新仲見世を通り過ぎてすぐ十字路の角に店を構えるmota。
店の外にはテーブルとイス、常連さん達が仲良くコーヒーや会話を楽しむその姿にどこか外国の街角のような佇まいを感じる。
店内に入るとオーガニック素材の洋服や静岡県東部や伊豆といった地域の作家の作品が目に飛び込む。意識的に地元の作家のものを置いているそうだ。
motaの店主、加藤健一さんはこの商店街の出身。
7年前に店をオープンしたときから、友人や両親の知り合いまで自然と多くの人が集まった。
事実、この日も様々な人がお店を訪れていた。
“席も限られた小さいお店なので、お客さん同士が自然と仲良くなるんです”
自然発生的に人と人が繋がる。
それは加藤さんが当初から目指していたもの、この場所だからできることかもしれない。
加藤さんは高校卒業後、海外に行きたいとの想いでオーストラリアの牧場で働き始める。
その後、アメリカのサンフランシスコへと行くと日本料理店やスニーカー屋で働く。
日本に戻りお店を開こうと思った時、決めたこと。
“まず自分が興味のあるものを扱おう”
motaを始める際に詰め込んだもの、それは中学生のころに好きだったスケーターの文化や本場サンフランシスコで直接触れた文化だった。
それが店の個性となり多くの人を引き寄せる下地になっている。
個人のお店がその街の文化レベルを知る材料となる。
“意地でもお店を続けないといけない(笑)”
沼津が好きで沼津の街の変化を見てきた加藤さん、人通りが減っていると言われる現在だからこそmotaの重要性は増す。
街角でコーヒーや会話を楽しむ光景。この光景がそのまま沼津の文化になる。
若い人からお年寄りまで誰もが立ち寄れて仲良くなれる場所、沼津の街角に忽然と現れたメルティングポット。
メルティングポットとはさまざまな民族が集まり、文化的に溶け合っているアメリカの社会を形容して言う。
個性的なお店が集まることによって、いろいろな個性の人々が集まり、その多様性が魅力的な街になっていく。
自分が自分らしくいれる場所、それがmotaという店の本質だ。
≪mota≫
沼津市町方町2
TEL:055-963-1123