老舗を復活させた5代目の想い~Grandma~

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創業は明治34年、沼津御用邸にお菓子を納めていた名店として長く愛されていた旭園本店。
沼津市内で初めてカステラを販売した店ともいわれているが、今から15年前その長い歴史に幕を降ろし閉店した。その旭園本店が名前をグランマと変え、復活したのは昨年の10月。
開店時には復活を待ち望んだ多くのお客さんの長い行列が上土商店街にできた。

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“この場所ってケーキ屋としては致命的な立地条件で、駐車場もないし駅からも少し離れてるし、全然人が来てくれなかったらどうしようとか不安もありました”

そう語るのは旭園本店から数えて5代目となる店主の中川英俊さん。
子供の頃はパティシエになるのが嫌で寿司屋になりたかったそうだ。
それは年中無休で忙しく働く両親を見て育ったからだという。
幼かった中川さんの面倒を見てくれたのはお祖母さん、そんなお祖母さんへの想いもあってグランマという名前を付けたとのことだ。
神奈川や県内の洋菓子店で12~13年間の修業を積んだ中川さん。

“修行中は何度も逃げようと思っていました(笑)でも、両親が元気なうちに店を再開したかった。その想いだけです。それがなかったらとっくに辞めていました”

両親や祖母に対する想いがグランマを作り上げている。
それは自分を育ててくれた家族、そして沼津に対する感謝の気持ちである。

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“父親の代からひものサブレなどを作っていたんですが、目指すは沼津を発信できる和洋菓子屋なんです。沼津で生まれ育ったわけですから、沼津のものを県外に発信できるお店にしていきたいですね”

沼津の名物である干物の形をしたひものサブレは先代から親しまれていたもの。
また、地元のものを使いたいとグランマで使用するすべての塩を戸田の特産である戸田塩に変えた。
先日、戸田塩の会の会長の菰田さんがグランマを訪れた。

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菰田さんのお母さまは、旭園本店の常連客だった。
当時戸田村から沼津の街中に出た時は必ず旭園本店に寄りお土産を持って帰った。
そのお土産は菰田さんにとって、とても特別なものだったようだ。
そんな素敵な思い出を与えてくれた旭園本店が閉まった時はとても寂しかったそうだ。
時代は経てグランマとして復活し、その材料に自分たちが作った塩が使われる事になった。
“夢のようだ”と菰田さんは呟かれた。

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旭園本店の伝統を守りつつも地元の素材を使い新たな試みを模索する。
それは代々受け継がれていく店を守るという強い想い。そして、この地域への感謝の想いの現れだ。

お菓子というモノは、不思議な食べ物だ。
プレゼントされたお菓子のまわりには笑顔が溢れる。
グランマに買いに来る人は渡す人の事を考えているのか、ワクワクした表情をしている。
そして昔の楽しかった何気ない家族のイベントを思い出す方も多いようだ。

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代が変わっても旭園本店からのスピリッツも引き継がれ、
このお菓子は地域の人々を心豊かにさせてくれる。

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≪Grandma≫
沼津市上土町63
TEL:055-962-2588

老舗を復活させた5代目の想い~Grandma~」への1件のフィードバック

  1. まおまお

    旭園復活おめでとうございます!私も地元で育ったので、家での誕生日やクリスマス行事のケーキは、いつも旭園のバタークリームケーキでした(当時まだ生クリームよりバターの方が一般的だった?それともうちが貧乏σ(^^;))

    ただいつのまにか店が無くなってしまい、今さらながら、バタークリームケーキを作っているところに特注していました
    沼○朝日で貴店が旭園の後継と知り、子供の二十歳の誕生日だったので、そちらのケーキを注文しました
    (私もケーキ好きで市内の店を点々と食べ歩きしていますが)
    購入したガトーショコラは凝っていたので、びっくり、下のスポンジ?と上のクリームを付けて食べると非常においしかった!
    沼津でここまで凝っているケーキがあったのか?と思ったほどでした
    通常甘い、甘さ控えめ等の2種類しかないと思っていましたが、こう食べるとおいしいと言う手法は初めてでした
    また家族の誕生日に貴店で買わせてもらおうと思います。
    これからもガンバって下さい!

    沼津で一番ひどかったケーキ屋は市役所の裏の方で、いろいろな物が入っているが、味がバラバラで
    別々に食べた方がいいのでは?と言うしろ物でした

    旭園が無くなって、よく行ったのは、オペラがおいしかったヴォ○ラクテ、バタークリームケーキがおいしいサン○リヨン、味の濃いリ○。やはりケーキは死ぬほど甘くないと食べた気がしない・・・(^_^)v
    甘さは幸せ!

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