先日、Lot.nコミュニティスペースで沼津を拠点とするベアードビールのベアードブライアンさんと白隠正宗をつくる高嶋酒造の高嶋さんのトークライブが行われた。
沼津ラガーや白隠正宗を飲みながらの会。
オイルサバディ、黒はんぺん、各種調味料など
ロットンで扱う食品もおつまみとして。
世界から注目をされるベアードビール。
若手の杜氏として全国から注目される蔵元の高嶋酒造。
実はお二人のトークライブははじめて。
このトークを聞こうと、仕事帰りに東京からやってきた方もいた。
お二人に今まで、そしてこれからを語って頂いた。
ベアードさんは13年前にビールづくりをはじめた。
沼津港のそばのビルの2階。
そこは日本一小さなビール工場だった。
大手ビールメーカーのつくるキレのいいビールではなくバランスのとれた個性のあるビール。
そんなビールは初め、全く沼津の人に興味を持ってもらえなかった。
高嶋さんは、東京農大で醸造学を学ばれご実家に戻られる。
ご実家の酒蔵に入ると、今までのつくり方や意識に疑問を持ち始める。
しばらくすると酒造りを見直そうと29歳という若さで杜氏になり根本から酒造りを変えっていった。
でも沼津ではなかなか評価されない現実。
お二人がつくったお酒は沼津ではなく東京など県外の人たちから注目をされていく。
しかしお二人は地元をしっかりとみつめていた。
地酒、地ビールは
“地元の人でつくり、地元の素材でつくり、地元の食にあうようでならない”
富士山からの湧水を使い
地元の農産物を使い個性的な味わいを出していく。
地元の生産者のお米を多く使い、醸造アルコールを使わなくなっていく。
生産者に工場から出たホップを堆肥として畑で使ってもらう。
精米して出されるモノを堆肥にし稲作りに使ってもらう。
農を活かし農に還元するお二人の取り組み。
地域にこだわるのは
『循環』
という言葉に共通点があった。
以前、沼津西浦地区で自然農のパイオニアの高橋さんの畑へベアードさんと一緒に行った時のこと
カルフォニア出身で歴史学者のお父様を持つブライアンさんは、
物事の本質に向き合い、そして本物をつくる『職人』を気質を持つ日本のモノづくりの人々、
そして生産者を尊敬していたことを思い出した。
そしてお二人は世界も見つめたいた。
世界的なクラフトビールの市場の広がりを実感しているベアードビールは規模を拡大しより農に近い場所、修善寺で新しい工場が稼働する。
高嶋酒造は世界的な日本食の広がり、日本酒の味覚そして知識の成熟していく事を見越し、純米酒だけをつくり続けていく。
理念に向かっていくことは、とても大変なことだ。
途中で挫折してしまう方も多いが
強い理念を持ち行動し続けることで、まわりに共感者が多くなっていき、その理念により近づいていっているような印象を受けた。
“想い”からすべてがはじまる。
今回はシェフ、酒屋さん、干物屋さん、わさび漬け屋さん、行政の方などにもご参加して頂いた。
それぞれが地域をベースにした想いの強い方たちだった。
これからこの想いがカタチになっていくことが楽しみだ。
Lot.nのコミュニティスペースでは、このような想いを体感できるワークショップやトークライブを行う予定だ。
ぜひとも参加して頂き、この地域のヒト・モノを体感して頂きたい。
ビールを片手に。