緑をつなげる

Lot.n 店内の真ん中に立つ木。
カットされた木がいくつも重なり合い形を作っていく。
そこに数種類のグリーン。種類も形も色も違う植物が協調しあい素敵な空間を作り出す。
中にも入ることができ、小さな椅子とテーブル。
店内で販売しているベアードビールを片手に木の中でおしゃべりも。

この作品は函南で中村園芸を営む中村さんによって「大地からの愛」というテーマで作られた。

“植物を売って終わりではありません。売ってお客様の手に渡った時が始まりです。”
中村園芸のモットー。

根の付いた植物を販売する中村園芸では販売するときも販売した後も“何度でも”
グリーンアドバイザーの中村さんが質問に答えるという。

沼津ジャーナル中村園芸1

根の付いた植物は手をかけて育ててあげないと死んでしまう。
だけどどう育てていいかわからない、枯らしてしまって残念に思うことがある人も多いのではないだろうか。
そこに愛着をもって大切に育てることを教えてくれるのが中村さんなのだ。
中村さんの持つ専門的な技術をわかりやすく私たちに教えてくれる。

中村さんは洋物の植物を盆栽の技術と組み合わせることを得意としている。
それは“盆栽のバランスを使って植物を形作る”こと。
植物をただ植物として飾るのではなく空間を作り出す一部として手間暇をかける。
そうすることで自分の部屋の一部になり、愛着が湧く。自分だけの植物、自分だけの空間。

沼津ジャーナル中村園芸2

中村園芸として、緑を販売する商人としての中村さんにはもう一つの顔がある。
植物を育てる技術は一見何をやっているかわからない。
そのことを“中村康宏”として個人を売ることで知ってもらう。

その一つとして“Green PeoPle”がある。
その都度テーマがありそのことを考えながら作品をつくっていく。
作品は中村さんのテーマへの感性、植物、会場とあいきわまって誰もが見入ってしまう。
中村さんは作品を生み出すために毎回何日も悩む。
そして毎回違う顔の作品が出来上がってくる。

“同じものは2つと作りたくない。”
2つとして同じものがない植物を扱う中村さんだからこそ。

中村園芸インタビュー

今回Lot.nの真ん中にも作品を作っていただいた。
中にはかわいい椅子が。
この中に入って時間を過ごすこともできる。

どうしてこの作品をつくったか。

Lot.nは町の中心となり人や物を結び付けていく。そのお店の幹を表しているそう。
“木の下ってみんな集まるじゃん。”
そう優しくおちゃめに答える中村さんの想いがLot.nに彩りを与えてくれている。

中村園芸
〒419-0124 静岡県田方郡函南町塚本575

営業時間 9:00~17:00
定休日
1月~3月 7月~9月は火曜日
4月~6月 10月~12月は無休
TEL:055-978-9424  FAX:055-978-1276

≪開催予定のイベント≫
2013年11月22日~25日
Green PeoPle vol.4 at cucurucu(三島市)
 

昼でも食べられる餃子

うなぎの名店、沼津うなよしで餃子が食べられる。
しかも沼津の特産“鯵”を使った餃子。

不思議だと思うが
半年前にデビューした“あじ餃子”はうなよしの代表するメニューの一つとなった。

そもそもなぜうなぎ屋で餃子なのだろうか。
沼津うなよしの大将、名古谷さんにお話しを聞いた。

「沼津の特産を活かせないか。と思ったのがきっかけです。
うなぎにはこだわらずにね。」

静岡県飲食業衛生同業組合の中ではじまったプロジェクト。

かつてアジによっても栄えた沼津。
そのアジに注目した。

ひものというイメージを一変してまずはつみれ団子をつくった。
さすがはプロ。とてもおいしくでき
ピーマンやしいたけに詰めて焼いたり、ハンバーグにしたり
いろいろ試行錯誤をしたうえにたどり着いたのが“餃子”だった。

なぜ”餃子”にたどり着いたのか。

うなよし2

「味はもちろん、子供からお年寄りまで人気が高いのが餃子。
だけどお昼に食べるにはちょっと・・・ためらってしまうのが餃子。
だからお昼にも食べれる餃子にこだわりました。
私自身も餃子が大好きなのに昼に食べられないのをなんとかできないかとおもっていたんだ。」
と古谷さん。このあじ餃子を作ることで自身もより楽しめるようになった。
ニンニクなしでもしっかりとした満足感と、魚臭さがなく肉のようなジューシー感。
ヘルシーに仕上げる野菜。どれをとっても研究し尽くされている。
さらに、もうひとつのこだわりが“タレをつけないでも食べられる”ことだ。
ひとつひとつ手作りで丁寧に作られている。

うなよし

地域と経験をいいバランスで。
あじぎょんには地域を超えた良さが詰まっている。

ネーミングを募集したり、
イラストを従業員に書いてもらったりと
周りを巻き込んでできたこの餃子。

静岡県飲食業衛生同業組合に加盟している店舗で出されている。
沼津うなよしでつくられた餃子は沼津のいろんなところで食べられている。
加盟しているスナックでも人気メニュー。
アレンジバリエーションの多い餃子は冬は鍋に入れたりと
各々の店で工夫されているものおもしろい。

地域にあるお店としてジャンルを超えた活動。
一流のお店だからできること、
組合での協力や盛り上げ力。

今回、このあじ餃子のあじぎょんは
沼津自慢フェスタ2013に登場した。

さらに今回はうなぎライスボールフライも。
沼津うなよし秘伝のたれがしみ込んだおにぎりにはしっかりとウナギがはいっており、
崩れないようにパン粉をまぶして揚げてある。
はじめはコロッケのサクサク感、そしてあとからうな丼を食べているような
満腹メニューである。

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自慢できるものを提供したい。
だからこのためにいろいろな努力をしている。
うなぎ屋として街に対してできること。
それを全力でやっている。
ひと手間を惜しまない、街に対しての想いが伝わってきた。

「沼津で安心して食べられる店を目指していきたい」
とのこと。
きれいにしてある厨房からは見えないところからもまごごろが伝わる。

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沼津うなよし
AM11:00~2:30 PM4:30~8:30 火曜日休み
〒410-0822
下香貫樋ノ口1712-3
tel:055-931-2131

丹那から生まれた椅子

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“山も海も川も好きだし、自然に触れることが日常の100%を占めてますから本当に幸せですよね”

函南町の丹那盆地を拠点とする家具作家、近藤正樹。
彼の作りだす作品のモチーフとなるのはコブラ、エイ、羊などの生物が多い。
その理由について、彼は自身の少年期を振り返る。

“小さい時から動物図鑑が一番好きで。ほかの男の子は乗り物図鑑とか見てたんですけど、自分はボロボロになるまで動物図鑑を見てましたね”

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いまから5年前、車に寝袋や七輪を積んで工房の候補地を探す旅に出る。
候補としてあがったのは房総半島、三浦半島、伊豆半島。
旅は伊豆半島、下田から出発。3日目には今住んでいる丹那に行き着いた。
そして盆地にあった牛乳瓶の洗浄工場跡の建物に出会う。
ここは海に近くて山もあり、東京にもすぐ行ける。

“あまり人の多いところは得意ではないのでのんびりできるという意味でも丹那はいいですね。あとは現実的に都会じゃなくても仕事がやっていけるということですかね。むしろ田舎のほうが騒音やにおいの問題がなかったりとか。木工も機械を回すので都会ではうるさくてできないですよね”

埼玉県出身の彼は大学卒業後、飛騨高山で木工技術を習得。2008年にはアイルランドに渡り家具を制作。人口200人ぐらいの小さなまちだったという。

“アイルランドも牛飼いの町でしたし、高山も飛騨牛を生産していて、丹那も牛がいるでしょ。三ヶ所連続で牛つながりですね。偶然ですけど”

牛は偶然としても、田舎暮らしといった点では何か共通点が見いだせるかもしれない。

偶然出会った工場跡を仲間とリノベーションし工房がスタートする。

自然に恵まれた環境。彼の創造性豊かな作品はそんな環境から生み出される。
自然のサイクルの中で生まれたアイデアを形にする。

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“作品によってアプローチが違うんですけど、たとえば羊のときはアイデアスケッチしているときに筆が勝手にあの形に動いて。そうだ、羊だ!って思ったんです”

そんな近藤の椅子は現在Lot.nの正面ショーウィンドウに3脚展示販売されている。10月30日からはホームグラウンドである丹那、Kurubushi-baseで個展を開く。

“今まで個展というと東京でしかやったことなくて、ここでは初めてです。反応が楽しみですね”

都会の喧騒を離れ、丹那で作り上げられた椅子の数々。
椅子としての機能性、近藤正樹が生み出す独創性をこの機に体験してほしい。

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近藤正樹 椅子展
ANIMATURE@kurubushi-base
10月30日~11月5日
12:00~18:00
田方郡函南町丹那315-1
www.kurubushi-works.net
http://masakikondo.com

日本酒を楽しむということ

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今年で3回目を迎えた沼津日本酒フェスが9月21日に行われた。
会場を大手町会館からキラメッセぬまづに変更し、来場者も350名と増え、日本酒好きの集まるイベントとして定着した感もある。
青森から福岡まで28蔵の方が沼津に集まり、出品もあわせると40蔵のお酒が楽しめた。

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その日本酒フェスを主催するのが吉田町に店を構える丸茂芹澤酒店、大正13年から続く老舗である。

“定期的に沼津でやる試飲会ってほとんどないんで。地元でもやってみたいなと思って始めました。飲み比べるって家ではなかなかできないですしね”

そう語るのは三代目となる店主の芹澤直茂さん。
清酒、焼酎、ビール、リキュール各種そろえた店内。その中でも目を引くのはやはり日本酒の品揃えだ。
日本酒は軽い口当たりから味わい深い物まで幅広いタイプが100種類以上。
並んだ酒瓶のラベルを見ているだけでも気分が高まる。
芹澤さんは全国から仕入れた全てのお酒を試飲し、その出来を確認しているという。

“日本酒は幅が広いので各蔵の違いを楽しんでほしい。新酒には新酒の良さがあるし寝かせたお酒には寝かせた良さがある”

寝かせたお酒とはいわゆる古酒と呼ばれる琥珀色の日本酒だ。
厳密な規定はないが3年以上寝かせた日本酒を古酒と呼ぶらしい。
芹澤酒店には蔵で10年、店で20年寝かせた古酒がある。

“含まれる成分から違ってきますから味わいがまるで違います、銘柄によっても違いますから同じようにはできないですね”

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うう、日本酒好きにはたまらない話だ。
芹澤さんではこの手の話題に事欠かない。
自分の好みやその日の気分を伝えればすべてお任せで選んでくれる。

“作り手と話す機会は日ごろないじゃないですか?日本酒もそれぞれにストーリーがあるんです。それを知っていただきたいというのもあって日本酒フェスタをやっているんです。それに、みんなでワイワイ飲むのは楽しいじゃないですか”

そう、ここでも楽しむことが前提とされる。
“おいしい、楽しい経験をする。まずはそれが大事”
そう語った髙嶋酒造の髙嶋さんとどこか通ずるものがある。
作り手と売り手、立場は違えども日本酒に対する想い、地域に対する想いは変わらない。

日本酒は奥が深い。その分、ついつい有名銘柄で選んでしまう。
たまにはスーパーではなく、専門家である酒屋さんに相談しながら決めるというのはいかがだろうか。

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丸茂芹澤酒店
沼津市吉田町24-15
電話:055-931-1514

恩返しのうた

各メディアでもおなじみとなった
沼津ご当地ソングを歌うミュージシャン、飯田徳孝さん。

飯田さんの抜群の歌唱力とわすれられないメロディー、そして沼津港のいろんなものが含まれた歌詞。
この絶妙なバランスがたまらない。
ニュースからお笑い番組まで全国のメディアに取り上げられ今や全国区。
各地から飯田さん目当てに沼津港に来る人もいるほどの人気ぶりだ。

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飯田さんは昔、ミュージシャンを目指していた頃もあったが
うまくはいかず会社員として働いていた。

転職した先が、ここ沼津魚仲買共同組合。

沼津魚仲買協同組合は沼津港の仲買人が中心となりできた組織。
組合事業として、保冷容器の開発・供給、冷蔵庫保管、トラック輸送協約等を行い、
仲買人の流通業務を支えている。
また、新鮮館や旬彩街など沼津港を中心とした港湾再開発プロジェクト等にも積極的に取り組んでいる。
ここで経理として働く飯田さん。
だが経理だけにとどまらない。

魚のことなど何も知らない飯田さんに
色々と親切に教えてくれたのが組合や商店街のみなさん。
温かく迎えてくれたみなさんとのつながりを大切に、
そして恩返ししたいという気持ちが
得意の「音楽」と結びつき、ご当地ソングが生まれた。

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一番最初にできた、「BIG BOX~沼津ひものの歌~」は
当初ひもの屋にたえずおいていたそうだ。
干物と一緒にCDをプレゼントしていた。
喜んでくれる人もいたが、そうでない人もいたそう。
だけど、自分には歌しかないと頑張って続けてた。

今も変わらず店先においてある。
ご飯やお土産を買った後、通りかかった時
自由に持ち帰れるように。
さらに、隅々まで沼津港を楽しんでもらいたい
その想いから、今は旬彩街の各店においてある。

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配布しているCDは
すべて飯田さんの手作業。
1枚1枚音源を入れたCD、コンビニのコピーで印刷したジャケット、
歌詞カードまで自らホッチキスでとめている。
これほどにも手間暇をかけてつくられたCDからは飯田さんの熱い思いが伝わってくる。

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少しでも気軽に、得した気分でお土産にしてほしい。という気持ちで
今までずっと無料で配ってきたCD。
現在はベスト盤が店先に並ぶ。
こちらももちろん無料。

「沼津だけが元気になるんじゃなくて、沼津から全国を元気にしたい。
なのでまだまだ歌います!」
と飯田さん。

今やいろいろなところから依頼もくるそう。
自分の夢をかなえながら、周りの人たちに支えられながら
飯田さんらしいこの町への恩返し。
これからも楽しみです。

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飯田さんのライブ風景はこちら

プロレス”から”

地域密着お茶の間プロレス。
それが沼津プロレスである。

「プロレス“で”街を元気にするのではなく、
プロレス“から”街を元気にする。」
そう語るのは沼津プロレス代表の高橋裕一郎さん。

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そもそも沼津プロレスがはじまったわけを聞いた。

祖母が力道山好きということもあり、
幼いころからプロレス好きだった高橋さん。
それは成長しても変わらず、好きなものといえば
「●●とプロレス」といったように
プロレス好きは変わらなかった。

プロレスが好きというだけで特にそれ以上の活動はなかったのだが
2002年に転機が訪れる。
友人の紹介で、プロミュージシャンでプロレスラーでもある矢口壹琅さんに出会ったのだ。
自身も音楽をやっている高橋さんと「音楽とプロレスを融合させて地域密着した何かをやりたいね」と盛り上がった。

その頃、大衆娯楽だったプロレスの人気は低迷。
ゴールデンタイムでプロレスが放映されることがなくなった。
そのプロレスを地方から応援しようと、まずはラジオ番組から始まり、多くの出会いに恵まれ
遂に沼津プロレスの旗揚げとなった。

素人では到底旗揚げなど出来るはずのないプロレス団体だが、
矢口壹琅さんがブッカーとなり選手とリングを用意し、
高橋さんは企画に専念。
構想から1年経った2006年9月、沼津プロレスの旗揚げとなった試合は
キラメッセぬまづを満員にした。

カテキングやヒラキングといったなんだかなじみのあるネーミング。
高橋さんの中でどんどんアイディアが湧いてくる。
沼津にはいくらでも“ネタ”がある。それほど沼津は素晴らしい街なのだ。

たとえばカテキング。
決めポーズはお茶の湯飲みをもっているジェスチャー。
そのほかのキャラクター、詳しくは選手名鑑で。

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「ふつうに好きなことをはじめただけ。
ただ、好きなことをするならだれかの為じゃないと。」
高橋さんは言う。

「プロレス」
大衆娯楽の王様とはいえ、みんなに受け入れられるわけではない。
だけど沼津プロレスは違う。
地域にちなんだなじみ深いキャラクターの名前、くすっと笑ってしまうイラスト、
地域イベントへの参加やバンド活動。
プロレスと距離のあった人でもぐっと近くなる存在。
プロレス“から”の幅広い活動、それが沼プロだ。
もちろん質の高い試合も自慢だ。

今年の沼津自慢フェスタにも沼津プロレス オールスターBANDが登場した。
大いに盛り上がる会場。
最後はみんなでダンス!会場が一体となっていた。

沼プロ自慢フェスタ

沼プロが居る所、笑顔があふれている。
それは、プロレス“から”の沼津、
地域密着お茶の間プロレスだからこそ。

プロレス“から”町おこし。

戦後、近所のみんながお茶の間の一つのテレビに集まり、
日本に元気を送ってくれたプロレスは、親子3世代、初めて見ても楽しめる、大道娯楽の王様。
沼津プロレスはまさにその“お茶の間”プロレスだ。

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~沼津プロレス情報~
沼プロ公式サイト

時代を見極める酒

白隠正宗を造る高嶋酒造は
原駅からほど近く
住宅の間にひっそりと酒蔵を構える。

蔵の横には酒で使用している“水”をくむことができ
地元の人がくる。
あまりに自然な光景にほっとする。

白隠正宗2

今回、髙嶋酒造代表の髙嶋さんにお話しを伺った。
社長でもあり、杜氏でもある。
経営者が酒を造るのはめずらしい。
実際に高嶋酒造でも初めてのことだ。
髙嶋酒造2

経営者と杜氏のどちらもをやるとどうなるか。
冬はほどんど外に出ることなく酒造りに専念。
酒造りが終わると全国の取引先や酒蔵を回る。
製造とマーケティングの両方をみることにより
より深く市場を理解できるし、想いを伝えられる。

髙嶋酒造3

「市場があるように見えて、市場は自分たちで作っていく」

実は髙嶋酒造の日本酒は純米酒しか販売していない。
純米酒は高級酒だ。
普通酒と高級酒の比率は8:2。
高級酒の中でも純米酒さらに少なくなる。

10年前に今の社長に代替わりをし普通酒を造るのをやめていった。

どうしてそんなことをしたのか。
もちろん、”地方酒蔵が生き残るため”でもある。

でももう一つ、地酒の大切な役割があるという。
それは地酒は地元の食が見えるものということだ。

生産者とのつながり。
農とのつながる。

だからこそ突き詰めていくと米だけで作ったお酒になる。

白隠正宗1

地元食材・食文化に合う。
それが大事なのだ。

お酒はコミュニケーションツール。
髙嶋酒造のお酒は
“だらだら長く飲める酒、一晩付き合える酒。”
料理を食べながら、そして香りも華やかすぎず
ずっと飲むことができる。
上質なお酒には上質なコミュニケーション。

日本酒を楽しむために必要なこと。

「おいしい、楽しい経験をする。まずはそれが大事。」
と髙嶋さんは言う。

スペックやうんちくではなく“感じる”ことから日本酒をたしなむ。
楽しいことから「違い」に気づき、調べる。

楽しい経験とともにこんな地酒があるんだと知ってほしい。

高嶋酒造

≪髙嶋酒造≫

人生を彩る夜

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沼津はバーを選ぶ楽しさがある。
以前にもそう書いたが、逆にどこへ行っていいか分からないとお嘆きの方も多いのではないだろうか?
“もっと気楽に”
そう答えていただいたのはFARAOのマスター、三島卓也さん。
その優しい笑顔に萎縮していた自分も安心感をおぼえた。

三島さんが店をオープンしたのは1986年。
“27~28年前はバーが少なくて、オーセンティックなバーってほとんどなかったですよね。ヴィクトリーさんとフランクさんぐらいで”
オープン当時の状況を教えていただく。
今となっては想像もつかないが当時はまだバーが少なかった。
“自分が一番若かったので先輩方にいろいろ教わって”
当時を懐かしむがごとく三島さんは話を続ける。
“そのうち後輩もついてきて徐々に膨れ上がったんです。そこから沼津、三島、富士といったように広がっていったんです”
なるほど!沼津のバーの歴史も面白い。

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三島さんがオープンに沼津を選んだ理由。
そのひとつが沼津の人々がもつ穏やかさだと言う。
“ゆったりとした人柄的なところは沼津の良さだと思います”
バーは人と人を繋げる場所だ。数多くの出会いがあり、そして別れもある。
つまるところ人生の縮図ともいえる場所だ。
“人が好きというか、人の集まりが好きで”
バーで働くことを選んだ理由を三島さんはこう答える。
ゆったりとした人の集まり、沼津らしさを表した言葉ではないだろうか?

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そんな三島さんの人柄もあってか、FARAOには地元の人も多く集まる。
決して飾らず、普段のまま、日常に溶け込み、人生を彩る。

こここには心温まるお酒と暖かい笑顔に出会える。

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BAR FARAO
沼津市大手町2-7-9 メゾンスルガ1F
電話:055-951-3181

沼津のバーを愉しむ

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“忙しかったんですけど気持ちいい仕事ができました。改めて見直したという人もいたり、反響の大きさにびっくりしましたね”
昨年の沼津自慢フェスタの感想をGATO BARの金子忠裕さんは語る。

干物の空箱で作られたバーカウンター、背面には“THIS IS NUMAZU”の文字。
その前に整然と並ぶバーテンダー達。
ベテランから若手まで勢ぞろいしたメンバー、その組み合わせに驚いた方もいただろう。

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“沼津の人たちに見せつけてやろうと思って”

その意気込みから沼津の“バー文化”を感じた瞬間だった。

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バーはその街の文化度を測る目安だ。

その街にどんなバーがあり、どんな人々が集まり、どんな使い方をしているのか?
バーをみれば街がわかる。

“バーテンダーは街のコンシェルジュです。そのためには私たちがまず沼津のことを知らなくてはいけない”

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バーテンダーの役割について金子さんは説明する。
“沼津再発見の案内役をバーテンダーが担えたらいい、沼津はポテンシャルをもっているんだから”

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日々のお店のことと共に金子さんの視線は自然と若手バーテンダーへと向く。
“自慢フェスタのような場所は若い人たちにとっていい経験。シンプルな動きを覚えてほしいですね”
日本バーテンダー協会の沼津支部長を務める金子さんは、ベテランと若手を繋ぐパイプ役も務める。
沼津のバー文化、その根本は選ぶ楽しさである。
オーセンティックなバーからカジュアルなバーまで、その幅広さが受け皿となり、多様性が文化となる。

大人たちが笑顔で集まれる場所、ゆるやかに流れる時間。
多くの方に沼津のバーを楽しんでいただきたい。

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GATO BAR
沼津市大手町2-3-1 Wiseビル1F
電話:055-963-2379

アンダーグラウンド

沼津のとあるBarを訪ねて沼津駅から10分ほど歩き大岡地区の住宅地に入っていく。
そこに一軒の家がある。
以前は外車を売っているお店の事務所だったところ。

中に入ってみると
アメリカンスタイルな店内。
カウンターとテーブル席がある。
奥にはDJブースも。

開店前。オーナーの金刺さんは快く出迎えてくれた。
ラジオステーションと名付けられたバーは開店してから19年経つ。

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オーセンティックなバーではなく
アンダーグランドなバー。

アンダーグランドといっても
クオリティーは約束されている。
ただ、いい意味で悪いヤツというか個性が強く
オーナーのスタイルを全面に感じられる。

そんなバーをアンダーグラウンドと金刺さんは呼ぶ。

たとえば、音楽通だったり、釣りのことをよく知っていたり。

金刺さんはディスコなどがどんどんなくなっていく中で
音楽を聴ける場所を作りたい。そこにはお酒もほしい。
そういう思いからバーをやることにした。

さらにいろんな近辺情報をつたえたいとういうことで
名前は「ラジオステーション」とした。

ちょっとラフなところで勉強してオーセンティックなバーにいくのもよい。
そんなきっかけにもなるバー。

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「バーをデートコースで使い分けていく感覚。
“今日はオーセンティックに。
今日はちょっとラフに。”
なんてファッションのようにバーを使わけてほしい」
と金刺さんは言う。

この感覚、かつてバーで出会った先輩たちに教わったそう。

「日によって、週によってバーを選んでもらって
その選択肢であり続けられるようなお店でありたい」

そして、そこにたまたま居合わせた人とのコミュニケーションが生まれる。
ふと気付けば隣のお客さんとも合流なんてことも。
その中ですっとほかのお客さんに目を配る。

バーテンダーは絶妙なバランスで
お店の空気を作り出す。その安心感もラジオステーションにはある。

オシャレをするようにバーを選ぶことをスタイルとする金指さん、
「いろんなバーに顔を出してほしい」
その言葉のとおり、自分のお店以外にもここがいいよと何件も話してくれた。

バーテンダーによって、同じカクテルでも味が違う。
一日一日ライブのような感覚で
その時しか味わえない時間を過ごせる場所。
一期一会にプラスα。
ちょっとラフなアンダーグラウンドだからこそ。

 

≪ラジオステnumazujournal_ラジオステーション2ーション≫
静岡県 沼津市大岡1705-11
定休日:火曜日
tel:055-951-6338