Author Archives: 佐伯

プロレス”から”

地域密着お茶の間プロレス。
それが沼津プロレスである。

「プロレス“で”街を元気にするのではなく、
プロレス“から”街を元気にする。」
そう語るのは沼津プロレス代表の高橋裕一郎さん。

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そもそも沼津プロレスがはじまったわけを聞いた。

祖母が力道山好きということもあり、
幼いころからプロレス好きだった高橋さん。
それは成長しても変わらず、好きなものといえば
「●●とプロレス」といったように
プロレス好きは変わらなかった。

プロレスが好きというだけで特にそれ以上の活動はなかったのだが
2002年に転機が訪れる。
友人の紹介で、プロミュージシャンでプロレスラーでもある矢口壹琅さんに出会ったのだ。
自身も音楽をやっている高橋さんと「音楽とプロレスを融合させて地域密着した何かをやりたいね」と盛り上がった。

その頃、大衆娯楽だったプロレスの人気は低迷。
ゴールデンタイムでプロレスが放映されることがなくなった。
そのプロレスを地方から応援しようと、まずはラジオ番組から始まり、多くの出会いに恵まれ
遂に沼津プロレスの旗揚げとなった。

素人では到底旗揚げなど出来るはずのないプロレス団体だが、
矢口壹琅さんがブッカーとなり選手とリングを用意し、
高橋さんは企画に専念。
構想から1年経った2006年9月、沼津プロレスの旗揚げとなった試合は
キラメッセぬまづを満員にした。

カテキングやヒラキングといったなんだかなじみのあるネーミング。
高橋さんの中でどんどんアイディアが湧いてくる。
沼津にはいくらでも“ネタ”がある。それほど沼津は素晴らしい街なのだ。

たとえばカテキング。
決めポーズはお茶の湯飲みをもっているジェスチャー。
そのほかのキャラクター、詳しくは選手名鑑で。

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「ふつうに好きなことをはじめただけ。
ただ、好きなことをするならだれかの為じゃないと。」
高橋さんは言う。

「プロレス」
大衆娯楽の王様とはいえ、みんなに受け入れられるわけではない。
だけど沼津プロレスは違う。
地域にちなんだなじみ深いキャラクターの名前、くすっと笑ってしまうイラスト、
地域イベントへの参加やバンド活動。
プロレスと距離のあった人でもぐっと近くなる存在。
プロレス“から”の幅広い活動、それが沼プロだ。
もちろん質の高い試合も自慢だ。

今年の沼津自慢フェスタにも沼津プロレス オールスターBANDが登場した。
大いに盛り上がる会場。
最後はみんなでダンス!会場が一体となっていた。

沼プロ自慢フェスタ

沼プロが居る所、笑顔があふれている。
それは、プロレス“から”の沼津、
地域密着お茶の間プロレスだからこそ。

プロレス“から”町おこし。

戦後、近所のみんながお茶の間の一つのテレビに集まり、
日本に元気を送ってくれたプロレスは、親子3世代、初めて見ても楽しめる、大道娯楽の王様。
沼津プロレスはまさにその“お茶の間”プロレスだ。

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~沼津プロレス情報~
沼プロ公式サイト

アンダーグラウンド

沼津のとあるBarを訪ねて沼津駅から10分ほど歩き大岡地区の住宅地に入っていく。
そこに一軒の家がある。
以前は外車を売っているお店の事務所だったところ。

中に入ってみると
アメリカンスタイルな店内。
カウンターとテーブル席がある。
奥にはDJブースも。

開店前。オーナーの金刺さんは快く出迎えてくれた。
ラジオステーションと名付けられたバーは開店してから19年経つ。

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オーセンティックなバーではなく
アンダーグランドなバー。

アンダーグランドといっても
クオリティーは約束されている。
ただ、いい意味で悪いヤツというか個性が強く
オーナーのスタイルを全面に感じられる。

そんなバーをアンダーグラウンドと金刺さんは呼ぶ。

たとえば、音楽通だったり、釣りのことをよく知っていたり。

金刺さんはディスコなどがどんどんなくなっていく中で
音楽を聴ける場所を作りたい。そこにはお酒もほしい。
そういう思いからバーをやることにした。

さらにいろんな近辺情報をつたえたいとういうことで
名前は「ラジオステーション」とした。

ちょっとラフなところで勉強してオーセンティックなバーにいくのもよい。
そんなきっかけにもなるバー。

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「バーをデートコースで使い分けていく感覚。
“今日はオーセンティックに。
今日はちょっとラフに。”
なんてファッションのようにバーを使わけてほしい」
と金刺さんは言う。

この感覚、かつてバーで出会った先輩たちに教わったそう。

「日によって、週によってバーを選んでもらって
その選択肢であり続けられるようなお店でありたい」

そして、そこにたまたま居合わせた人とのコミュニケーションが生まれる。
ふと気付けば隣のお客さんとも合流なんてことも。
その中ですっとほかのお客さんに目を配る。

バーテンダーは絶妙なバランスで
お店の空気を作り出す。その安心感もラジオステーションにはある。

オシャレをするようにバーを選ぶことをスタイルとする金指さん、
「いろんなバーに顔を出してほしい」
その言葉のとおり、自分のお店以外にもここがいいよと何件も話してくれた。

バーテンダーによって、同じカクテルでも味が違う。
一日一日ライブのような感覚で
その時しか味わえない時間を過ごせる場所。
一期一会にプラスα。
ちょっとラフなアンダーグラウンドだからこそ。

 

≪ラジオステnumazujournal_ラジオステーション2ーション≫
静岡県 沼津市大岡1705-11
定休日:火曜日
tel:055-951-6338

すべてのルーツ

沼津駅南口をでて左手に行くと
ホテルアリアがある。
その1階に本格的なフレンチレストランとして、
またアラカルト1品から楽しめるバーとして15年の歴史をもつninoeというところがある。

沼津自慢フェスタの実行委員長を務める
オーナの橋本さんのお店である。

ソムリエ、バーテンダー、調理と3つの視点から飲食に携わっている橋本さんだからこその観点で
実行委員や出店者、お客さんたちと沼津の美酒、美食を愉しむ特別な空間を作り出す。

そして、もう一つの観点。
それは海藻押し葉アーティスト。

Ninoeは海辺を感じる海のサロンとして、伊豆の海で取れた海藻を使った“海藻アート”を楽しむことができる。
オーナーの橋本さんがなぜこの店をレストランバーだけでなく海藻アートのサロンとしたのか。

“日本一の深海を持つ駿河湾のある伊豆。
実は世界一海藻の種類が多い。”

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お店には橋本さんの海藻アート作品を飾っている。
このアートは浜辺に打ち上げられた様々な海藻を素材にした「押し葉」だ。

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どれも本当にきれいな色でまるで絵のようだ。
こんなにもきれいな色を海藻が持っていたなんて驚きである。
カラフルなものから幾何学的な模様を持つものまで。
一つとして同じものはない。
その海藻は丁寧にまた押し葉アートとして命を吹き込まれる。

なぜ、海藻押し葉をしようと思ったのか。
問いかけてみた。

「東京で働いたのち、地元に帰ってきた。
東京都比べると最新の情報が遅いかもしれないが
東京ではできないことをしたい。」

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そう思いとにかく地元を調べることにした。
徹底的調べる中で“海藻押し葉の本”に出会う。
作者は修善寺在住。
これが海藻アートとの出会いだった。

すべてのルーツがここ(海藻)にはある。
地球ができて、海ができて、プランクトンが生まれ、海藻がうまれ・・・
私たちやわたしたちを取り巻くものが生まれる。
この果てしない過去へ道にはロマンがある。

つまり野菜からワインまで元をたどれば
植物のルーツ、そう海藻なのだ。

東京にではできないこと。

海に5分でいける。
街中にいても海を感じる。

この海藻押し葉をやるようになり
仕事へのとりくみも変わったそう。
海、山の恵みを十分に理解し手をかけて提供する。
海藻が果たす役割、地球の現状、自然への関心などすべてにおいて”食”につながり
“海藻アート”を見ることで意識がかわる。

地元の資源を大切にする働き方、
地元らしい働き方は地元が持っている当たり前を見て見つかる。
そんな気がした。

沼津自慢フェスタ2013ではいろいろな「食」を通じていろいろな人が出店する。
その人にしかない個性。
形は違えど、地元を愛する人たちが集まってくる。
それがイベントを通じて具体的な形になり、出店者も参加者もより深まればいい。

「昨年の自慢フェスタも良い時間だった。
今年は“楽しい気持ち”をより多くの人に味わってもらいたい」
と一言をいただいた。

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≪Ninoe(ニノエ)≫
静岡県沼津市大手町2-4-8 ホテルアリア1F
営業時間:18:00~翌2:00 定休日:水曜日
tel:055-963-0031

至福を味わう時間〜山正〜

“至福の時を味わっていただきたい。”
山正のモットーをやさしいまなざしで語るのは大将の竹下さん。

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沼津駅からほど近く
店先には干物が干してある。
店内に入ってみると
カウンターには新鮮な海の幸。
そしてその後ろで真剣なまなざしで料理をする板前たち。
その臨場感に圧倒される。

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山正はもともと35年続く鮮魚店だった。
その鮮魚店で培った魚に対する知識、仕入れをもとに
おいしいもの作って提供したいと始まったのが8年前。

昼の定食でお父さんの作った干物を食べてもらうのが始まりだった。
今でもお父さんが店先で干物を干す姿を見ることができる。
この干物は買うこともできる。

さらに、今では昼は行列が絶えず、夜も予約でいっぱいの人気店になった。
地元の人や出張や観光で訪れた人たちで
ランチでは開店前に売り切れになってしまう時もある。
まさに「地元の人が自慢したくなる店」だ。

絶えず人気の理由。

おいしいものを食べて至福の時を味わいたい。
このシンプルな思いにこたえてくれる。

最近は女性一人で来店する人もいるそう。
お寿司屋さんに一人では少し入りにくいと思う人も多いかもしれない。
何を頼んだらいいかわからない時も、板前さんに相談してみると
おすすめで2~3品と握りなどその時の気分に応じて出してくれる。
女性スタッフの雰囲気も安心感がある。

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少し落ち着く夜の時間は会話を楽しむこともできる。
“楽しくやっているよ”と大将。
そんな言葉が納得できるお店の雰囲気。

“お子様連れでも、女性一人でも、家族でも、会社の人とでも
 食事を楽しみたいひとならどなたでもいらしてください。”

月一で遠方から訪れる人、記念日や誕生日に、
会社の人たちと日頃のねぎらいを込めて利用する。

厨房では忙しく夜の仕込みをしていた。
お客さんがどのような利用をするのかを考え
小分けにしたり大皿にしたりと一人ひとりに気を配っている。
ここには職人の心意気とお店の丁寧さがちゃんとある。

まさに“至福の時”を作っているところだった。

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山正は沼津自慢フェスタ2013のCENTER TABLEにも参加する。

山正
(ランチ) 11:30~14:00(LO 13:20)/(夜の部)17:30~23:00(LO 22:00)
日曜・祝日のみ20:30ラストオーダー※第3日曜 定休 臨時休業あり

静岡県沼津市平町3-14
Tel:055-963-0377

潜る海、地上の海

大瀬崎は数知れたダイビングスポットである。

沼津の街中から車で約45分でその場所へ行ける。
沼津駅からは直通バスが1日2便、朝・夕と出発をする。

初めての方も気軽に日帰りでダイビングを体験できる。
そこで初めてダイビングする方々に同行してみた。

インストラクターの方にウエットスーツの着方から指導を受ける。
丁寧に機材の説明をうけ、実際にボンベを担ぐ。
約15kg。歩くのも一苦労だが水に入ってしまえばたちまち軽くなる。

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水の中で呼吸の仕方などを教わる。
ゴーグルに水が入ってしまったときがとても大変で悪戦苦闘。
一通りの動作にOKが出たところで実際に海へ入る。
インストラクターと手をつなぎながら行くので安心だ。

ちょっとお邪魔しますと、海の世界へ入っていく。
天候は曇りだったが
たくさんの魚たちが群れを成して泳いでいるのを見ることができた。
鯛やアジ、カラフルな魚、そしてウツボも口を大きく開き出迎えてくれた。
イカの大群は美しく、何時間でも見ていられそうだ。

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水中8mまで潜り天井を見上げる。
ほかの人の吐く息が水泡を作り、太陽の光と絡まりなんとも言えない美しい世界を作り出していた。
さっきまでの不安は嘘のように消え
まるでおとぎ話のような空間に浸り、自分が水中で息をしていることを忘れる。
地上では目にすることのない世界がそこには広がっている。

だが地上の世界の風景も捨てたもんではない。
時折顔を覗かせる富士山。
海の中から見る富士山とはなんて贅沢なんだろう。
と思いながら右に目をやるを今度は沼津の市街地が見える。

自分たちの住んでいるところを客観的に眺める。
なんとも不思議な気分だ。

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この大瀬崎。
実は水質検査日本一に2年連続で選ばれている。
このきれいな海は生まれ持った素質を持っているのだ。
北西の風が吹けば大瀬崎湾は荒れるが、外海は荒れていない。
逆に吹けば外海は荒れているが、大瀬崎湾は荒れていない。
大瀬の海は特別なことがない限りはいつでも楽しめる。
これがダイビングのメッカとなる一つの要因だという。

今回体験ダイビングでもお世話になったダイビングサービスをしているフジミの髙野さんにお話を伺った。

ダイビングが盛んになったり、水質が良いことが世間に広がる中で
このポテンシャルで30年前は40万人の観光客が来ていた。
沼津と大瀬をつなぐ船も出ていたそうだ。

ダイビング客が増えることによって
漁協とのトラブルもあったそうだ。

しかし、ダイビング界の重鎮たちも巻き込んで話し合いを繰り返し、
資源を取らないことや、カリキュラムの提示などの安全確保、潜水可能時間などを決め
両方にとっていい形が出来上がり、協定を結ぶことができた。

そして忘れてはならないのが
ここにあるダイビングサービスのこと。
ダイビングショップとはちがい現地でのサポートをする。

髙野さんのお父さんが約50年前に民宿として始めた。
生まれた時からここがあり、週末には自動的に大瀬に行っていた。
それから大人になり、今では後をついでフジミを切り盛りしている。

どんな役割なんですか?という問いに
「宿のおやじといった感じです。」
という髙野さん。

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食堂スペースには人が集まり
情報交換をしたり、髙野さんにいろいろと話を聞いたり。
宿を利用する人にはダイビング計画も提出してもらうので
ポイントや時間も把握。

さらに、大瀬が盛り上がるようにと
イベントの企画などにも携わっている。

準備はとても大変だし、プレッシャーもある。
それでもする。
「みんなが楽しんでくれているからいっかな」
さらりと言うこの言葉には髙野さんの大瀬の海に対する愛情が感じられた。

水質が良いのはなにか秘訣。
大瀬がたまたま地形的に良かった。
何もしなくても日本一になった。という。

だが、この資源を活かす人たちがいて
安心して私たちは海に入ることができる。

大瀬の海をめいいっぱい楽しみ
大切にすることが海に関わる方たちへの恩返しのような気がした。

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ダイビングの情報は現地や、沼津の街中ではLot.nでも入手することができる。
【現地への行き方】
 ○沼津駅南口から直通バス
 (■1日2往復・沼津発6:41・16:25 ■大瀬発8:20・18:02)

 ○東京~沼津I.C(1時間20分)~大瀬崎(50分)

≪フジミ≫
〒4410-0244 沼津市西浦江梨993
tel:055-942-3052

太陽を感じるドリンク

沼津自慢フェスタに狩野川に店をかまえるTHE BLUE WATERも出店をする。

ノンアルコールカクテルやソフトドリンクを提供。

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ここで注目したいのが
今回初登場となる“早摘みみかんジュース”

内浦の早摘みみかんを使用したオリジナルのジュースだ。
あまり聞きなれない早摘みみかん。
今回なぜこのみかんを使うことにしたのか、オーナーの天野さんにお話を伺った。

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「ふだんのドリンクをだしてもいいが、今回のイベントの趣旨として
 特別に地のものを使おうと思ったんです。でも今の時期フルーツはない。
 どうしようかなと。」

そんな時に良い偶然が起きた。
たまたまお店のスタッフの中に実家がみかん農家という方が2人いた。
そのときに話に上がったのがこの“早摘みみかん”。

8月の頭、実際に持ってきてもらい使用できるかを試すためジュースにした。
まだ青く、手のひらに楽々おさまってしまうかわいいサイズ。
炭酸で割り、シロップを入れて飲んでみた。
すごくおいしかった。
暑い日に、すきっと気持ちよい酸味とみかんの香り。
冬に食べるみかんとは全然違う良さがある。

みかんジュースよりもみかん“らしい”果実の味。

「オレンジ色に熟した甘いみかんを人は旬という。
でもこれは人間が勝手に決めた旬。
人間でもそう。10代だからまだ青くてだめということはない。
10代でも30代でも60代でもそれぞれに良さがある。
このみかんは青くて若くて勢いがある。」
と天野さんは言う。

熟してないからこそでる酸味、それは甘酸っぱい夏っぽい味。
まだ暑さの残るこの時期にぴったりだ。
夏の終わりへの名残惜しさと、これから実りの秋が来るわくわく感を味わえる、
今というシーズンの空気がそのままでているこのジュース。

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みかん畑にふりそそぐ8月の太陽を感じてほしい。

≪THE BLUE WATER≫
CLOTHING&CAFE 12:00-22:00
LOOM 12:00-23:00

沼津市魚町15
tel:055-951-0001

祖母の味

沼津港の奥にはんぺん専門店がある。
ここは大正4年に創立したやいづ屋。
大正4年創業の歴史を持つ沼津の老舗である。

練り物問屋であるやいづ屋が店舗を出したのは3年前。
兼ねてから揚げたてをお客さんに提供したいと思っていた4代目の岩本さんが
沼津港に空いた物件を見つけてきてオープンさせた。

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揚げたてのはんぺんを食べる機会はどのくらいあるのだあろうか。
お店の前にはその場で食す人も多い。
「おいしい」という声が聞こえるとうれしい。
そのおいしさに惹かれ、帰りにお土産として買って帰る人もいるそう。

“沼津で唯一のねり製品”を守り続けるのは容易はない。
お店を開く際には築地で研究したりもした。

その中で看板メニューとなるものがある。
それは“まかないはんぺんメンチ”だ。

まかない、はんぺん、メンチ。
一見関係なさそうなこのワードをつなぐのが「祖母」だ。

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岩本さんが小さいころ祖母がいつも作ってくれた大好物。
残ったすり身を持ち帰り、ネギやニンジンなどの野菜、イカ、ひき肉を合わせ
パン粉をつけてあげる。
これこそが“まかないはんぺんメンチ”である。

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この祖母のおもいでの味をみんなにも知ってもらいたい。
この思い出の味で地元の人も沼津の練りものを知ってもらいたい。
そして地元の人に沼津港に来てほしい。

そんな願いを込めて商品化した。

祖母にお店でこのまかないはんぺんメンチを出したいと報告をしたとき、
とても喜んでくれた。

はんぺんには栄養もあるし、
食べ方次第でいろいろな楽しみ方ができる。

クーラーのない店舗で
はんぺんやさつま揚げを挙げている。
額には汗がにじむ。
それでも“守るべきもの”として岩本さんは店舗ではんぺんを売る。

このまかないはんぺんメンチは沼津自慢フェスタ2013でも販売する。
岩本さんと祖母の想いがつまった新感覚のはんぺんはビールにもよく合う。

やいづ屋
平日  11:00~15:30 土日祝 10:00~15:30 火曜日休み(不定休)
Tel:080-3254-8810

Seeing is Believing 体感するショップ

アメリカ西海岸のサンディエゴにmisson bayという場所ある。
ここでは釣りをする人、散歩をする人、テニスをする人。
気持ち良い自然とともに自由に楽しんでいる。

オーナーの坪井さんは
幼いころに家族旅行で訪ねた時の印象を強く持ち、また行きたいと思った。
大学生になりもう一度訪ねたミッションベイ。
変わらずいい街だった。

そのいい街を沼津に重ね合わせ
我入道に“ミッションベイ”という新しいお店をオープンさせた。

もともと公認会計士の資格をアメリカで取得。
LA、そしてシリコンバレーで財務などの仕事をしていた坪井さん。
チャレンジすることを当たり前とするシリコンバレーの環境の中で何かしたいと考えていた。
そしてその場所で2005年にプロダクトデザイナーの弟と100percentを設立した。

一年後、東京に拠点を移し100percentは本格始動をする。
商品を展開していく中で倉庫が必要になった。
そして兼ねてから考えていた実店舗を持つことも実現させたいと思うようになる。
物流拠点、かつて西海岸で見たライフスタイルの提案の場。
その夢を実現させる場所として沼津を選んだ。
ここは東京の商談にも1時間ちょっとで向かう事もできる。

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我入道にある倉庫を改装し
カフェと雑貨、家具などを販売。
倉庫の3分の2を占めている。
残りは事務所。
倉庫特有の広々とした非日常てきな空間に
黒板の壁や沼津の会社に作ってもらったパレットの棚、
そして選りすぐりのプロダクトたちが
なんとも気持ち良い空間を作り出している。

そんな中ひときわ目立つ壁がある。
“Seeing is Believing(見ることは信じること・百聞は一見にしかず)”
これこそがミッションベイの信念だ。

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見て触る価値をつくりだす場所。
カフェで使用しているお皿やフォークやナイフはすべて販売をしている。
職人が一つ一つろくろ挽きをして作っているお皿だったりと
“こだわり”を実際に体感し、よかったら家に持ち帰ろう。
まさに“Seeing is Believing(百聞は一見にしかず)”

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“わざわざ来てくれいているからこそ、ここじゃなきゃ買えないものを提供したい。”
プロダクトを担当する鈴木さん。

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“ものづくりの僕らがやっている”
その強みが力を抜いていい商品を作り出せる。

100percentではサクラサクグラスなど日常の中の出来事を少し楽しくさせるプロダクトが多くある。
このプロダクトも使ってみて面白さや驚きがあるように
このショップに来て初めて感じるものがあるだろう。

今回もう一つの体感にカフェがある。
メインには“ダッチベイビー”というパンケーキ。
パンケーキの概念を覆すような驚き。
シンプルでどこか懐かしさのある味だ。

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一歩、足を運んで体感してみると
今よりもう一歩面白い生活が待っている。

MissonBay(ミッションベイ)
10:00-20:00 (L.O.19:00/Drink のみ 19:30)

〒410-0823
静岡県 我入道 南条寺 69-1
TEL:055-946-6243

恵みのビール

静岡県東部ではよく目にする“丹那牛乳”。
鮮度にこだわった地元の牛乳。
この牛乳で育った人も少なくない。

その丹那牛乳の本拠地は丹那盆地にある。
生産者から集められた牛乳を殺菌する工場や乳製品の加工場、
その隣には酪農王国オラッチェもある。
ここでは乳製品を使用した商品を買うことができたり
動物たちと触れ合うことができる。
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実は牧場だけでなくビール工房も持っているのだ。
そもそもビールを作ろうと思ったのには理由があった。
“水がいいから”
そう断言するのは酪農王国株式会社の西村さん。

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このビールは酪農王国敷地内にある
大深度300mの深井戸から汲み上げた富士箱根山系の天然水を使用している。

モルト、ホップ、酵母はチェコ・ドイツ産をはじめとするオーガニック原料を厳選。
伊豆・丹那の恵まれた水をベースとした「美味しさ」と「安全」にとことんこだわったビールなのだ。

さらに地元で栽培された大麦も一部のビールで使う。
この大麦、牛たちの餌となるトウモロコシ畑の跡地に植えられる。
交互に作物を植えることで畑が空くこともなく効率がよい。
年間4~5トンほど収穫される。
そしてビールに加工する。

実はこの大麦は海外産に比べコストがかかる。
だが少しでも地元の農産物を使うことによって地域に還元できるようにしている。

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丹那盆地はもともとやせた土地で何をやってもダメだった。
そうした中で、地域として酪農に力を入れ、たい肥を土に還元する事を続ける。
次第に丹那の地は循環系が出来上がっていった。
土が良くなり、根菜類を中心とした農産物が美味しく出来上がる地となる。

“循環”がキーワードになる丹那。

この盆地にはやさしい風がふき、農と共に生き、農を活かす人々がいる。

三鷹にあるジブリ美術館で販売される「風の谷のビール」はオラッチェでつくられる。
ジブリがこの地のビールを選んだのには味と共にここで生きる人々の想いにも共感したのかもしれない。

安心、安全、そして地元をたっぷりと使ったビールは
沼津自慢フェスタ2013でもセールタウン沼津ビールとしても登場する。

ビール工房のマイスターこだわりの自信作を堪能してもらいたい。

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酪農王国 オラッチェ
9:00~17:00(季節により変動する場合が有ります)
入場無料 / 年中無休 / 駐車場無料 / 場内バリアフリー
〒419-0105 静岡県田方郡函南町丹那349-1
TEL. 055-974-4192

我入道漁協即売所

沼津港にいくと奥にある食堂街や市場、沼津深海水族館に行く人が多いが
実は港の入口には我入道漁協即売所がある。

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沼津の干物をはじめ、海産物加工品を取り揃えている。
漁協の直営店なので安心、安全な海産物を安く買うことができるのも魅力の1つだ。

昔ながらの建物に入ってみると
お母さんたちが笑顔で接客をしている。

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数多く取り揃えられた干物たち。
店先にはサバの醤油干しをつくる姿を目にすることができた。

我入道漁協は今年も沼津自慢フェスタ2013に出店する。
メイン商品はたちうお春巻き揚げだ。
今回のために考えたこの商品。
最初はカレー粉をかけてみたり、梅ペーストを塗ってみたりと試行錯誤を重ねた。
そうして行き着いたのは
“味付けは塩コショーのみでシンプルに。”
そうすることで太刀魚の香がしっかりととでた。

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今回太刀魚を使うことで
たくさんの人に沼津で獲れた魚を食べてほしいという思いを伝える。

この即売所では
あまり見かけない“たちうおの干物”も販売してる。

生活習慣が変わる中で、魚離れも進んでいるように感じるが、
この我入道漁協即売所にはリピーターも多い。
撮影がよく行われる沼津だけあって、芸能人が帰りにお土産として買っていき
それから毎年注文が来たり、
我入道出身のハンマー投げの室伏選手のお父さんは
「活力の源は干物」といってよく買っていったそう。
ちなみに先週ドラマの撮影がここであったそうだ。

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沼津港に来たときはちょっと入口の方も
見てもらいたい。
撮影の場所にも選ばれるような趣のある風景と
品揃えよく取り揃えられた干物、
そしてお母さんたちの笑顔に会える。

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我入道漁協水産物展示即売所
静岡県沼津市千本港町128-1
無休(12月31日~翌1月4日休) 8:30~17:00(閉店)