半島のじかん2014 ~松屋銀座デザインギャラリー1953 ~

半島振興法という法律がある。
この法律は、三方を海に囲まれ、平地に恵まれず、水資源が乏しい等、他の地域に比較して低位にある半島地域について、自立的発展及び地域住民の生活の向上並びに国土の均衡ある発展させる目的とし、国土交通省には半島振興室という部署を設けている。

半島地域の魅力を都市に暮らす人たちにも知ってもらうことを目的とした交流イベント「半島のじかん」を2011年より開催している。
3回目に当たる今回は、先月末から1ヶ月間、国土交通省と日本デザインコミッティーとの共同で、「半島と食」をテーマとした展示やデザインサロントークを松屋銀座で行っている。

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この取材は12月初旬に行われた。
メインは能登と伊豆で撮影、取材がされた。

日本一金目鯛が水揚げされる下田港、日本一天草が生産される土肥の八木沢海岸でところてんをつくる方、西伊豆田子の日本で唯一の塩かつおを製造しているカネサ鰹節商店へ。

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戸田では3ヶ所を取材。
日本唯一の高足がに職人は、駿河湾の魅力を語ってくれた。

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柑橘類の原種タチバナ、戸田は国内最北限となるの自生地。
タチバナも撮影。
この時、収穫された橘は、みなさんでジャムにしていた。

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日本一の塩を目指す戸田塩へも。
戸田塩の薦田会長とデザイナーさん。
展示に合わせリニューアルする戸田塩のパッケージの打ち合わせも。

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そして海から離れ伊豆の中央へ。
わさび田へ行き、カメラマン、デザイナー、コピーライターの方は生産者と話をしながら半島の表現方法のイメージを膨らましていた。

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伊豆の山の木を間伐し器などをつくる木工作家、有城さんの所へも。

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伊豆はこの取材の3日間、富士山がとてもきれいな時だった。

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景色もとてもよく、色鮮やかな伊豆日和。

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海と山が近く、交通が不便と言われるがその地域で資源を活かし食と携わる人々。

今まで都市が中心でそこから離れれば離れるほど情報もない利便性、田舎は価値をがないという相対的な関係だったのを見直し、価値を掘り起して評価し直したい。
そのテーマのもと取材がされていった。

“その場所でしか撮れないモノの存在感、その場の気、つく手の趣き、それらの内包されたものを撮って、現場で感じたリアルな状況から写真で半島を切り取った”
カメラマンの白井亮さんは言う。
最初はシチュエーションが伝わるように撮っていたが、モノ自体にフォーカスし撮っていったそうだ。

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《展示会場にて白井さん》

展示会場に行くと、いきいきとした半島の食が切り取られていた。

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アートディレクションは、日本デザインセンターの大黒大悟さん。
撮影した場所など具体的な言葉による説明はされていなかった。
ビジュアルでも特定の地域らしさのイメージを表していない。
あの美しかった富士山も、今回の展示では登場していない。

半島の普遍的価値を表現されて、地域らしさというより日本の文化が見えてくる。

入口に冊子が置いてあり、開いてみると一番はじめのページは戸田塩のみなさんだった。

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デザイナーの大黒さんは、戸田塩をつくる小屋に入り戸を開けた時、何か神々しいものを感じたそうだ。
その場にあった、とてもいい“気”を伝えられたらと、取材の時に言っていた。

こうして、会場では半島の何気ない日常、何気ない文化を多くの方に知って頂いている。

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出来上がった冊子を伊豆の取材先に持って行った。

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じっくりと自分たちの光景を確認し笑顔で
「素晴らしいですね」
と。

戸田塩のパッケージも大黒さんによってデザインされた。
戸田塩のとてもきれいな白を活かすデザイン。

菰田さんは、これからの活動にまた励みができたそうだ。

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《前のパッケージと比べる菰田さん》

会場の銀座松屋ではこの展示の期間、戸田塩を含め、全国の半島の食も購入する事ができる。

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デザイナーによって切り取られた“半島”にはまだまだ我々が気づいていない魅力的なものが多くあった。
我々地方の者も地域の食を「地産地消」という言葉だけで終わらせず、他の地域も知り客観的に自分の地域の食文化を見つめ直したいものだ。

【半島の台所 開催日】   
 <展示>
  平成26年1月29日(水)~2月25日(火) (2月18日(火)は18:30まで)
  期間中「半島と食」をテーマとした展示。

 <デザインサロントーク>
  クリエイターによる「半島の台所」制作エピソード、半島の食で地域活性化をはかる方々の話、生産者とクリエイターが語る半島の食のデザイン等について、下記日時にトークセッション。
  
  [ テーマ ] 半島の食をめぐるチャレンジ 
  [ 日 時 ] 平成26年2月15 日(土) 15:30~16:30
  [ 出 演 ] 中山 幹生氏 : 東京農業大学農山村支援センター学術研究員
          辻 悦子氏 : 企業組合でる・そーれ理事(津軽地域)
          豊田 玲子氏 : NPO法人風土計画代表理事(丹後地域)
          畦地 和也氏 : 黒潮町役場職員(幡多地域)

  [ テーマ ] 『半島のじかん2014 半島の台所』クリエイターがとらえた半島 
  [ 日 時 ] 平成26年2月15 日(土) 17:00~18:00
  [ 出 演 ] 大黒 大悟氏 : 「半島のじかん2014」グラフィックデザイナー
          是方 法光氏 : 「半島のじかん2014」コピーライター
          白井 亮氏 : 「半島のじかん2014」フォトグラファー
    
※ 入場は無料、申し込み不要。
   デザインサロントークは座席の数に限りあり(20名程度、先着順)。

【開催場所】
 松屋銀座7階・デザインギャラリー1953  
  http://designcommittee.jp/
 〒104-8130東京都中央区銀座3-6-1
    
【主催】 
 国土交通省、日本デザインコミッティー

【後援】 
 半島地域振興対策協議会、半島地域振興対策議会議長連絡協議会、全国半島振興市町村協議会
    

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