約70年近く続く酒屋、松浦酒店。
駅から歩いてくるとマンションの1階にある。
時代の流れとともに街の風景は変わる中、
松浦酒店は同じこの場所で沼津の街を守っている。
地元の酒蔵やブルワリーとの信頼関係も強くベアードビールや髙嶋酒造など地酒も豊富だ。
ベアードビールは季節限定ビールも含め種類も豊富。
白隠正宗もワンカップからあるのでちょっとしたお土産にもぴったり。
松浦酒店の70年の歴史は沼津の歴史を反映している。
実は最初の何年かはかつての沼津の繁華街、千本浜に近い八幡町にあった。
駅が動くとともに一緒に店を移動させて今の場所に。
そして長崎屋というデパートが現在のこの場所にできることになった。
そんな事で松浦酒店は長崎屋の中で営業する時期もあった。
そして街中から相次ぐ大型店舗の撤退。
長崎屋もなくなり、跡地にマンションが建つ事になり三園橋近くの平町の倉庫で仮店舗を構えた。
少し離れたところに仮店舗を持つことはお客さんの流れも変わってしまう。
だが、その間もお客さんとつながってた。
長崎屋時代、松浦酒店には販売部門とコップ酒部門、いわゆる気軽に飲める居酒屋があったのだ。
“昔からのお客さんもたくさんいる。それも多くは酒屋じゃなくて居酒屋で飲んだ思い出。
酔っぱらった楽しい思い出よ”
4年後、マンションができると今度はこのマンションの1階に。そして今に至る。
そんな時代を沼津の街中と一緒に駆け抜けてきた松浦酒店。
もともとコップ部門があった松浦酒店。
皆でお酒をおいしく飲む場、おいしいお酒を知ってもらう場としてコップ部門を復活させたいと、
3代目の青木元美さんは
イベントを3年前より不定期に開催するようになった。
レストランを貸り、料理を出してもらうことも。
お酒は松浦酒店の選りすぐりのお酒を飲み放題で。
多いときで60人集まる。
それだけではない。
地域で行われるイベントに合わせ、ゆるりと店内や店舗前でちょっとした角打ち(かくうち )的なイベントも。
そんなことで沼津ナイトマーケットにも参加。
イベントに参加した人がまたお店に来たり、
店先で飲んでいるときは新しい人が飛び入りで参加したり
今までの常連さんや新しい人たちが緩やかにお酒でつながり
お酒をおいしく飲んでいる。
さらに酒屋でお酒を買うならではのうれしいこと。
例えばホームパーティー。
どのくらい必要かちょっと不安な時は相談に乗ってくれる。
更にラベルが汚れたりしない限り返品可能。
そのほか、もちろんギフト用にラッピングも行っている。
おいしいお酒を飲むためのサポートはばっちりなのだ。
“お酒をおいしく飲んでもらう。
それが酒屋の使命”
そう笑顔で答える青木さん。
時代が変わっても松浦酒店の使命はシンプルだ。
お酒を楽しむだけではなく、
酒屋でお酒を買うことも楽しみの一つになる。
≪松浦酒店≫
沼津市大手町3-9-1
TEL:055-962-0538
http://www.11sake.com/