成されたのは去年から。
以前は、商店街のおかみさん会がメインとなってメイクをしていたのだが
おかみさん会はほかにも仕事があり業務が多くなってしまったのを見た峯知美さん
(お母様がおかみさん会所属)がなんとか手伝いたいと思い有志でやることに。
固定のメンバーはおらず今は峯さんと鈴木さんのお二人を中心に動いている。

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≪左が鈴木さん、右が峯さん≫

はじめは美容学校などに声をかけ賛同してもらったものの、
やはり現役の美容師さんは土曜日は忙しくなかなか時間を作れなかった。

そこで幼稚園児の息子のクラスメイトのお母さんに声をかけることにした。
それが杉山さんだ。実は峯さんも鈴木さんも元美容師。
得意分野ということもあって、意気投合し鈴木さんも参加することに。

“子どもが生まれてからも美容の分野に携わっていられるのは面白いですね”
ママさんの友情から始まった活動は瞬く間に広がり
やってみたいと思う人が集まってきた。

行列参加者は上土商店街近辺が多いものの、
Fox’s make Teamには地域関係なく参加者が集まるそう。
美容の専門以外の方も多く集まり
メイクなんてしたことありません!という方も興味を持ってきてくれた。

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そのために、何度か講習会を開催したりし、
集まるのが難しい人のためにガイドブックを作ったりもした。

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このガイドブックはすべて手書き。丁寧さが伝わって、当日メイクをするのが楽しみになる。

前々回までは、一人が1パーツ、みんなで完成させていたが
前回からは一人で全パーツが出来るようになった。
メイクのレベルもどんどん上がっていく。

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毎年変化があり、追及している。
“追及していくとかなりリアルになっちゃってもっとかわいい方がなんて言われて(笑)”
と鈴木さん。

今年はどうしていこうかと、一年をかけて研究しているそう。
顔に書かれた名前やイラストも人気。

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“きつねコンテストというのが開かれるんですが、私がメイクした海外の方が優勝して。
 あなたにメイクしてもらったから、ありがとうと伝えに来てくれたのはすごくうれしかった” 

おかみさん会の助けになればと始めたメイクチームは
“助け”から“楽しみ”に変わり“やりがい”となった。

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参加する人たちの“縁”がさらに結婚する二人を幸せに包み込む。

誰でも参加OK。
狐の嫁入りのシーズンに募集がある。
ぜひ“あげつちきつねの嫁入りフェイスブックページ”をチェックしてもらいたい。

3月16日に行われる、狩野川ローカルマーケットでもFox’s make Teamは参加し、ペインティングでイベントを盛り上げる予定だ。

https://www.facebook.com/agetsuchi.kitsunenoyomeiri?fref=ts

昨年の様子はこちら→http://numazujournal.net/2013/10/kitsunenoyomeiri/

一本の線のために~青木一香~

“最後の瞬間(時)に一本の線を描きたいの”

72歳とは思えない、チャーミングでやさしく美しい笑顔からは想像ができないほどの強く意志のある“ことば”
青木洋子改め、青木一香先生がおっしゃった。

書道の筆で書かれたいくつもの“線”が伝えるものは。。。
“線”の美しさにとりつかれるように、青木一香先生の作品は出来上がっていく。

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自宅兼、アトリエは一歩足を踏み入れると外観からは想像できない世界が広がる。
3つの部屋をつなげたというリビング兼ダイニング兼アトリエの床には“紙”が貼られている。
見渡してみると、廊下や扉、トイレの壁までも。
つまり、部屋中が青木一香の“作品”で作られているのだ。

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“居心地のいい空間にしたいんじゃない”
とおちゃめに答えるが壁を取り払い、紙を貼ってしまう大胆さには少々驚く。
大好きなもので作られた場所、これがお菓子だったらヘンデルとグレーテルみたい。

青木先生は東京芸術大学出身。
“うちはあまりお金持ちじゃなかったから大学は国立しか考えてなかった。そしたら美術の大学って一つしかないのよ!”
2浪して入った大学、浪人中は東京にある現代美術研究所で学んだ。
画材など何かとお金がかかる勉強に、いろいろなアルバイトをした。
だが、研究所で過ごした時間は恩師と盟友に巡り合うことができ、学生時代も研究所仲間とグループ展をした。

絵を描き、33歳の時に「海を描く現代絵画コンクール展」に入選。
自分の絵の道筋が見えてきたので沼津に拠点を移す。

毎年青木先生に絵を見せに来ていた美術大学を志望する一人の男性の声から、沼津に美術研究所を開くことにした。
沼津で美術大学に行く準備をする生徒たちが集まり、
42年間続いた研究所に通った生徒は延べ1200人。
沼津でも東京と同じレベルの勉強をして美術大学に臨むことが出来るように、近年まで研究所を続けた。

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≪美術研究室で生徒を教えている青木先生≫

沼津に与えた影響の大きい青木先生。
美術研究所、そして今は絵を発表する場をということでE・SPACEを沼津に作った。
沼津の美術界を支えたひとり。

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≪背景はE・SPACE内にあるBOXギャラリー。美術書なども並ぶ≫

“いろいろやっているようによく言われるんだけど、結構ストイックなのよ。
 本当はいろいろやりたいんだけど、そしたら絵を描く時間が無くなっちゃうでしょ?”

そして今。
青木一香として新しいステージへ。

絵は描いても描いてもゴールはない。
次はこうしようって、毎回迷いながら作品を作っていく。
絵を描き続けてきた青木先生の
常により良いものを、そして最後の瞬間(時)に描く一本を追い求める姿勢。
その勢いはとどまることを知らない。

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青木先生に影響された人に何人にも会ったが
アトリエを見て、作品を観て、そしてこれから歩き出す“青木一香”を目の前にしてわかったこと。
それは“青木一香”自身出すとんでもなくまっすぐで純粋な“線”に対する想い、
それが人々を動かしているということだ。

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“最後に納得いくものに会いたい。これ!って思えるような”
いくつになっても変わらない前向きな行動、
そして追及心。その瞬間を共に感じてみたい。

≪次回の個展≫
青木一香 Ikkoh Aoki
― 線の伝えるもの -
2014年3月17日(月)~22日(土)
11:00pm~7:00pm (最終日5:00pm迄)

場所:櫟画廊
東京都中央区銀座7-10-12第2柳屋ビルB1
TEL:03-3571-0347

≪E・SPACE≫
沼津市町方町61
TEL:055-926-3100

富田貴智展 - 日×∞=毎日 ―
3月9日(日)まで
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≪作家の富田貴智さん≫

自転車で海沿いを走りカフェへ行こう~チェレステカフェ~

“伊豆は自転車乗りにとって初心者から上級者まで楽しめる最高の場所なんですよ”

海沿いは緩やかな道が続き、山に入れば激しいアップダウン。
山の景色も海の景色も楽しめる。海の向こうに富士山を見ることも。
そしてなんといっても疲れた時に楽しめる美味しい恵み。

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そんな伊豆の入口、内浦には自転車乗りたちが集まるカフェがある。
それが“チェレステカフェ”
チェレステとはイタリア語で“青い空”という意味。
それだけではなく自転車乗り達の注目するブランドだそう。

“この名前なら自転車が関係してることがわかると思って”
そう答えるのはオーナーの小野剣人さん。

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出身は東京、約10年前に静岡に移住してきたそう。
昨年3月にオープンする前は朝霧にいた。
実はスノーボードで靭帯を痛めたことをきっかけに
リハビリを兼ねて自転車を再開したらまんまとはまってしまった。

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おちゃめで話好き。そして温かく見守る奥さま。
そんな空間が心地よく、メニューも甘いものからごはんまで揃い、
自転車を漕ぐ心地よい疲れにやさしく響く。

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≪生地から手作りのピザ≫

こんにちはと自転車を担いで中に入ってきたお客様

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“なにか甘いものを”とシナモンロールを。
自転車の格好とシナモンロールのギャップがなんだかカッコイイ。

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1人で自転車に乗ってやってきて、
ここで仲間を見つけて一緒に走るという光景もよくあること。
小野さんの気さくな雰囲気は人と人とをつなぐ。

“高校生とかが自転車を買う前に来ることもあるんです。
常連さんたちにいろいろ聞いて勉強してるんです”

自転車に興味を持つと一度は行ってみたい場所担っているように感じた。

自己責任で自分でメンテナンスを行うのが前提だが
空気入れやちょっとした工具も借りることができるそう。
初心者でもたよりになる人がいる場所はこころ強い。

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《奥に進むと壁には絵本、ソファー席と授乳が可能なスペース》

じつはここはもうひとつの顔を持つ。
こちらはお子さんを持つお母さん向け。

この店内は小野夫婦、そして家族や仲間たちと一緒に作った。
奥さんのおじいさんの所有していた家一軒分の古材を利用。

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さらにスナックだった名残を残し、座席を山から切ってきた木の丸太に変えた。

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もちろん、お母さんじゃなくても自転車乗りじゃなくても
ちょっと内浦に行った時に小野さん夫婦に会いに行きたくなる。
おしゃれでほっとする場所がある。

≪CELESTE-CAFE チェレステカフェ≫
沼津市口野55-16
TEL:090-6350-0023
【営業時間】
月/11:30-20:00
水〜金/11:30-20:00
土/6:30-9:30、11:30-20:00
日/6:30-9:30、11:30-17:00
http://celestecafe.com/

街中でふらっと川沿いを走る拠点~沼津ランニング&スキルズステーション~

沼津市の市街地の真ん中に中央公園がある。
この公園は狩野川が流れ朝夕にウォーキングやランニングを安全に楽しめる拠点として人気を集めている。

恵まれた環境を活かし、水辺の空間をより楽しむために、
中央公園内に健康づくりの拠点施設として沼津ランニング&スキルズステーション(愛称:Nステ)は誕生した。
今年で5年目となる。

去年から担当となったスタッフの松田さんと阿久津さんにお話を伺った。

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あらゆる運動の導入部分のアドバイスをするスポーツプログラマーの資格を持つ松田さん。

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“さぁ、運動をしましょう”と言われても自己流だとなかなか続かないのが運動。
ケガを防いだり、継続が出来るようにするのが目的。
そんな松田さんは月に何度かストレッチの指導もする。

一人でも希望者がいれば行う。
親身になって運動を始めるサポートをしてくれる。

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Nステではこういった、運動を始めるため、続けるためのプログラムから、
運動をやっていた人も楽しめるプログラム、そしてイベントを開催している。

そこで活躍するのが阿久津さん。
素敵な笑顔で送り出し、ゴールで待っていてくれる。
運動の疲れをさらに心地よいものに変えてくれるのだ。
“私は運動は苦手。みなさんを待ってるのが役目です”
そんな阿久津さんに促されてコミィニュティーが出来ていく。

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常連さんが集まり、新入りの方のサポートをしたり
利用者の意見によってイベントが決まっていくことも多い。

Nステと利用者が一体となって
運動を楽しむ場所を作るここは普通のジムとは一味違う。

“まず3日坊主をやってください。3日やって1日休んでまた来る。
1か月後にまた来る。最初はあゆみ橋を往復するのでさえ辛かった人もいますが
今はイベントに参加するほどになることも。
楽しみながらやることが大切!”

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川の美しい景色の中で走る。
時間帯によっていくつもの顔をもつ沼津の景色。
気持ち良い環境で
楽しかったら、また続けよう。
そんな小さな喜びが運動につながる。

会社帰りにも利用したいNステ
Nステではロッカーやシャワールームがある。
また、ロッカーにスニーカーを預けておくサービスもある。
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Nステには沼津アルプス情報やランニング情報がある。
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ちょっとしたお茶も飲めるので情報を聞きに来るところからスタートしても良い。

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沼津のお菓子屋さんのスイーツを楽しめるスイーツランや
皆で楽しめるかのがわリレーランなどのイベントも開催。

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自分に合ったイベントを目標に運動をしてみるもの楽しい。

≪沼津ランニング&スキルズステーション≫
沼津市大手町4丁目3-9
TEL:055-952-3222
http://n-sta.com/

【営業時間】
平 日 11:30~20:30
土日祝 9:00~18:00

【更衣室利用料金】
大人 300円(18歳以上、高校生を除く)
小人 100円(小・中・高校生)
●利用料金に含まれるもの :ロッカー、 シャワー(ボディーソープ、シャンプー、リンス付)、


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富士山の日に酒蔵と酒屋が届ける酒~髙嶋酒造~

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静岡県では2月23日は富士山の日と条例で決められている。
その日に特別に絞られるお酒がある。
それが髙嶋酒造“富士山の日朝絞り”

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お酒に使用されるのは誉富士(酒米)、富士山の伏流水、静岡酵母NEW-5。
ラベルは歌川広重と豊国の双筆五十三次「はら」。
この絵の舞台は髙嶋酒造のある原。そしてこの浮世絵は安政のころに描かれていて、髙嶋酒造の創業が文化元年なので
もしかするとこのモデルはご先祖様に関係があるかもしれない!?ということで特別にラベルをお借りしているそう。

“地元だけでこういうお酒を造れるっていうことを知ってほしい”
と語るのは杜氏も務める髙嶋社長。

2月23日、たった1日だけに出荷された量は一升瓶約1300本。
1シーズン5万本出荷されるうちのたった1300本。
とても貴重なお酒は完全予約制。(1部酒屋で店頭販売ありだがほんのちょっとだそう)

実は“この日に絞る”と決めることはとても技術がいる事で、
通常は大体の日程は決めるものの、発酵の様子などで絞る日が2~3日スライドするものだそう。

“この富士山の日は杜氏としても挑戦。技術向上のためのチャレンジでもあるんです”
髙嶋さんにとっても貴重な体験。

お酒自体も普段ならオリが沈殿するようにおいておく。
だが今回は絞ってすぐに出荷するのでオリが残るのだ。
少し白くにごる酒には甘みがある。
純米酒しか作らない髙嶋酒造は機会も古来からの絞り機のため柔らかいな味わいが残る。
これもいつもとは違う感覚で美味しい。

生のオリがらみなので酵素が失活しない変化の大きい状態。
早めに飲むのが良いそう。
そのおいしさをすぐに飲む人に届けるためにもう一つ、いつもとは違う風景が蔵に見える。

このお酒を販売する酒屋が集まり、出荷を手伝い、その日のうち販売するのだ。

日付が変わるとともに蔵人はお酒を絞り出す。

そして朝五時半。静岡県全土と名古屋から酒屋や関係店が集まる。
まず杜氏から今回のお酒の説明を聞き、
テーブルに置かれた利き酒用猪口に酒を注ぎ、口に含んで香りと味わいを試した。

そして、神主が来ると全員でご祈祷。
富士の恵みに感謝し、お酒を清める。
澄んだ冷たい空気が流れる中、厳かに行われた。

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ご祈祷が終わったお酒はラベル貼りの作業場へ運ばれる

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“酒蔵だけでなく、酒屋さんに協力してもらうことによって広く認知し楽しんでもらう。蔵人、杜氏、酒屋が一緒になってラベルを張り箱に詰めて出荷しなければ飲む人の元へ届かない。
それは「飲む人」をより近く感じる事が出来ました”
と髙嶋さん。

鮮度がとても高いお酒だからだからこそ、その日に届けられる
静岡県の取引している酒屋だけに案内を出したそう。
あくまでもその日に売ってその日に飲んでもらうため。

それを知った名古屋の酒屋も翌年からは一軒参加。
なんと日付が変わるとともに名古屋を出て、瓶を箱に詰めるとをするとすぐに持ち帰る。
遠いのになぜ?と思うがこの言葉を聞いて納得。
“もちろん味も良いが、酒の中に入り込んでいる髙嶋さんに惚れ込んでこのお酒を届けたいと遠くても参加してます”
そこまでしても届けたいお酒なのだ。

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酒造と酒屋、酒屋同士など普段見られないコミュニケーションが
酒造りの場で行われている。

髙嶋酒造のコンセプトである“この地でしか作れない最高の地酒をコミュニケーションツールに”からさらにもう一歩、
作る“場”でもコミュニケーションが生まれていた。

別の酒屋さんに“朝早いですけど、やっぱり毎年来たいですか?”という野暮な質問をしてみると
“毎年来なくっちゃ一年が始まらないじゃない”と。

酒蔵と酒屋の信頼関係がおいしいお酒を飲む人へ届けていることを感じた。

作業のあいだ別室では奥さんたちが朝食の準備をしていた。
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この日は2種類のおにぎりと具だくさんのトン汁、と漬物。
シンプルだが奥さんたちの手作りの味は格別だ。

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“遠くは名古屋浜松から手伝ってもらうのでせめて朝食でもと喫茶去のようなものです”
その心温まるおもてなしは前日から下準備をし4時から作り出す。

杜氏も酒屋も同じ釜の飯を食べる。

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愛される酒蔵は愛されるお酒を作る。
お酒を愛する酒屋さんは、愛されるお酒を売る。
そんな朝の冷たい空気と一緒にすがすがしい気持ちのいい光景を見る事が出来た。

沼津ジャーナル取材チームは“速報ジャーナル”を試みた。
取材し、その場で編集、印刷、配布。
このお酒を買ってくれた方へ、朝に起きた特別な出来事を届けるために。
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富士山の日朝絞りはフレッシュで爽やかな香りの中に米の旨みがギュッと詰まったお酒。
魚料理全般に合うそう。

富士山の日という特別な日に、
静岡尽くしの特別なお酒を富士山を眺めながら飲む。
贅沢な1日は1年に一度。
気になる人はお酒を買う楽しみを酒屋さんで学んで、
酒蔵を身近に感じてほしい。

逃してしまった人はロットンでも飲むことが出来る。
一升しかないのでお早めに。

≪髙嶋酒造≫
沼津市原354-1
TEL:055-966-0018
http://www.hakuinmasamune.com/index.html

髙嶋酒造沼津ジャーナル記事→http://numazujournal.net/2013/09/takashimas/

写真:川上千絵

8時間後のミライのために~ハチエイチ~

ハチエイチは8時間後のミライを幸せにしようというコンセプトの元、
障がいを持つ方の作るプロダクトをプロデュースしている。

ハチエイチ=8H
“8時間”とは労働基準法で定められた時間。
つまりは働く時間。
「障がい者にも“働くこと”をもっとやりがいのある仕事にしたい」
とこの試みが始まった。

ハチエイチを運営する風間康寛さんにお話しを伺った。

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風間さんの3つの障がい者の子ども達の為の施設の代表理事をしている。
その中の1つ、エシカファームを訪れた。
約10人の障がいを持った子どもたちが楽しそうに勉強をしたり
遊んだりしていた。

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ある日、1人のシングルマザーのお母さんに言われた願いから風間さんは障がいを持った子どものための託児施設を作ったという。
”学校が終わっても見てくれる場所が欲しい。そうしないと働いてこの子を育てることが出来ないのです”
障がいを持つ子どもにとって、1人で待つことや、バスや電車に乗って学童保育に行くことは難しい。
そこで学校へ迎えに行って母親の仕事が終わるまで学童保育をすることにした。

最初はアパートの一室から。
たった一人のお母さんの要望に応えた。
そして同じ思いをするお母さんたちからの声もあり
今では3箇所になった。

ダウン症など見た目にわかる障がいをもった子どももいれば、
自閉症の子どもなど見た目には分からない子どももいる。

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ここで遊ぶ子どもたちはみな自分を持ってい生きている。
社会に適応していないとかいるということではなく
“居心地”の良い場所がどこか。
それが大事だと風間さんはいう。

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自閉症の子どもにとっては大人数よりも少人数で学ぶほうがよりよい。
誰しもが集団行動をしないといけないわけではない。

だが、”ふつう”とちょっと違うのでは?と思った時母親は不安になる。
そして自分を責めたり、家族や周りの人がから責められることが多くあるそう。

“ふつう”ってなんなんだろう。
誰が決めることでもないし、当てはまる場所がなければ行くところがないのもおかしい。
エシカファームで遊ぶ子どもたちはみんな本当に可愛かった。

それでも母親は不安になる。
愛するわが子のミライを心配する。

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大丈夫だよといってもこの不安は消えない。
そんなお母さんたちに明るいミライを見せたい。
子ども達が素敵なプロダクトを作ることによって。
そうして「障がいのある方たちの働く場所(作業所)をサポートする事業」であるハチエイチが始まった。

この構想に賛同した八百屋レフズの小松さんが商品開発
デザインは富士山グッズを多く手掛けるグッバイマーケットの池ヶ谷さんと一緒に動き出した。

ハチエイチプロダクトを制作するクリエート太陽(沼津ジャーナル→http://numazujournal.net/2014/02/createtaiyo/)でも
一生懸命作業をし、素敵なプロダクトを作る場面に出会った。
今では企業からも依頼が来るそう。

障がいとか健常とか普通とか。
そんなことは関係ない。
“働くこと”は“楽しいこと”です。と笑顔で風間さんは言う。
誰しもがもつ権利をただ使っているだけ。

ロットンでも取り扱いのある
ハチエイチの商品はポストカードから椅子、石鹸などがある。
どれも丁寧に作らている。
手に取ってそのぬくもりを感じてほしい。

≪ハチエイチ≫
三島市松本293-12
http://8-h.jp/index.html

地域の魅力に触れて伝統を守る~ふじのくに美しく品格のある邑(むら)まつり~

2月23日(日)富士山の日にキラメッセ沼津でふじのくに美しく品格のある邑づくり連合による“ふじのくに美しく品格のある邑まつり”が開催された。

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会場は千本の菜の花で彩られ、一足先に春の訪れを感じさせる。
静岡県の農山漁村の個性ある食や工芸品や伝統芸能に触れる事が出来るイベントだ。

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そもそもタイトルにある“邑(むら)”
なかなか見ない漢字だ。
一般に「むら」と言えば市町村の「村」を使うが、行政的な区分ではなく、
地縁型ではない「目的型の新しいコミュニティを農山漁村に作りたい」という強い
思いから、人が多く集まるところという意味を持つ“邑(ゆう)”の字を用いているそう。
つまり、この“ふじのくに美しく品格のある邑づくり連合”は
誰もが憧れる農山漁村づくりを進めるため、個性的で美しい田園環境、自助・共助の精神に溢れた農村社会、
創意工夫を凝らした地域経済の視点から、持続的発展が見込まれる地域を“美しく品格のある邑(むら)”として認定し、PRしているのだ。
今回のこのイベントもその一つ。

小さな地域も、みんなで力を合わせれば魅力を広く伝えられる。
この“ふじのくに美しく品格のある邑連合”は静岡県の全部の35市町村と静岡県が会員となり
農山村漁村地域の魅力向上のお手伝いをしている。
現在、65邑が登録されている。

“農村景観の美しい場所、豊かな資源がある場所、伝統が残る場所は過疎化など社会影響で失われつつあります。
そこに光を当てていこう。そして多くの人に知ってもらい、来てもらい、楽しんでもらう。邑を応援してほしいです。
そうして地域の人たちの励みになったらいいなと思います”
そうお話しするのは静岡県交通基盤部農地局の八木嘉隆さん。

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この活動は要望がある限り続くそう。
逆を言えば、一人一人が邑に興味を持つことによって
“地域を守る”ことが出来るようになったら終わる。

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会場のステージでは普段ではそこに行かないと見ることのできない伝統的な舞が行われ注目を集めていた。

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その他、シカ肉やかぼちゃの麺など各邑のおすすめの一品が並び、
購入や試食をすることが出来た。

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そば打ちの実演を行っていたりと製品が出来上がるまでを楽しむのもひとつ。
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真ん中では2年前から始まったこの活動のロゴを決めるコンテスト(投票形式)や写真の展示、
子どもたちも楽しめる木で作るフォトフレームなどのワークショップスペースがあり
親子で楽しむ光景が見られた。

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邑というのは私たちが暮らしている本当に近くにある。
気付くか気づかないかで大きく生活も変わってくる。
ちょっと行けば顔の見える作物を食べる事が出来るし、
ちょっと行けば、思わず涙が出てしまいそうな美しい景色にも出会うことが出来る。

この恵まれた静岡を感じる事を“邑”は教えてくれるような気がした。

ふじのくに美しく品格のある邑づくり連合はイベントだけではなく
ホームページやスマートフォンアプリ、動画等で邑の魅力を伝えたりと、
いろいろな活動を行っている。
自分の住んでいる地域にはどんな“邑”があるのか。
県内にはどんな“邑”があるのかチェックしてみてはいかがだろうか。

《ふじのくに美しく品格のある邑づくり連合》
http://www.fujinokuni-mura.net/