映像で沼津の魅力を知る~沼津ショートムービーフェスティバル~

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沼津ショートムービーフェスティバルをご存じだろうか?
沼津市の持つ魅力、「ぬまづのお宝100選」を題材とした10分以内のショートムービーを募集し、市内の映画館で入賞作品の上映を行うというもの。
市制施行90周年記念事業の一環で今回が初めての試みとなる。
これは映画等の撮影場所を誘致して地域活性、文化振興を図ろうというフィルム・コミッションの一部として行われたものだ。沼津市内が撮影地となり、沼津の魅力をPRする映像やそこに行ってみたくなるような映像をテーマにプロ、アマ問わず計15作品が集まった。
入賞した11作品は会場となったシネマサンシャイン沼津にて上映された。

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“上映会を文化センターや図書館でやろうという案もあったんですけど、やっぱり付加価値を付けたいと思いまして映画館でやったんです”

インタビューに答えていただいたのは沼津市観光交流課の尾和富美代さん。
今までにない形の企画だったのでどうなるのか不安だった面もあったそうだが当日は定員である150名で映画館は賑わった。
上映された11作品はどれも工夫を凝らした作品。それぞれの視点で沼津の魅力を伝えるものだ。そのなかから最優秀賞1作品、優秀賞5作品が選ばれた。

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優秀賞を獲得した「トライアングル」を制作した加藤悠人さんは大学時代に趣味で映像を制作、1年前に仕事の関係で沼津に来た。外から見た沼津をテーマに初めて沼津を訪れた人がどんなところに魅力を感じるかを作品にした。
同じく優秀賞の「御成橋物語」を制作したのは沼津プロレス代表の高橋裕一郎さん。ひとりの女性が沼津の街によって元気をもらい、成長していくというストーリー性を持たせた作品によって沼津の良さを知ってほしかったと高橋さんは言う。
最優秀賞は山本広気さん(NUPURI FILMS)。普段より映像制作の仕事を手掛ける山本さん。沼津で生まれ育った山本さんは今回のショートムービーフェスティバルをチャンスだと思ったそうだ。沼津の海、山や川、街など約40カ所を丁寧に映し出した作品。そこに注ぎ込まれた時間と情熱は圧倒的である。
審査委員長を務めた松竹チーフプロデューサーの石塚慶生さんの評によれば断トツの出来だったとのことだ。

“今まで沼津に住んでいてやっと恩返しができました”

山本さんからは最優秀賞の喜びと共に感謝の言葉がでる。

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今回入賞した11作品はすべてYouTubeで観ることができる。
画面に映る沼津の自然や街並み、沼津で暮らす人々はもちろん、映像を撮っている側の個性も楽しんでほしい。
どんな想いをもって映像を撮影しているのか、そんなことを考えながら観ていただきたい。
撮影者の想いと共に沼津の魅力を再発見できるに違いない。

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入賞作品は下記URLから見る事ができる。
http://www.youtube.com/user/numazucity/featured

photo by chiye kawakami

 

楽しむパワー~上土おかみさん会~

沼津駅南口からまっすぐ約10分歩くと現れるのは上土商店街。
毎月15日にはここで5年前から“稲荷市”が開催されている。

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実は45年前、毎月25日と26日に開かれていたとのこと。
稲荷市では各店の前で自分の商品じゃないものを売っていた。
“まるでキツネが化かすように”呉服屋では大根が、お菓子屋で衣類といったふうに。

この稲荷市を復活させた立役者、それが上土商店街の“あげつちおかみさん会”なのだ。
今回、インタビューを市川さんと内田さん、そして過去の写真提供を辻さんにご協力いただいた。

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→左が内田さん、右が市川さん

上土おかみさん会は発足して今年で20年になる。
浅草おかみさん会の富永会長が沼津に講演に来た際に上土商店街にもおかみさん会を作ろうとうことになったそう。
富永会長の“奥さんといって奥にいるのは違う。おかみさんといって前に出るのよ”という言葉。

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奥さん同士が集まって何かできないか。
この日から、おかみさんたちは、おかみさんたちならではの方法で上土商店街を盛り上げていくことになる。

まずは資金集め、ということでガレージセールや夏祭りなどでフリーマーケットを開催。
徐々に、クリスマスコンサートやビアガーデンをやることになる。

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→クリスマスにサンタさんを呼んで写真を撮るサービスは大盛況だったそう。

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当時、路上でビアガーデンをやるのに許可がいることを知らず、
大盛況の模様が新聞に掲載されてたことによって、警察から注意を受けたりした。
“もう慌てて翌日謝りにいったのよね、でもごめんなさいといったらそうですかってことで。
女性の力かしら(笑)それからは私有地の時計台の下でやるようになったの”
とにかくやってみるというおかみさんたちの行動力には驚く。

もともといろいろなところから上土商店街に嫁いできたおかみさんたち。
会員は「お店のおかみさん」というだけで、年齢もバラバラ。
この会によって縦・横のつながりも深くなった。

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最も特徴的なのがおかみさん会には“会長”がいない。
一人に責任がかからないように、長く、楽しく続けられるように。
皆が得意なことや詳しいこと、そのほかのコミュニティーなどを通じてがそれぞれの窓口になる。
たとえば市や公の場所からの依頼は、ご主人が振興会の会長をしている人、
子ども会などからの依頼は子どもが小さくその会に入っている人など様々なところから入ってくる。
また、無理強いもしない。
“ガチガチにしてたこともあったのよ。でもそれじゃあみんな辞めたくなっちゃうじゃない(笑)”

個人を大切にした組織作りを20年前からしていたおかみさん会。
だからこそ続く、だからこそ愛される。
そして、アイディアがカタチになっていく。

稲荷市も会議のなかでふと出た事を一度挑戦してみた。
その取り組みを、地元の新聞社記者が商店街の背景を含め取材をした。
稲荷市終了後、記事が新聞に出た。
その最後に“これからも続けてほしい”との言葉があったそう。

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“期待してもらっちゃったから、続けようってことになって。
そう言ってもらえて本当感謝よね。3月に開いて、4月を挟んで5月から毎月やるようになったのよ。”
そう市川さんと内田さんは笑顔で話していた。

毎月、稲荷市の報告会や次回への活動のために、会合を開くようになったそう。
そこでは、他県へ旅行へ行ったときに見つけたおいしいものや街中の情報などを交換。
こうしておかみさん会らしい感性でイベントや商店街を作り上げていく。

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→平成14年

そして必ず皆さんから出てくる言葉。
“楽しかったのよね~”

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→平成26年

楽しいという何よりも強い力とそれぞれの個性、
そして上土で商売をするおかみさんの心意気、そして女性ならではの感覚が街を明るくより活気づける。

寿太郎みかんワイン発表会

先週、沼津西浦特産の寿太郎みかんを使ったワインの発表会がクレマチスの丘のレストランで行われた。

このワインはJAなんすんが開発し平成13年から商品化され、13年間親しまれている。
実は3年前からマイナーチェンジを繰り返している。
甘さの調整をするため通常の寿太郎みかんと比べ貯蔵する期間を短くするなどニーズにあった味になるようにしている。
そして今年も味を整え新作のお披露目となった。

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今年からは、今までの寿太郎みかんワインに加え、スパークリングが登場。
飲み手の好みを聞き1年かけて開発された。

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すっきりと辛口。炭酸によってさわやかな柑橘の香りが料理にあう。

日本料理 tessennのひと皿とスパークリングワインで季節を愉しむ。

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JAなんすんの特産の素材をふんだんに使った料理。

現在は、プチヴェールが旬である事が料理からも知れた。

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このワインを企画したのは、営農生活部特販課のみなさん。
寿太郎みかんは2月~3月しか食べられない貴重なもの。
このワインにする事で一年間楽しめ、そして生のみかんの知名度もさらにあげられ、果樹の生産者に還元ができたらと商品企画の経緯を教えて頂いた。

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寿太郎みかんは、西浦の山田寿太郎さんの果樹園で昭和50年に発見され、その優秀さが認められ昭和59年7月に農林水産省の登録品種となった。
そして地域一丸となってこの寿太郎みかんを中心とし日本一の高品質みかん産地を目指した。

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寿太郎みかんは西浦地区にとって農業に明るい兆しを作った。
そんな想いが詰まったこのワイン。

その地域の物語がより伝わるように
今年からデザインもリニューアルされた。

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《寿太郎ワイン》

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《寿太郎ワインスパークリング》

寿のロゴが光り、おめでたい席に重宝しそうだ。
「ワンランク上の上質な時間を楽しんでもらえるようにデザインしました」
デザイナーの大蔵さんはそう笑顔で語られた。

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大蔵さんは沼津西高校芸術科の生徒のみなさんの作品をJAなんすんの商品にするコーディネートをしたりと、地域をデザインの力で盛り上げている一人だ。

このワインができた背景の物語を聞きながら食事は進む。

メインに旬野菜とあしたか牛のしゃぶしゃぶ。
肉と野菜の旨みをワインと一緒に。
この組み合わせにもスパークリングワインは合う。

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駿河湾に反射した太陽が燦々と降りそそぐ西浦のみかん畑、そこで寿太郎みかんの収穫を喜ぶ笑顔を思い浮かべワインを味わうのがおすすめだ。

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気軽にクルージング~千鳥観光汽船~

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豊かな自然に恵まれた沼津。海から体感できるスポットがあるのをご存じだろうか?

それは“駿河湾クルージング”

千鳥観光汽船が沼津港

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まず、チケットを買う。
チケット売り場は殺風景だが人情味のある港感が漂う空間。
冬場のクルージングで忘れてはいけないのが“カモメの餌”を買うこと。

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チケットと餌を持っていざ乗船。

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開放感あふれる野外デッキ、室内のあったかい席やバリアフリー客室などが完備されている
150人乗りの船舶だ。

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出発してからすぐ、
大型水門びゅうおへ向かうまでの景色も普段とは一味違う港の顔を見る事が出来る。

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→ボランティアガイドのおじさんがいってらっしゃいのサインを出してくれる。

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また、びゅうおを通過する瞬間この大きな水門を真下から見る迫力。
それだけでも楽しめる。

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そうしているうちに多くのカモメやトンビが船に近づいてきた。
最初はゆっくりとした速度で出発したホワイトマリンⅡ。

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餌(かっぱえびせん)を投げるとうまくキャッチしてくれたり、
隣の人はなんと手渡しで餌を挙げている。
そんな鳥とのコミュニケーションに大興奮の船内。

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“以前はカモメの餌やりはやってなかったんです。自分たちが遊びで餌をやりだしたんですよ。
最初は全然カモメも寄ってこなかったんですよ”
と土本さん。

渡り鳥のカモメ。秋から冬にかけてがシーズン。
寒い船の上だからこそ味わえるカモメとのふれあいがある。
こんなにも近くカモメを眺めることが出来るのも船の上だからこそだ。

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びゅうおをどんどん港が遠くなるにつれて“湾”を感じる風景に出会う。
伊豆の山々、沼津の町、富士山。そして遠くの雪をまとった南アルプスまでもが見える。
山に囲まれる体験が出来るのが駿河湾なのだ。

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カモメの餌やりが終わると船が時速を変えて走り出す。
水しぶきの中に虹が見えた。
下にある室内客船は水面と近いので迫力満点水しぶきを見ることが出来る。

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時速は30キロ、40キロと上がっていくたびに揺れや水しぶきが大きくなる。
漁船ではもっと早くもっと揺れる。ホワイトマリンも時速60キロまで出すことが出来る。

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海から見る街や山々は日頃陸地から見るよりもはるかに美しく見えた。
サンセットクルーズや貸切クルーズ、戸田までも交通機関としても楽しめるホワイトマリンⅡ。

“自分たちにとっては船の上の出来事は普通の事なんだけど、
カモメと触れ合ったり水しぶきがかかったりして楽しいという声を聞くとうれしい”
と山崎さんは言う。

美味しい港を味わった次は、美しくそして肌で感じる港を堪能してほしい。

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→左が土本さん、右が山崎さん

≪戸田運送船株式会社 ホワイトマリンⅡ≫
●戸田港乗り場
沼津市戸田313 TEL:0558-94-3323

●沼津港乗り場
沼津市千本港町128 TEL:055-963-6570
http://www.hedaunsousen.com/index.html

【駿河湾クルージング】
料金:大人/1,000円(中学生以上) ・小人/500円(小学生)
出航場所:沼津港
所要時間:約30分 ※時間は季節によって変わります。
※最少運航人員は5名様以上です。※悪天等により欠航する場合があります。

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Numazu is a city rich in natural beauty. Do you know there is a way to enjoy this from the ocean?

It’s the Suruga Bay cruise.

Today, we are taking Heda Overseas Transportation Company’s rapid boat White Marine II on a cruise.

The White Marine II is a public transportation vessel that connects Numazu Port, Heda Port and Toi Port. While the boat waits for its next scheduled time at each port, it operates as a cruise boat.
First you need to buy a ticket.
The ticket counter may look bleak, but there is the beauty and warmth of the port-side scenery.
And in winter time, you shouldn’t forget to buy food for the seagulls too.
Now it’s time to get on.
Our young captains will welcome you. Today’s captains are Mr. Yamazaki and Mr. Tsuchimoto.
The White Marine II has warm indoor seating for 150 passengers with barrier-free seats available. There is also a deck you can step out on to and feel the fresh air.
As soon as we leave the port, we get a different view from the ordinary at the big watergate View-O.
The volunteer guide sees us off with a “see you later” pose.
As we pass under the big water gate, we are off to have some fun.
Soon seabirds, such as seagulls and black kites, come flying close to the boat.
The boat travels slowly. Birds come to catch the food.
A passenger is even feeding birds from her hand.
The passenger’s excitement fills the air.
“We didn’t have this feeding service before. We started for fun. At first the bird didn’t even come close,” says Captain Tsuchimoto.

As we sail out into the ocean, we see the mountain ranges of Izu, the town of Numazu, and Mt. Fuji. Even farther out, you can even see the Southern Alps covered with snow.
Surround yourself with mountain scenery; it’s all possible at Suruga Bay.

As we finished the feeding time, the boat changed its speed.
The lower passenger seats had a powerful view so close to the water.
The boat shakes and splashes as its speeds up from 30 and 40 km per hour.
The White Marine II can reach a top speed of 60km per hour.
The town and mountains look even more beautiful when seen from the ocean.

White Marine II is also available as sunset cruiser, charter cruise, and as transportation to Heda.

“For us what we see on the boat is an everyday thing, but it’s great to hear guests enjoy the water and bird feeding,” says Captain Yamazaki.

After enjoying the rich tasting seafood at the port, come outside on the ocean to enjoy the beauty of nature from the water.
To the left is Captain Tsuchimoto, on the right is Captain Yamazaki.

< Heda Overseas Transportation Company White Marine II >
・Heda Port
313 Heda Numazu city TEL;0558-94-3323
・Numazu Port
128 Senbonminatocho Numazu city TEL:055-963-6570
http://www.hedaunsousen.com/index.html

【Suruga Bay Cruise】
charge: Adults/¥1000 (middle school and above)
Child/¥500 (elementary school)
Departure: Numazu Port
Planned time: 30 min.*time may vary seasonally

Mayuko Serizawa/Winnie Shiraishi

農家に生まれて~静岡ACT~

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ネオパーサ駿河湾沼津のすぐ下のビニールハウスで花の苗を育てている一軒の農家。
駿河湾を一望するロケーションでインタビューに答えていただいたのは大村園芸の大村篤行さん。
農家に生まれ、農業高校に通い、それ以降農業の担い手として花苗を育ててきた。
大村さんのような若い農業の担い手が集まるコミュニティがある。

12.15農林まつり①

静岡ACTと名付けられたこのコミュニティは沼津や三島といった県東部や伊豆の35歳以下の若い農家の集まりで現在は13名のメンバーが活動している。名前やメンバーを変えて10年以上続いているそうだ。
主な活動内容としては各地のイベントに出店して農産物の販売を行ったり、それに合わせて新しい商品の開発などもあるが、メインは月に一度行われる定例会での情報交換だと大村さんは言う。

“お互いに同じ悩みを抱えていたりしますから、集まってただお酒を飲んでいるだけでも励みになりますね”

農家に生まれて、親と共に働く、そこには悩みも多くあるという。
会社勤めとは違い、同僚と呼べる人間もいない。どちらかと言えば閉鎖的になる人間関係だからこそ静岡ACTのような人の繋がりが重要になってくる。

9.13定例会(試食検討)①

また、イベントに出店することにより普段はできない対面販売をできることが刺激になるそうだ。

“消費者の方に直接販売できるのはやっぱり楽しいですよね。農業をやっていて一番うれしいのは美味しいとか感想を直接聞いたときですからね”

花苗やお茶など生産する品目こそ違えども消費者の手に直接届ける喜びは一緒だ。
生産から販売まで関わることによって得られる充実感。
自分の仕事が社会のためになっていると感じることのできる瞬間は何よりも得難い喜びである。

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そんな静岡ACTは3月16日に行われるKANOGAWA LOCAL MARKETにも出店する。
販売するのはお茶や花苗、みかんや無農薬のレモンなど。次に食べた物を甘く感じさせるというミラクルフルーツも販売される。
この機会に未来を担う若手農家の情熱を体感していただきたい。

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狩野川河川空間がオープン化 ~狩野川ローカルマーケット~

2月末、河川空間が利用しやすくなる「都市・地域再生等利用区域」に狩野川の上土のエリアが中部地方で初めて指定され、中部地方整備局の五十嵐河川部長から栗原市長が指定書の伝達を受けた。

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昨年から河川敷で社会実験事業がスタートし、指定書を受けた今年4月からは“かのがわ 風のテラス”として本格的に河川空間を利用することができる。

そのプレイベントとして3月16日(日)に狩野川ローカルマーケットが開催される。

 
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この日、狩野川には~川がつなぐ“食”と“ひと”~テーマに
山のもの、畑のもの、海のもの、その生産者たち、街の飲食店、花屋、古本屋も出店し、この地域ならではのマーケットが現れる。

天城の山の生産者から沼津港の水産業者まで、狩野川がつなぐ食を購入し食材はBBQ台で焼くこともできる。
ワークショップは、ベビーマッサージからカヤック、スプーンづくりまで赤ちゃんから大人まで楽しめる。
水辺のステージでは、全米のダンス大会で優勝をした加藤学園のチアリーダ部からジャズシンガーまで集まる。

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~ 川がつなぐ“食”と“ひと” ~

3月16日(日) 10:00~14:30
@風のテラス (沼津市上土町 狩野川右岸階段堤)
雨天時:場所変更

■川がつなぐマーケット
・野菜・山葵・麦豚のソーセージ・天城軍鶏・沼津地酒・はちみつ・サバ製品・干物・卵
・沼津地酒・焼き菓子 フラワーショップ・古本屋

■BBQ
購入した食材を焼いてお召し上がり頂けます。
・Free焼き台 どなたでも焼けます。
・予約BBQ台 (お問い合わせ:Lot.n 055-919-1060)

■ワークショップ
• 体験カヤック :Lot.n
・植物で世界をつくろう : 中村園芸
・銅を叩いてスプーンづくり :小野銅工店
・木を削ってスプーンづくり :ありしろ道具店
・ペインティング
・けん玉で遊ぼう!

■水辺のステージ
10:00~ numazooラジオ
11:15~ 大道芸
11:50~ 加藤学園 チアリーディング部
12:15~ 音楽村ステージ

授乳スペース有り

【狩野川ローカルマーケットHP】
http://kanogawa-life.jp/market.html

上土商店街にきつねを出現させる!?~Fox’s make Team(フォックスメイクチーム)~

沼津にある上土商店街ではきつねの嫁入りが年に一度開かれる。
その日、町中がキツネになる。

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この光景が出来上がるまでにはあるチームの存在が必要不可欠だ。
それが“Fox’s make Team(フォックスメイクチーム)”だ。

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当初、きつねの嫁入りが開催されるときには結成はされていなかったこのチーム。
本格的にチームとして結成されたのは去年から。
以前は、商店街のおかみさん会がメインとなってメイクをしていたのだが
おかみさん会はほかにも仕事があり業務が多くなってしまったのを見た峯知美さん
(お母様がおかみさん会所属)がなんとか手伝いたいと思い有志でやることに。
固定のメンバーはおらず今は峯さんと鈴木さんのお二人を中心に動いている。

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≪左が鈴木さん、右が峯さん≫

はじめは美容学校などに声をかけ賛同してもらったものの、
やはり現役の美容師さんは土曜日は忙しくなかなか時間を作れなかった。

そこで幼稚園児の息子のクラスメイトのお母さんに声をかけることにした。
それが杉山さんだ。実は峯さんも鈴木さんも元美容師。
得意分野ということもあって、意気投合し鈴木さんも参加することに。

“子どもが生まれてからも美容の分野に携わっていられるのは面白いですね”
ママさんの友情から始まった活動は瞬く間に広がり
やってみたいと思う人が集まってきた。

行列参加者は上土商店街近辺が多いものの、
Fox’s make Teamには地域関係なく参加者が集まるそう。
美容の専門以外の方も多く集まり
メイクなんてしたことありません!という方も興味を持ってきてくれた。

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そのために、何度か講習会を開催したりし、
集まるのが難しい人のためにガイドブックを作ったりもした。

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このガイドブックはすべて手書き。丁寧さが伝わって、当日メイクをするのが楽しみになる。

前々回までは、一人が1パーツ、みんなで完成させていたが
前回からは一人で全パーツが出来るようになった。
メイクのレベルもどんどん上がっていく。

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毎年変化があり、追及している。
“追及していくとかなりリアルになっちゃってもっとかわいい方がなんて言われて(笑)”
と鈴木さん。

今年はどうしていこうかと、一年をかけて研究しているそう。
顔に書かれた名前やイラストも人気。

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“きつねコンテストというのが開かれるんですが、私がメイクした海外の方が優勝して。
 あなたにメイクしてもらったから、ありがとうと伝えに来てくれたのはすごくうれしかった” 

おかみさん会の助けになればと始めたメイクチームは
“助け”から“楽しみ”に変わり“やりがい”となった。

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参加する人たちの“縁”がさらに結婚する二人を幸せに包み込む。

誰でも参加OK。
狐の嫁入りのシーズンに募集がある。
ぜひ“あげつちきつねの嫁入りフェイスブックページ”をチェックしてもらいたい。

3月16日に行われる、狩野川ローカルマーケットでもFox’s make Teamは参加し、ペインティングでイベントを盛り上げる予定だ。

https://www.facebook.com/agetsuchi.kitsunenoyomeiri?fref=ts

昨年の様子はこちら→http://numazujournal.net/2013/10/kitsunenoyomeiri/

NUMAZU treasure hunting #9

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MIGRATORY BIRDS IN SURUGA BAY

N35° 03′ 49.2″  E138° 47′ 53.4″

一本の線のために~青木一香~

“最後の瞬間(時)に一本の線を描きたいの”

72歳とは思えない、チャーミングでやさしく美しい笑顔からは想像ができないほどの強く意志のある“ことば”
青木洋子改め、青木一香先生がおっしゃった。

書道の筆で書かれたいくつもの“線”が伝えるものは。。。
“線”の美しさにとりつかれるように、青木一香先生の作品は出来上がっていく。

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自宅兼、アトリエは一歩足を踏み入れると外観からは想像できない世界が広がる。
3つの部屋をつなげたというリビング兼ダイニング兼アトリエの床には“紙”が貼られている。
見渡してみると、廊下や扉、トイレの壁までも。
つまり、部屋中が青木一香の“作品”で作られているのだ。

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“居心地のいい空間にしたいんじゃない”
とおちゃめに答えるが壁を取り払い、紙を貼ってしまう大胆さには少々驚く。
大好きなもので作られた場所、これがお菓子だったらヘンデルとグレーテルみたい。

青木先生は東京芸術大学出身。
“うちはあまりお金持ちじゃなかったから大学は国立しか考えてなかった。そしたら美術の大学って一つしかないのよ!”
2浪して入った大学、浪人中は東京にある現代美術研究所で学んだ。
画材など何かとお金がかかる勉強に、いろいろなアルバイトをした。
だが、研究所で過ごした時間は恩師と盟友に巡り合うことができ、学生時代も研究所仲間とグループ展をした。

絵を描き、33歳の時に「海を描く現代絵画コンクール展」に入選。
自分の絵の道筋が見えてきたので沼津に拠点を移す。

毎年青木先生に絵を見せに来ていた美術大学を志望する一人の男性の声から、沼津に美術研究所を開くことにした。
沼津で美術大学に行く準備をする生徒たちが集まり、
42年間続いた研究所に通った生徒は延べ1200人。
沼津でも東京と同じレベルの勉強をして美術大学に臨むことが出来るように、近年まで研究所を続けた。

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≪美術研究室で生徒を教えている青木先生≫

沼津に与えた影響の大きい青木先生。
美術研究所、そして今は絵を発表する場をということでE・SPACEを沼津に作った。
沼津の美術界を支えたひとり。

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≪背景はE・SPACE内にあるBOXギャラリー。美術書なども並ぶ≫

“いろいろやっているようによく言われるんだけど、結構ストイックなのよ。
 本当はいろいろやりたいんだけど、そしたら絵を描く時間が無くなっちゃうでしょ?”

そして今。
青木一香として新しいステージへ。

絵は描いても描いてもゴールはない。
次はこうしようって、毎回迷いながら作品を作っていく。
絵を描き続けてきた青木先生の
常により良いものを、そして最後の瞬間(時)に描く一本を追い求める姿勢。
その勢いはとどまることを知らない。

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青木先生に影響された人に何人にも会ったが
アトリエを見て、作品を観て、そしてこれから歩き出す“青木一香”を目の前にしてわかったこと。
それは“青木一香”自身出すとんでもなくまっすぐで純粋な“線”に対する想い、
それが人々を動かしているということだ。

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“最後に納得いくものに会いたい。これ!って思えるような”
いくつになっても変わらない前向きな行動、
そして追及心。その瞬間を共に感じてみたい。

≪次回の個展≫
青木一香 Ikkoh Aoki
― 線の伝えるもの -
2014年3月17日(月)~22日(土)
11:00pm~7:00pm (最終日5:00pm迄)

場所:櫟画廊
東京都中央区銀座7-10-12第2柳屋ビルB1
TEL:03-3571-0347

≪E・SPACE≫
沼津市町方町61
TEL:055-926-3100

富田貴智展 - 日×∞=毎日 ―
3月9日(日)まで
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≪作家の富田貴智さん≫

ゆっくりと深呼吸をする場所~Su-Ha~

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カフェSu-Haのオーナー、榊原香さんが東京でのデザイン関係の仕事を辞め、地元である沼津に帰ってきて店をオープンさせてから10年が経った。
当初は10年続くとは思ってもいなかったそうだ。
いまでは沼津でアジア各国のいろいろな料理が楽しめるお店として沼津で貴重な存在になっている。

榊原さんはアジア料理というより‘アジアご飯’が好きだった。
夜デザートだけを食べられる場所にも行きたかった。
でも沼津にはそのような場所が無い。
だったら自分で場所を作っていこうとカフェSu-Haが始まるきっかけとなった。

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リラックスしてゆっくり深呼吸しながら料理を楽しんで頂きたい。
“吸ってはく”ように。
そんなコンセプトからスウハという店名が決まった。

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“毎日バタバタと忙しいんですけど、本当はゆったりとのんびりやりたいんですよ(笑)”

タイやベトナムなどテイストは現地のまま、洗練された食べやすいアジア料理を心掛けているという榊原さん。こだわりは料理の色彩や盛り付けにも表れている。その鮮やかでカラフルな色彩は見ているだけでも楽しい気持ちにさせてくれる。

また店内のインテリアや調度品もアジアな雰囲気にまとめられており、何度も訪れたくなるお店である。

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“アジアって調味料や野菜を足しながら自分好みの味にして食べる文化があるんですよね”

例えば、ご飯に砂糖をかけたりする独特な食べ方、その組み合わせの不思議さについてあれこれ言いながらみんなでワイワイ食べてもらいたいと榊原さんは言う。
慣れ親しんだ人との会話の材料になる、そんな料理。
食べることはもちろん、見た目も会話も楽しめる料理がSu-Haにはある。
そんな榊原さんの食に対する想いは≪fundish≫へと繋がる。
≪fundish≫は、アジアンにとらわれない料理の提案をしたいと思い、榊原さんが立ち上げた食のプロジェクト。
2~3ヶ月に一度のペースでイベントやコラボなど、その時々のテーマに合わせて料理を作ったり、ワークショップを開催している。

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“子供の頃から誰かのために料理を作ることが好きでした。ご飯を作ることは楽しんだよ、自由でいいんだよというのを知ってほしいですね”

決してとらわれることなくより自由な発想で食を楽しみたいと始めたこのプロジェクト。
榊原さんのそばにはいつでも魅力的な料理があり、多くの人が集まる。
食事が持つ本来の楽しさを多くの人に知ってほしい、榊原さんのそんな想いは10年前と変わらず現在進行形で進んでいる。

≪Su-Ha≫
沼津市下香貫前原1477-1 沼津石材株式会社2F
TEL:055-931-0956

写真:川上千絵