“発想は漁師の家庭料理です。もらった魚ですり身を作れば家庭の味になるんです”
へだトロはんぺんの元祖とも言えるツツミ水産の堤勝彦さんは語る。
日本で最も深い駿河湾。
戸田では約200メートルの深海に住むタカアシガニの底引き網(トロール)漁が盛んだ。
その漁で同時に獲れるトロボッチ(メヒカリ)やメギスなどの深海魚をすり身にし揚げたのがへだトロはんぺんだ。
歴史を紐解くとディアナ号の沈没とも関係があるようだ。
1854年、安政東海地震による大津波で遠洋航海が不能となったロシアの軍艦、ディアナ号。
乗員500名は全員救出されて戸田に収容された。
ここで天城の木材を使用し日露共同による日本最初の洋式造船が始まったのだ。
この時、救出された500名の食を支えたのがへだトロはんぺんという。
以来、家庭の味として長く親しまれてきた。
“15年前、何か地元のものを使ったものができないかと思ったのが商品化の始まりです。
いまでは食堂や民宿など戸田に来れば食べることができます”
現在、へだトロはんぺんはご当地グルメとして認知されるようになった。
それは各地のイベントへ積極的に参加してきた結果でもある。
沼津自慢フェスタへの出店もそのひとつといえる。
“へだトロはんぺん以外にもメヒカリのから揚げとかエビの味噌汁とかだしますよ”
さらにもう一つ、堤さんに関する商品が並ぶ。バンデロールのトロフィッシュバーガー。
沼津生まれののっぽパンにはさまれたトロはんぺん。そのトロはんぺんを手掛けるのがツツミ水産だ。
へだトロはんぺんとトロフィッシュバーガー。自慢フェスタでは戸田を堪能する組み合わせも可能だ。
“100%、駿河湾でとれた魚です!”
堤さんは自信を持って言う。日本で最も深い駿河湾。
駿河湾を感じる料理から目が離せない。
ツツミ水産
沼津市戸田2938
電話:0558-94-4277
http://oyogu-himono.sakura.ne.jp/