Author Archives: 小松 浩二

香貫山を走る

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【2013年の記事です。現在は記事のサービスを施設で提供しておりません】

“今となっては生きていくために走らないといけない(笑)”

15年ほどサラリーマンをやっていた西堂路さん、あくまで趣味であったランニングだったが知人の勧めで湘南マラソンに参加、次第に仕事へとなっていく。
この日、香貫山を使って初めてのトレイルランが行われた。
トレイルランとはランニングスポーツの一種で、舗装路以外の山野を走るものをさす。引率するのは普段は都内や鎌倉を中心に活動を行っているかまくRUNの西堂路淳さん。
Nステこと沼津RUNNNING&SKILLS STATIONに集まったのはおよそ10名。
第1回目のわりには多い参加者だと西堂路さんは言う。

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“鎌倉で一番最初に始めたときは2~3人でしたからね。10人集まったのは素晴らしいですよ”

香貫山でトレイルしたい、走りたい、そんなニーズがあったのだろうか、言われてみればそれもそうだ。
こんな街中にある山だ、いままでトレイルしなかったほうが不思議と言えば不思議である。
ただし、ランニングのプロである西堂路さんが言うには決して楽な山ではないとのこと。
沼津アルプスの織り成す起伏は鎌倉の山にはないという。普段は軽装で登れる香貫山だけに意外である。

“安全で危ない山ではないのでそういう意味では初心者向きですが、正直しんどいなというのが第一印象です。アップダウンが続くので初めての人は誰でもウェルカムという山ではないですね”

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集まった10人は30分ほどの講習を受ける。
かかとから履くという正しいシューズの履き方、バックの選び方、救急セットなどの持ち物や飲み物について、二人一組になってハチマキを使用した捻挫対応方法など初心者でもわかりやすく、経験者にとっては目からうろこの内容だ。

講習が終わるとさっそく香貫山へ向けてスタートする、目指すは193mの山頂、芝住展望台。

“ランニング教室というかもう山に行ってしまったほうがいいんです、そのほうが楽しいんですよ。駿河湾とか景色もいいですしね”

Nステでは今後も継続してトレイルランを行っていく予定だという。
徐々に距離を伸ばし最終的には沼津アルプスの縦走が目標だ。参加資格はロードを60分程度継続して走れる方。あまり難しく考えずまずは体験を。
身体を動かす喜びを自然の中で感じようではないか。

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かまくRUN:http://www.kamakurun.jp/
沼津RUNNNING&SKILLS STATION:http://n-sta.com/

港と街をたのしむ方法

海、山、川。そして街。
そのすべての要素がバランスよく集まっており
自然と街の両方をたのしめるのが沼津。

明日はイベントが目白押しだ。
10時から沼津魚市場でライジングサンマフェスティバルが行われる。
また13時に沼津港を狐の嫁入り行列が行われる。
14時から上土朝日稲荷の前で挙式を見ることもできる。

休日、沼津港は全国から来る観光客の方で賑わい、車が止められない。
イベントの日は特に混み、明日も駐車場待に時間ががかかる事が予想される。

そこでおすすめなのが街中に車をとめて、バスで港へ行く方法。

街中の駐車場をまとめてみた。

≪沼津駅周辺MAP≫
沼津駅周辺駐車場

バスは沼津駅から出ている。
伊豆箱根バス→時刻表は★こちら

ロットンのある上土商店街はリバーサイド前に沼津港行きの無料シャトルバスもとまる。

無料シャトルバス→時刻表は★こちら

街中に車をとめ、バスやタクシーを利用。
駐車場を待つ時間にもう一つ。
沼津を感じてみてはどうだろう。

体力と時間に余裕があれば
港まで歩いてみるのも面白い。

海の幸を堪能したあとは、ショッピングやお茶をしに街にくりだしてみてはどうだろうか。

ロットンでも街の情報を知ることができる。
カヤックも貸し出している。
陸地を堪能したら、川から眺める街の景色も見てもらいたい。

ライジングサンマフェスティバル

今年も沼津魚市場でライジングサンマフェスティバルが行われる。

“復興したらいつかサンマフェスティバルみたいのをやりたいね”

イベントの発起人は2011年3月、仙台や気仙沼へ沼津から赴き被災地でボランティアスタッフとして1ヶ月ほど滞在した。
現地で壊滅的な港を見ていた地元の方からそんな言葉を聞いた。

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日本一の水揚げのある秋刀魚は、気仙沼の象徴だった。
いつか水揚げされたら…
いつかという夢物語に願いを込め宮城県の想いを持った人々と静岡のデザイナーなどが協力し手拭いを作った。
その手拭いこそがライジングサンマフェスティバルのはじまりである。

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秋の初めのこの季節、気仙沼ではお祭り騒ぎ(FESTIVAL)で秋刀魚を水揚げ(RISE)していること
秋刀魚が勢いよく水揚げされることが、気仙沼の復興の幕開け(rising sun)になるように。

そんな想いが込められた手ぬぐいは、その想いに共感した全国の方々の手に渡ることになる。

夢物語はその年の10月、現実へと動き出す。
崩壊した魚市場をなんとか再建し、船が入れるようになり秋刀魚の水揚げが始まったのだ。

気仙沼で水揚げされたサンマを
それまで家電製品など支援物資を送ってくれた沼津に送ろう。
この気仙沼の方の気持ちに応え沼津魚市場が場所を提供をした。

そんな港町と港町の想いがつながるイベント。

3回目を迎えるライジングサンマフェスティバル。
昨年から羽野水産、佐政水産など沼津の水産会社が買い取った秋刀魚をチャリティーとして提供するようになった。

気仙沼の方の求めているモノってなんだろうと確認をすると、
毎年
「忘れないでほしい」
と答えが返ってくる。

今年の支援金は、気仙沼の子供たちや高校生の活動に支援する。
我々同じ港街として共に笑顔になる日々を共有していけたらと思う。

同じ日に気仙沼でもサンマフェスティバルが行われる。
港と港のサンマリレー。

【1回目のサンマフェスティバルが始まるまでと当日の動画】

10月6日(日)
10時〜13時半
沼津魚市場第一市場
限定1000尾
http://rising-sanma.org

自然と共に自転車のある風景

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“狩野川流域の自然豊かな風景が魅力だと思います”

会場となった伊豆の国市、中島運動公園は地元の物販のほかに、高知県四万十市からの出店などまさにお祭りといった感だ。
今年で14回目を迎えた狩野川100kmサイクリング。参加者は年々増え、今年は866名のエントリーとなった。そのうち、647名は大会名称にもなっている100kmコースへの参加者となっている。

“自転車のブームがマウンテンバイクからロードバイクに変わり、長く乗れる自転車が増えたこと。それに伴って狩野川も舗装されるようになって環境が整ったのもあると思います”

実行委員会のひとり、伊豆の国市観光協会の山下康晴さんは語る。富士山に向かって走る形になるのは北へ向かって流れる狩野川ならではのコースだ。大会は2日間行われ、3つのコースを選んで参加できる。

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“平坦で誰でも楽しめる大会ってこの辺りではなかなかないと思います”

伊豆の国ポタリングはファミリー向けのスタンプラリーコース。50kmコースは狩野川沿いを中心とした比較的平坦なコース。大会の名称にもなっている100kmコースは50kmコースに中伊豆地区・天城地区を加えた走りごたえのあるコースだ。大会は当時の大仁町が自転車にとって素晴らしい環境が整っているということで2000年から始めたもの。最年少は7歳、最年長は78歳と幅広い年代層に支持されている。

“6割ぐらいは県内の参加者ですが、一番遠くは佐賀県や大分県といった方がいますね”

県外からエントリーする参加者にとって、富士山はなんといっても魅力的だ。
富士山の見えるところに住んでいるとついつい見逃しがちになるが、狩野川と富士山、その豊かな自然と暖かい気候は伊豆の大きな魅力である。イベントを通じて伊豆の良さ、地域の良さを再発見する人も多いのではないだろうか?

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“100kmサイクリングは集大成なので、普段から自転車を楽しめる環境を整えていけたらいいなと思います”

100kmサイクリングの目指すところを山下さんは語る。
それは非日常的なイベントだけではなく、自転車のある風景を日常とすること。
自転車を通じて自分たちが住んでいる地域を知るということ。
快適な大会運営は参加者との一体感を生む。
そこにもやはり想いがある。

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伊豆の国市観光協会では誰でも気軽に自転車を楽しめるようレンタサイクルも行なっている。ルイガノ社製ミニベロなどおしゃれな自転車が1日500円でレンタルできる。伊豆長岡駅でレンタルし、自転車で狩野川沿いの風を感じるのはこの時期とてもおすすめだ。
http://www.izunotabi.com/cycle/

丹那から生まれた椅子

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“山も海も川も好きだし、自然に触れることが日常の100%を占めてますから本当に幸せですよね”

函南町の丹那盆地を拠点とする家具作家、近藤正樹。
彼の作りだす作品のモチーフとなるのはコブラ、エイ、羊などの生物が多い。
その理由について、彼は自身の少年期を振り返る。

“小さい時から動物図鑑が一番好きで。ほかの男の子は乗り物図鑑とか見てたんですけど、自分はボロボロになるまで動物図鑑を見てましたね”

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いまから5年前、車に寝袋や七輪を積んで工房の候補地を探す旅に出る。
候補としてあがったのは房総半島、三浦半島、伊豆半島。
旅は伊豆半島、下田から出発。3日目には今住んでいる丹那に行き着いた。
そして盆地にあった牛乳瓶の洗浄工場跡の建物に出会う。
ここは海に近くて山もあり、東京にもすぐ行ける。

“あまり人の多いところは得意ではないのでのんびりできるという意味でも丹那はいいですね。あとは現実的に都会じゃなくても仕事がやっていけるということですかね。むしろ田舎のほうが騒音やにおいの問題がなかったりとか。木工も機械を回すので都会ではうるさくてできないですよね”

埼玉県出身の彼は大学卒業後、飛騨高山で木工技術を習得。2008年にはアイルランドに渡り家具を制作。人口200人ぐらいの小さなまちだったという。

“アイルランドも牛飼いの町でしたし、高山も飛騨牛を生産していて、丹那も牛がいるでしょ。三ヶ所連続で牛つながりですね。偶然ですけど”

牛は偶然としても、田舎暮らしといった点では何か共通点が見いだせるかもしれない。

偶然出会った工場跡を仲間とリノベーションし工房がスタートする。

自然に恵まれた環境。彼の創造性豊かな作品はそんな環境から生み出される。
自然のサイクルの中で生まれたアイデアを形にする。

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“作品によってアプローチが違うんですけど、たとえば羊のときはアイデアスケッチしているときに筆が勝手にあの形に動いて。そうだ、羊だ!って思ったんです”

そんな近藤の椅子は現在Lot.nの正面ショーウィンドウに3脚展示販売されている。10月30日からはホームグラウンドである丹那、Kurubushi-baseで個展を開く。

“今まで個展というと東京でしかやったことなくて、ここでは初めてです。反応が楽しみですね”

都会の喧騒を離れ、丹那で作り上げられた椅子の数々。
椅子としての機能性、近藤正樹が生み出す独創性をこの機に体験してほしい。

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近藤正樹 椅子展
ANIMATURE@kurubushi-base
10月30日~11月5日
12:00~18:00
田方郡函南町丹那315-1
www.kurubushi-works.net
http://masakikondo.com

日本酒を楽しむということ

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今年で3回目を迎えた沼津日本酒フェスが9月21日に行われた。
会場を大手町会館からキラメッセぬまづに変更し、来場者も350名と増え、日本酒好きの集まるイベントとして定着した感もある。
青森から福岡まで28蔵の方が沼津に集まり、出品もあわせると40蔵のお酒が楽しめた。

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その日本酒フェスを主催するのが吉田町に店を構える丸茂芹澤酒店、大正13年から続く老舗である。

“定期的に沼津でやる試飲会ってほとんどないんで。地元でもやってみたいなと思って始めました。飲み比べるって家ではなかなかできないですしね”

そう語るのは三代目となる店主の芹澤直茂さん。
清酒、焼酎、ビール、リキュール各種そろえた店内。その中でも目を引くのはやはり日本酒の品揃えだ。
日本酒は軽い口当たりから味わい深い物まで幅広いタイプが100種類以上。
並んだ酒瓶のラベルを見ているだけでも気分が高まる。
芹澤さんは全国から仕入れた全てのお酒を試飲し、その出来を確認しているという。

“日本酒は幅が広いので各蔵の違いを楽しんでほしい。新酒には新酒の良さがあるし寝かせたお酒には寝かせた良さがある”

寝かせたお酒とはいわゆる古酒と呼ばれる琥珀色の日本酒だ。
厳密な規定はないが3年以上寝かせた日本酒を古酒と呼ぶらしい。
芹澤酒店には蔵で10年、店で20年寝かせた古酒がある。

“含まれる成分から違ってきますから味わいがまるで違います、銘柄によっても違いますから同じようにはできないですね”

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うう、日本酒好きにはたまらない話だ。
芹澤さんではこの手の話題に事欠かない。
自分の好みやその日の気分を伝えればすべてお任せで選んでくれる。

“作り手と話す機会は日ごろないじゃないですか?日本酒もそれぞれにストーリーがあるんです。それを知っていただきたいというのもあって日本酒フェスタをやっているんです。それに、みんなでワイワイ飲むのは楽しいじゃないですか”

そう、ここでも楽しむことが前提とされる。
“おいしい、楽しい経験をする。まずはそれが大事”
そう語った髙嶋酒造の髙嶋さんとどこか通ずるものがある。
作り手と売り手、立場は違えども日本酒に対する想い、地域に対する想いは変わらない。

日本酒は奥が深い。その分、ついつい有名銘柄で選んでしまう。
たまにはスーパーではなく、専門家である酒屋さんに相談しながら決めるというのはいかがだろうか。

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丸茂芹澤酒店
沼津市吉田町24-15
電話:055-931-1514

時代を見極める酒

白隠正宗を造る高嶋酒造は
原駅からほど近く
住宅の間にひっそりと酒蔵を構える。

蔵の横には酒で使用している“水”をくむことができ
地元の人がくる。
あまりに自然な光景にほっとする。

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今回、髙嶋酒造代表の髙嶋さんにお話しを伺った。
社長でもあり、杜氏でもある。
経営者が酒を造るのはめずらしい。
実際に高嶋酒造でも初めてのことだ。
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経営者と杜氏のどちらもをやるとどうなるか。
冬はほどんど外に出ることなく酒造りに専念。
酒造りが終わると全国の取引先や酒蔵を回る。
製造とマーケティングの両方をみることにより
より深く市場を理解できるし、想いを伝えられる。

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「市場があるように見えて、市場は自分たちで作っていく」

実は髙嶋酒造の日本酒は純米酒しか販売していない。
純米酒は高級酒だ。
普通酒と高級酒の比率は8:2。
高級酒の中でも純米酒さらに少なくなる。

10年前に今の社長に代替わりをし普通酒を造るのをやめていった。

どうしてそんなことをしたのか。
もちろん、”地方酒蔵が生き残るため”でもある。

でももう一つ、地酒の大切な役割があるという。
それは地酒は地元の食が見えるものということだ。

生産者とのつながり。
農とのつながる。

だからこそ突き詰めていくと米だけで作ったお酒になる。

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地元食材・食文化に合う。
それが大事なのだ。

お酒はコミュニケーションツール。
髙嶋酒造のお酒は
“だらだら長く飲める酒、一晩付き合える酒。”
料理を食べながら、そして香りも華やかすぎず
ずっと飲むことができる。
上質なお酒には上質なコミュニケーション。

日本酒を楽しむために必要なこと。

「おいしい、楽しい経験をする。まずはそれが大事。」
と髙嶋さんは言う。

スペックやうんちくではなく“感じる”ことから日本酒をたしなむ。
楽しいことから「違い」に気づき、調べる。

楽しい経験とともにこんな地酒があるんだと知ってほしい。

高嶋酒造

≪髙嶋酒造≫

人生を彩る夜

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沼津はバーを選ぶ楽しさがある。
以前にもそう書いたが、逆にどこへ行っていいか分からないとお嘆きの方も多いのではないだろうか?
“もっと気楽に”
そう答えていただいたのはFARAOのマスター、三島卓也さん。
その優しい笑顔に萎縮していた自分も安心感をおぼえた。

三島さんが店をオープンしたのは1986年。
“27~28年前はバーが少なくて、オーセンティックなバーってほとんどなかったですよね。ヴィクトリーさんとフランクさんぐらいで”
オープン当時の状況を教えていただく。
今となっては想像もつかないが当時はまだバーが少なかった。
“自分が一番若かったので先輩方にいろいろ教わって”
当時を懐かしむがごとく三島さんは話を続ける。
“そのうち後輩もついてきて徐々に膨れ上がったんです。そこから沼津、三島、富士といったように広がっていったんです”
なるほど!沼津のバーの歴史も面白い。

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三島さんがオープンに沼津を選んだ理由。
そのひとつが沼津の人々がもつ穏やかさだと言う。
“ゆったりとした人柄的なところは沼津の良さだと思います”
バーは人と人を繋げる場所だ。数多くの出会いがあり、そして別れもある。
つまるところ人生の縮図ともいえる場所だ。
“人が好きというか、人の集まりが好きで”
バーで働くことを選んだ理由を三島さんはこう答える。
ゆったりとした人の集まり、沼津らしさを表した言葉ではないだろうか?

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そんな三島さんの人柄もあってか、FARAOには地元の人も多く集まる。
決して飾らず、普段のまま、日常に溶け込み、人生を彩る。

こここには心温まるお酒と暖かい笑顔に出会える。

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BAR FARAO
沼津市大手町2-7-9 メゾンスルガ1F
電話:055-951-3181

沼津のバーを愉しむ

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“忙しかったんですけど気持ちいい仕事ができました。改めて見直したという人もいたり、反響の大きさにびっくりしましたね”
昨年の沼津自慢フェスタの感想をGATO BARの金子忠裕さんは語る。

干物の空箱で作られたバーカウンター、背面には“THIS IS NUMAZU”の文字。
その前に整然と並ぶバーテンダー達。
ベテランから若手まで勢ぞろいしたメンバー、その組み合わせに驚いた方もいただろう。

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“沼津の人たちに見せつけてやろうと思って”

その意気込みから沼津の“バー文化”を感じた瞬間だった。

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バーはその街の文化度を測る目安だ。

その街にどんなバーがあり、どんな人々が集まり、どんな使い方をしているのか?
バーをみれば街がわかる。

“バーテンダーは街のコンシェルジュです。そのためには私たちがまず沼津のことを知らなくてはいけない”

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バーテンダーの役割について金子さんは説明する。
“沼津再発見の案内役をバーテンダーが担えたらいい、沼津はポテンシャルをもっているんだから”

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日々のお店のことと共に金子さんの視線は自然と若手バーテンダーへと向く。
“自慢フェスタのような場所は若い人たちにとっていい経験。シンプルな動きを覚えてほしいですね”
日本バーテンダー協会の沼津支部長を務める金子さんは、ベテランと若手を繋ぐパイプ役も務める。
沼津のバー文化、その根本は選ぶ楽しさである。
オーセンティックなバーからカジュアルなバーまで、その幅広さが受け皿となり、多様性が文化となる。

大人たちが笑顔で集まれる場所、ゆるやかに流れる時間。
多くの方に沼津のバーを楽しんでいただきたい。

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GATO BAR
沼津市大手町2-3-1 Wiseビル1F
電話:055-963-2379

駿河湾にかぶりつく

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駿河湾では古くから底引き網(トロール)漁が行われ、
沼津港や戸田港にはトロール漁で獲れた深海魚が多く水揚げされている。
この深海魚を活かそうと誕生したのがぬまづトロフィッシュバーガーだ。
その定義はシンプルで、沼津で水揚げされた深海魚を使い、バーガー形式で食べること。
その中でも人気なのがバンデロールの“のっぽパン”を使ったトロフィッシュバーガーだ。

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静岡県東部にお住まいの方はのっぽパンといえばすぐにキリンのイラストが頭に浮かぶだろう。
ある年代の人には特別な想いを持つ方もいるのではないだろうか。
なぜなら、15時のおやつにのっぽパンと言えばご褒美だったからだ。
そこにはノスタルジックな思い出がある。

“三島なら三島コロッケ、富士宮なら富士宮やきそばがあったのに対して沼津は何もなかったんですよ”
トロフィッシュバーガーの開発を手掛けたバンデロールの佐野五男さんは言う。

“たまたま戸田の深海魚を使ったトロはんぺんを紹介していただいて、そのはんぺんを挟んだらどうかと思ったんです。のっぽパンと戸田のトロはんぺんを組み合わせてみようかと”

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もともと漁師の家庭料理として食されていたトロはんぺん。
それを細長いのっぽパンに合うように加工したのは戸田のツツミ水産だ。
“僕ら深海魚のことはぜんぜんわからないので加工してるツツミさんにお任せです”
それぞれの長所を合わせた結果、トロフィッシュバーガーが生まれた。
そこにはそれぞれの想いが詰まっている。

そのトロフィッシュバーガーを食べる機会が沼津自慢フェスタである。
昨年に引き続き出店するバンデロール、佐野さんは自慢フェスタへの意気込みを語る。

“沼津はのっぽパン誕生の地。トロフィッシュバーガーが少しでも沼津の自慢になるように協力していきたい”

沼津のソウルフードであるのっぽパン。
のっぽパンから生まれたトロフィッシュバーガー。
開発者の想い、こだわりを味わっていただきたい。

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バンデリ沼津駅ビル店
沼津市大手町1-1-1沼津駅ビル アントレ内
電話:055-963-2637