親子三代、86年間鶏一筋

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沼津市本町は東海道、沼津宿の本陣があり大いに賑わった場所だ。
かつて沼津映画劇場があった場所は江戸時代、杉本旅館という旅館だった。
また、芝居小屋なども立ち並んでいたそうだ。
本町の歴史を丁寧に説明していただいたのは鳥佐商店のご主人、泉勝久さん。
鳥佐は昭和2年から本町で鶏肉の専門店として営業している。

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“もともとは沼津駅前に鳥丑という鶏肉専門店だったんです”

鳥丑から泉さんのおじいさんにあたる佐一郎さんが独立、鳥佐商店として開業したそうだ。
専門店としてこれまで続いたのはやはり鶏肉に対するこだわりがあるからだ。
主力商品のひとつである鳥のもも肉は先代の頃から変わらず岩手県のあべどりを使っている。
あべどりは鶏肉特有の臭いが少なく、肉はピンク色で脂肪が少ないのが特徴だ。

“炭火で焼くと一番美味いですよね”

家庭で調理する場合はフライパンにオリーブオイルをひき、鶏肉に塩コショウして皮面からトロ火でじっくり20分ほど焼く。焼き色がついて火が通ったなと思ったらひっくり返して1分ほど焼き、あとは余熱で仕上げる。そうすることで皮はパリッとして中はふっくら出来上がる。
専門店だからこそ言える鶏肉のおいしい食べ方を教えていただいた。

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“こだわりをもってるお客さんがいてくれるから成り立つのかもしれません”

時代の変化とともに客層も変わっていった。
買い物の効率を求めるとスーパーなどで他のものと一緒に買ったほうがいい。
わざわざ鶏肉だけを買いに来る必要はないのかもしれない。
それでも、鳥佐には鶏肉だけを買い求めにお客さんが来る。
近所だけに限らず三島や函南、遠くは戸田や修善寺からもここの鶏肉を買いにやってくる。

“牛や豚を扱おうと思ったことは一度もありません。うちは鶏肉だけで勝負しています”

専門店として決してぶれないスタンス。
スタッフの活気あふれる店内に今日も客足が途絶えない。
商品もクリスマスにぴったりなひなどりを1羽まるごとだったり、
人気の焼き鳥はハツ、せせり、軟骨など常時10種類以上あり、産地が違うもの、鳥のあらゆる部位がある。
また調理方法によってはその場で切ってくれる。

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Lot.nの提供するバーベキュー食材は専門店から仕入れている。
鶏のもも肉は鳥佐商店からだ。

専門店を巡って買い物をすること。
厳選した鶏肉と教わった食べ方、食材の話を食卓で披露する。
その食事はまた美味しさを増すことだろう。

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鳥佐商店
沼津市本町21
電話:055-962-1241

鳥佐

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