バーはその街の文化度を測る目安だ。
その街にどんなバーがあり、どんな人々が集まり、どんな使い方をしているのか?
バーをみれば街がわかる。
“バーテンダーは街のコンシェルジュです。そのためには私たちがまず沼津のことを知らなくてはいけない”
バーテンダーの役割についてGATO BARのマスターの金子さんは説明してくれた。
GATO BARは沼津駅南口から徒歩5分、壁に自転車の飾ってあるお店が目印だ。
オーセンティックなバーだが、お酒の銘柄やカクテルの名前なんて知らなくても、マスターに好みを伝えれば、ぴったりのお酒を出してくれる。
そしてシガーも多数取り揃えている。
金子さんは、日本バーテンダー協会に約30年間在籍し昨年まで沼津支部長を務めた。
そしてベテランから若手のバーテンダーを繋ぐパイプ役をしている。
沼津のバー文化、その根本は選ぶ楽しさである。
オーセンティックなバーからカジュアルなバーまで、その幅広さが受け皿となり、多様性が文化となる。
といっても、今まであまりバーに行ったことのない人たちにとっては、その多様性を感じるのはなかなかハードルが高い。
そんなことから、様々なバーを楽しむきっかけとして金子さんをはじめバーテンダー協会の沼津市支部では“バータクシー“という取り組みも始めた。
これはタクシーの運転手が乗客の気分に応じてバーを案内してくれる取り組みだ。
この取り組みに合わせて地元の特産品寿太郎みかんジュースを使ったオリジナルカクテルも開発され、参加店舗で飲むことができる。
同じカクテルだが各店舗により微妙な違いがある。
金子さんは寿太郎みかんのまろやかさを引き出すため塩を使う。
ウォッカと寿太郎みかんのバランス。
そしてミントのさわやかさで一杯のカクテルは出来上がる。
金子さんはカクテルから街のことまでやさしく説明をしてくれる。
“沼津再発見の案内役をバーテンダーが担えたらいい、沼津はポテンシャルをもっているんだから”
バーテンダーはこの地域のおいしいもの、素敵な空間、ゆるやかに流れる時間を誰よりも知っている。
沼津に来たらバーに向かい、この地域を楽しむためのポイントをバーテンダーという街のコンシェルジュにまず聞くと、とても素敵な旅となるはずだ。
GATO BAR
沼津市大手町2-3-1 Wiseビル1F
電話:055-963-2379