駿河湾にかぶりつく

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駿河湾では古くから底引き網(トロール)漁が行われ、
沼津港や戸田港にはトロール漁で獲れた深海魚が多く水揚げされている。
この深海魚を活かそうと誕生したのがぬまづトロフィッシュバーガーだ。
その定義はシンプルで、沼津で水揚げされた深海魚を使い、バーガー形式で食べること。
その中でも人気なのがバンデロールの“のっぽパン”を使ったトロフィッシュバーガーだ。

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静岡県東部にお住まいの方はのっぽパンといえばすぐにキリンのイラストが頭に浮かぶだろう。
ある年代の人には特別な想いを持つ方もいるのではないだろうか。
なぜなら、15時のおやつにのっぽパンと言えばご褒美だったからだ。
そこにはノスタルジックな思い出がある。

“三島なら三島コロッケ、富士宮なら富士宮やきそばがあったのに対して沼津は何もなかったんですよ”
トロフィッシュバーガーの開発を手掛けたバンデロールの佐野五男さんは言う。

“たまたま戸田の深海魚を使ったトロはんぺんを紹介していただいて、そのはんぺんを挟んだらどうかと思ったんです。のっぽパンと戸田のトロはんぺんを組み合わせてみようかと”

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もともと漁師の家庭料理として食されていたトロはんぺん。
それを細長いのっぽパンに合うように加工したのは戸田のツツミ水産だ。
“僕ら深海魚のことはぜんぜんわからないので加工してるツツミさんにお任せです”
それぞれの長所を合わせた結果、トロフィッシュバーガーが生まれた。
そこにはそれぞれの想いが詰まっている。

そのトロフィッシュバーガーを食べる機会が沼津自慢フェスタである。
昨年に引き続き出店するバンデロール、佐野さんは自慢フェスタへの意気込みを語る。

“沼津はのっぽパン誕生の地。トロフィッシュバーガーが少しでも沼津の自慢になるように協力していきたい”

沼津のソウルフードであるのっぽパン。
のっぽパンから生まれたトロフィッシュバーガー。
開発者の想い、こだわりを味わっていただきたい。

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バンデリ沼津駅ビル店
沼津市大手町1-1-1沼津駅ビル アントレ内
電話:055-963-2637

音楽の力に酔う夜

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“最初はステージもなく、後ろに看板があるだけだった。
バンドの設備もなかったので、あの頃はアコースティックでやったりして”

沼津自慢フェスタの1回目を知る歌手、CANARYはそう振り返る。
イベントやクラブなど幅広く活動するCANARY。
いまや沼津を代表する地元シンガーのひとりである。

“歌う以外になかった。文集とかにも「歌手になりたい」って書いてた”
物心ついたころには歌手を目指していた。
まさに生まれ持ってのシンガー、歌うために生まれてきた。

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趣味であったダンスを通じブラックミュージックに触れ95年頃から本格的に歌手活動を始めた。
ジャマイカやNYへの旅でスタジオワークなど音楽的経験を深める。
転機は沼津への帰省である。
藤沢や川崎、名古屋で過ごしていた彼女が地元である沼津に帰ってきたのは8年前。
その時に書いた曲が“Roots of my life ~沼津の歌~”である。

“春のあったかいSUNDAYは 香貫山でてっぺんで酒飲んで
桜の花びらのシャワーあび 歌い 騒ぎ・・・ってしたい
夏は千本で足つかって 波に向かって走って
「バカヤローッ!」って叫んで
狩野川の堤防にすわり でっかい花火みたい”

ストレートに表現された地元への愛情。
一度外から見たからこそ分かる沼津の良さ。

“何日かかけてではなく1日で出来ました。ドバっと出てきました(笑)”

作曲時の様子をCANARYはこう語る。
包括された豊かな音楽性、沼津に対する愛情、シンプルだからこそ伝わるメッセージ。
曲の持つ力はそのまま音楽の持つ力に昇華される。

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9月14日、今年も中央公園に“Roots of my life ~沼津の歌~”が流れる。
クレジットはCANARY with FRIENDS。バンド編成での登場だ。
“ここ1年でバンドとして定まってきた。レゲエだけでなくいろんな音楽を聴かせることができると思います”
本番へ向けてバンドはひとつになっている。
“自慢フェスタのお客さんは暖かくてものすごく楽しい。沼津愛は誰にも負けないんで会場を盛り上げたい”
ステージを心から楽しむCANARY。
歌の持つ力、バンドの力、音楽の持つ力を体験してほしい。

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『Humming Bird』
ICI Records
CBCA-001

すべてのルーツ

沼津駅南口をでて左手に行くと
ホテルアリアがある。
その1階に本格的なフレンチレストランとして、
またアラカルト1品から楽しめるバーとして15年の歴史をもつninoeというところがある。

沼津自慢フェスタの実行委員長を務める
オーナの橋本さんのお店である。

ソムリエ、バーテンダー、調理と3つの視点から飲食に携わっている橋本さんだからこその観点で
実行委員や出店者、お客さんたちと沼津の美酒、美食を愉しむ特別な空間を作り出す。

そして、もう一つの観点。
それは海藻押し葉アーティスト。

Ninoeは海辺を感じる海のサロンとして、伊豆の海で取れた海藻を使った“海藻アート”を楽しむことができる。
オーナーの橋本さんがなぜこの店をレストランバーだけでなく海藻アートのサロンとしたのか。

“日本一の深海を持つ駿河湾のある伊豆。
実は世界一海藻の種類が多い。”

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お店には橋本さんの海藻アート作品を飾っている。
このアートは浜辺に打ち上げられた様々な海藻を素材にした「押し葉」だ。

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どれも本当にきれいな色でまるで絵のようだ。
こんなにもきれいな色を海藻が持っていたなんて驚きである。
カラフルなものから幾何学的な模様を持つものまで。
一つとして同じものはない。
その海藻は丁寧にまた押し葉アートとして命を吹き込まれる。

なぜ、海藻押し葉をしようと思ったのか。
問いかけてみた。

「東京で働いたのち、地元に帰ってきた。
東京都比べると最新の情報が遅いかもしれないが
東京ではできないことをしたい。」

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そう思いとにかく地元を調べることにした。
徹底的調べる中で“海藻押し葉の本”に出会う。
作者は修善寺在住。
これが海藻アートとの出会いだった。

すべてのルーツがここ(海藻)にはある。
地球ができて、海ができて、プランクトンが生まれ、海藻がうまれ・・・
私たちやわたしたちを取り巻くものが生まれる。
この果てしない過去へ道にはロマンがある。

つまり野菜からワインまで元をたどれば
植物のルーツ、そう海藻なのだ。

東京にではできないこと。

海に5分でいける。
街中にいても海を感じる。

この海藻押し葉をやるようになり
仕事へのとりくみも変わったそう。
海、山の恵みを十分に理解し手をかけて提供する。
海藻が果たす役割、地球の現状、自然への関心などすべてにおいて”食”につながり
“海藻アート”を見ることで意識がかわる。

地元の資源を大切にする働き方、
地元らしい働き方は地元が持っている当たり前を見て見つかる。
そんな気がした。

沼津自慢フェスタ2013ではいろいろな「食」を通じていろいろな人が出店する。
その人にしかない個性。
形は違えど、地元を愛する人たちが集まってくる。
それがイベントを通じて具体的な形になり、出店者も参加者もより深まればいい。

「昨年の自慢フェスタも良い時間だった。
今年は“楽しい気持ち”をより多くの人に味わってもらいたい」
と一言をいただいた。

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≪Ninoe(ニノエ)≫
静岡県沼津市大手町2-4-8 ホテルアリア1F
営業時間:18:00~翌2:00 定休日:水曜日
tel:055-963-0031

戸田を味わい尽くす

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“発想は漁師の家庭料理です。もらった魚ですり身を作れば家庭の味になるんです”
へだトロはんぺんの元祖とも言えるツツミ水産の堤勝彦さんは語る。

日本で最も深い駿河湾。
戸田では約200メートルの深海に住むタカアシガニの底引き網(トロール)漁が盛んだ。
その漁で同時に獲れるトロボッチ(メヒカリ)やメギスなどの深海魚をすり身にし揚げたのがへだトロはんぺんだ。

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歴史を紐解くとディアナ号の沈没とも関係があるようだ。
1854年、安政東海地震による大津波で遠洋航海が不能となったロシアの軍艦、ディアナ号。
乗員500名は全員救出されて戸田に収容された。
ここで天城の木材を使用し日露共同による日本最初の洋式造船が始まったのだ。
この時、救出された500名の食を支えたのがへだトロはんぺんという。
以来、家庭の味として長く親しまれてきた。

“15年前、何か地元のものを使ったものができないかと思ったのが商品化の始まりです。
いまでは食堂や民宿など戸田に来れば食べることができます”
現在、へだトロはんぺんはご当地グルメとして認知されるようになった。
それは各地のイベントへ積極的に参加してきた結果でもある。
沼津自慢フェスタへの出店もそのひとつといえる。

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“へだトロはんぺん以外にもメヒカリのから揚げとかエビの味噌汁とかだしますよ”

さらにもう一つ、堤さんに関する商品が並ぶ。バンデロールのトロフィッシュバーガー。
沼津生まれののっぽパンにはさまれたトロはんぺん。そのトロはんぺんを手掛けるのがツツミ水産だ。

へだトロはんぺんとトロフィッシュバーガー。自慢フェスタでは戸田を堪能する組み合わせも可能だ。

“100%、駿河湾でとれた魚です!”
堤さんは自信を持って言う。日本で最も深い駿河湾。
駿河湾を感じる料理から目が離せない。

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ツツミ水産
沼津市戸田2938
電話:0558-94-4277
http://oyogu-himono.sakura.ne.jp/

至福を味わう時間〜山正〜

“至福の時を味わっていただきたい。”
山正のモットーをやさしいまなざしで語るのは大将の竹下さん。

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沼津駅からほど近く
店先には干物が干してある。
店内に入ってみると
カウンターには新鮮な海の幸。
そしてその後ろで真剣なまなざしで料理をする板前たち。
その臨場感に圧倒される。

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山正はもともと35年続く鮮魚店だった。
その鮮魚店で培った魚に対する知識、仕入れをもとに
おいしいもの作って提供したいと始まったのが8年前。

昼の定食でお父さんの作った干物を食べてもらうのが始まりだった。
今でもお父さんが店先で干物を干す姿を見ることができる。
この干物は買うこともできる。

さらに、今では昼は行列が絶えず、夜も予約でいっぱいの人気店になった。
地元の人や出張や観光で訪れた人たちで
ランチでは開店前に売り切れになってしまう時もある。
まさに「地元の人が自慢したくなる店」だ。

絶えず人気の理由。

おいしいものを食べて至福の時を味わいたい。
このシンプルな思いにこたえてくれる。

最近は女性一人で来店する人もいるそう。
お寿司屋さんに一人では少し入りにくいと思う人も多いかもしれない。
何を頼んだらいいかわからない時も、板前さんに相談してみると
おすすめで2~3品と握りなどその時の気分に応じて出してくれる。
女性スタッフの雰囲気も安心感がある。

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少し落ち着く夜の時間は会話を楽しむこともできる。
“楽しくやっているよ”と大将。
そんな言葉が納得できるお店の雰囲気。

“お子様連れでも、女性一人でも、家族でも、会社の人とでも
 食事を楽しみたいひとならどなたでもいらしてください。”

月一で遠方から訪れる人、記念日や誕生日に、
会社の人たちと日頃のねぎらいを込めて利用する。

厨房では忙しく夜の仕込みをしていた。
お客さんがどのような利用をするのかを考え
小分けにしたり大皿にしたりと一人ひとりに気を配っている。
ここには職人の心意気とお店の丁寧さがちゃんとある。

まさに“至福の時”を作っているところだった。

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山正は沼津自慢フェスタ2013のCENTER TABLEにも参加する。

山正
(ランチ) 11:30~14:00(LO 13:20)/(夜の部)17:30~23:00(LO 22:00)
日曜・祝日のみ20:30ラストオーダー※第3日曜 定休 臨時休業あり

静岡県沼津市平町3-14
Tel:055-963-0377

Link

9月6日。
狩野川バーベキューのプレイベントが行われた。
この日、狩野川では第一回目となる水辺のステージも開催された。

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4月から河川空間オープン化のための社会実験事業が始まった。
社会実験の第一弾でリバーサイドカフェ、第二弾でオープンステージ、
第三弾でバーベキューとなる。
今までにない新しい試み。

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今回のバーベキューはこの機材を使用してのみとなる。
河川敷を汚さないために配慮されている。

火を囲むように続々と人が集まってくる。

今回は周辺住民の方々にもバーベキューを体験してもらう。

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川からの気持ちの良い風と河川敷ならではの解放感。
いつもの仲間と囲むバーベキューはまた格別だ。

商店街の厳選素材に思わずこぼれる笑顔。

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川に人々が集い、くつろぎ、歌い、踊り、宴をし、大いに笑う。
こんな風景がいつまでも続くといい。

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かのがわ水辺のバーベキューは9月16日からスタートする。
詳しくはこの沼津ジャーナルでもお知らせする予定だ。

詳しくはロットンまで
055-919-1060 

 

 

潜る海、地上の海

大瀬崎は数知れたダイビングスポットである。

沼津の街中から車で約45分でその場所へ行ける。
沼津駅からは直通バスが1日2便、朝・夕と出発をする。

初めての方も気軽に日帰りでダイビングを体験できる。
そこで初めてダイビングする方々に同行してみた。

インストラクターの方にウエットスーツの着方から指導を受ける。
丁寧に機材の説明をうけ、実際にボンベを担ぐ。
約15kg。歩くのも一苦労だが水に入ってしまえばたちまち軽くなる。

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水の中で呼吸の仕方などを教わる。
ゴーグルに水が入ってしまったときがとても大変で悪戦苦闘。
一通りの動作にOKが出たところで実際に海へ入る。
インストラクターと手をつなぎながら行くので安心だ。

ちょっとお邪魔しますと、海の世界へ入っていく。
天候は曇りだったが
たくさんの魚たちが群れを成して泳いでいるのを見ることができた。
鯛やアジ、カラフルな魚、そしてウツボも口を大きく開き出迎えてくれた。
イカの大群は美しく、何時間でも見ていられそうだ。

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水中8mまで潜り天井を見上げる。
ほかの人の吐く息が水泡を作り、太陽の光と絡まりなんとも言えない美しい世界を作り出していた。
さっきまでの不安は嘘のように消え
まるでおとぎ話のような空間に浸り、自分が水中で息をしていることを忘れる。
地上では目にすることのない世界がそこには広がっている。

だが地上の世界の風景も捨てたもんではない。
時折顔を覗かせる富士山。
海の中から見る富士山とはなんて贅沢なんだろう。
と思いながら右に目をやるを今度は沼津の市街地が見える。

自分たちの住んでいるところを客観的に眺める。
なんとも不思議な気分だ。

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この大瀬崎。
実は水質検査日本一に2年連続で選ばれている。
このきれいな海は生まれ持った素質を持っているのだ。
北西の風が吹けば大瀬崎湾は荒れるが、外海は荒れていない。
逆に吹けば外海は荒れているが、大瀬崎湾は荒れていない。
大瀬の海は特別なことがない限りはいつでも楽しめる。
これがダイビングのメッカとなる一つの要因だという。

今回体験ダイビングでもお世話になったダイビングサービスをしているフジミの髙野さんにお話を伺った。

ダイビングが盛んになったり、水質が良いことが世間に広がる中で
このポテンシャルで30年前は40万人の観光客が来ていた。
沼津と大瀬をつなぐ船も出ていたそうだ。

ダイビング客が増えることによって
漁協とのトラブルもあったそうだ。

しかし、ダイビング界の重鎮たちも巻き込んで話し合いを繰り返し、
資源を取らないことや、カリキュラムの提示などの安全確保、潜水可能時間などを決め
両方にとっていい形が出来上がり、協定を結ぶことができた。

そして忘れてはならないのが
ここにあるダイビングサービスのこと。
ダイビングショップとはちがい現地でのサポートをする。

髙野さんのお父さんが約50年前に民宿として始めた。
生まれた時からここがあり、週末には自動的に大瀬に行っていた。
それから大人になり、今では後をついでフジミを切り盛りしている。

どんな役割なんですか?という問いに
「宿のおやじといった感じです。」
という髙野さん。

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食堂スペースには人が集まり
情報交換をしたり、髙野さんにいろいろと話を聞いたり。
宿を利用する人にはダイビング計画も提出してもらうので
ポイントや時間も把握。

さらに、大瀬が盛り上がるようにと
イベントの企画などにも携わっている。

準備はとても大変だし、プレッシャーもある。
それでもする。
「みんなが楽しんでくれているからいっかな」
さらりと言うこの言葉には髙野さんの大瀬の海に対する愛情が感じられた。

水質が良いのはなにか秘訣。
大瀬がたまたま地形的に良かった。
何もしなくても日本一になった。という。

だが、この資源を活かす人たちがいて
安心して私たちは海に入ることができる。

大瀬の海をめいいっぱい楽しみ
大切にすることが海に関わる方たちへの恩返しのような気がした。

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ダイビングの情報は現地や、沼津の街中ではLot.nでも入手することができる。
【現地への行き方】
 ○沼津駅南口から直通バス
 (■1日2往復・沼津発6:41・16:25 ■大瀬発8:20・18:02)

 ○東京~沼津I.C(1時間20分)~大瀬崎(50分)

≪フジミ≫
〒4410-0244 沼津市西浦江梨993
tel:055-942-3052

太陽を感じるドリンク

沼津自慢フェスタに狩野川に店をかまえるTHE BLUE WATERも出店をする。

ノンアルコールカクテルやソフトドリンクを提供。

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ここで注目したいのが
今回初登場となる“早摘みみかんジュース”

内浦の早摘みみかんを使用したオリジナルのジュースだ。
あまり聞きなれない早摘みみかん。
今回なぜこのみかんを使うことにしたのか、オーナーの天野さんにお話を伺った。

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「ふだんのドリンクをだしてもいいが、今回のイベントの趣旨として
 特別に地のものを使おうと思ったんです。でも今の時期フルーツはない。
 どうしようかなと。」

そんな時に良い偶然が起きた。
たまたまお店のスタッフの中に実家がみかん農家という方が2人いた。
そのときに話に上がったのがこの“早摘みみかん”。

8月の頭、実際に持ってきてもらい使用できるかを試すためジュースにした。
まだ青く、手のひらに楽々おさまってしまうかわいいサイズ。
炭酸で割り、シロップを入れて飲んでみた。
すごくおいしかった。
暑い日に、すきっと気持ちよい酸味とみかんの香り。
冬に食べるみかんとは全然違う良さがある。

みかんジュースよりもみかん“らしい”果実の味。

「オレンジ色に熟した甘いみかんを人は旬という。
でもこれは人間が勝手に決めた旬。
人間でもそう。10代だからまだ青くてだめということはない。
10代でも30代でも60代でもそれぞれに良さがある。
このみかんは青くて若くて勢いがある。」
と天野さんは言う。

熟してないからこそでる酸味、それは甘酸っぱい夏っぽい味。
まだ暑さの残るこの時期にぴったりだ。
夏の終わりへの名残惜しさと、これから実りの秋が来るわくわく感を味わえる、
今というシーズンの空気がそのままでているこのジュース。

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みかん畑にふりそそぐ8月の太陽を感じてほしい。

≪THE BLUE WATER≫
CLOTHING&CAFE 12:00-22:00
LOOM 12:00-23:00

沼津市魚町15
tel:055-951-0001

あしたか牛を支える力

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“あしたか牛は本当にうまいんです”
自信をもって語るのは渡邊精肉店の専務取締役、渡邊勝之さん。
創業以来、牛豚肉の加工から卸、小売、直営の焼肉店まで手掛ける渡邊精肉店。
思い出されるのは昨年の沼津自慢フェスタ、出店ブースの前にできた長蛇の列。
お目当てはあしたか牛の焼肉。
売り上げは出店した全店舗の中でトップだった。
1日20kg、3日間で60kg。用意した肉は2日目にはすべて売り切れた。

“普段から地元の人たちが飲食店であしたか牛を食べてくれている。
そういった積み重ねが自慢フェスタといったイベントの時に発揮されたと思うんですよ”

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あしたか牛は厳選された飼料により一定期間肥育することによって仕上られた高品質な牛。
豊かなコクのある風味が特徴である。

今となっては地元のブランド牛として確立されているが、14~15年前はそうではなかった。
そこにはあしたか牛推進協議会による地道な活動があった。
“最初は鳴かず飛ばずでしたよ、苦しい時代でした”
渡邊さんは当時をこう振り返る。

流れが変わったのは、世の中の地産地消の動き。
地元のモノを使おうとまず動いたのは飲食店の料理人。

“土台を作ってくれたのはあしたか牛を使ってくれている飲食店です。
多少コストがかかっても使ってくれているから徐々に浸透していった。
だから、こういったイベントの時でも食べてみようってなると思うんです”

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自慢フェスタに参加してない店も含めて普段からあしたか牛を使い続けている飲食店、
小売店、消費者の想いが昨年売り上げトップという結果に結びついた。
渡邊さんは冷静に分析する。

そんな渡邊さんが今年の意気込みを語る。
“今年は牛を半分用意します(笑)限定30枚でステーキ焼いちゃおうと思って”
なんと!焼肉に加え今年は限定でステーキを焼く予定だという。
あしたか牛のステーキ、肉好きにはたまらないご褒美だ。

早い者勝ちの予感漂う渡邊精肉店のステーキ。
これだけでも自慢フェスタに行く理由となるはずだ。

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渡邊精肉店
静岡県沼津市原345
電話:055-966-0140

御殿場高原ビール

“創業時から本場ドイツの製法を守り続けています”

1995年、かつては牧場だった御殿場市神山の広々とした敷地に、
静岡県初の地ビールとして誕生した御殿場高原ビール。
この地を選んだのには理由があった。

営業部部長の藤田さんは
「ここには富士山から60~70年かけて
濾過を繰り返した伏流水が届く井戸があるんです。
この水を使った新鮮なビールを毎日お届けしています」
と胸を張る。

富士山からの水の恵み。
御殿場と沼津は水でつながっているのだ。

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ビールづくりへの真摯な姿勢は、
地ビールとしては国内有数の生産量となり、
直営レストランの席数が1000席を超えた今も変わらない。

メインの地ビールレストラン「グランテーブル」では
発酵タンク・貯蔵タンクからサーバーまでパイプで直結している。
一度も空気に触れない新鮮なビールを提供したいという
こだわりが生んだ独自のシステムだ。

藤田さんの案内で仕込釜を見学させていただいた。
麦の香りがただよう中、真剣な表情で窯の様子を見守るのは、
醸造長の鮎澤さん。
なんと、ビール好きが昂じてビール職人に転身してしまったのだという。

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鮎澤さんは「ビールづくりは基礎をしっかり積み重ねることが大事。
すべての工程において、それこそ掃除まできっちりこなさないと
美味しいビールはできません。
ドイツから来たブラウマイスターに常に言われていたのは
“クリーンネス、クリーンネス、クリーンネス”でしたよ」と振り返る。

富士山の恵みを沼津と共有する御殿場から、
職人の思いが詰まったビールが沼津自慢フェスタ2013に届く。

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御殿場高原ビール
http://gkb.co.jp
御殿場市神山719
TEL.0550-87-5500