白隠正宗を造る高嶋酒造は
原駅からほど近く
住宅の間にひっそりと酒蔵を構える。
蔵の横には酒で使用している“水”をくむことができ
地元の人がくる。
あまりに自然な光景にほっとする。
今回、髙嶋酒造代表の髙嶋さんにお話しを伺った。
社長でもあり、杜氏でもある。
経営者が酒を造るのはめずらしい。
実際に高嶋酒造でも初めてのことだ。
経営者と杜氏のどちらもをやるとどうなるか。
冬はほどんど外に出ることなく酒造りに専念。
酒造りが終わると全国の取引先や酒蔵を回る。
製造とマーケティングの両方をみることにより
より深く市場を理解できるし、想いを伝えられる。
「市場があるように見えて、市場は自分たちで作っていく」
実は髙嶋酒造の日本酒は純米酒しか販売していない。
純米酒は高級酒だ。
普通酒と高級酒の比率は8:2。
高級酒の中でも純米酒さらに少なくなる。
10年前に今の社長に代替わりをし普通酒を造るのをやめていった。
どうしてそんなことをしたのか。
もちろん、”地方酒蔵が生き残るため”でもある。
でももう一つ、地酒の大切な役割があるという。
それは地酒は地元の食が見えるものということだ。
生産者とのつながり。
農とのつながる。
だからこそ突き詰めていくと米だけで作ったお酒になる。
地元食材・食文化に合う。
それが大事なのだ。
お酒はコミュニケーションツール。
髙嶋酒造のお酒は
“だらだら長く飲める酒、一晩付き合える酒。”
料理を食べながら、そして香りも華やかすぎず
ずっと飲むことができる。
上質なお酒には上質なコミュニケーション。
日本酒を楽しむために必要なこと。
「おいしい、楽しい経験をする。まずはそれが大事。」
と髙嶋さんは言う。
スペックやうんちくではなく“感じる”ことから日本酒をたしなむ。
楽しいことから「違い」に気づき、調べる。
楽しい経験とともにこんな地酒があるんだと知ってほしい。