沼津ならではの「食」、「歴史」、「文化」といった資源を活用した松籟の宴(しょうらいのうたげ)が今年も開催される。
竹のインスタレーションが御用邸の庭園を彩る。
長年続く、草月流による沼津御用邸での竹のインスタレーション。
そもそも始まったのは以前、草月流の家元 勅使河原茜さんが
御用邸をとても気に入って、ここで竹のインスタレーションをと提案した。
草月は“竹”を使うことを得意としており、
沼津も伝統的な沼津垣があったりと竹にはなじみが深い。
ということで始まったこの共演。
今年も松籟の宴でコラボレーションする。
10月18日から東京や静岡から草月流の方々が集まり約280本の竹を使用した製作が始まった。
竹は次々と形を変え、命が宿る。
1つのインスタレーションに10人くらいのスタッフが力を合わせて形作っていく。
その姿はいけばなを行けるイメージとはかけ離れ、
脚立や電動ドリルなどを使い、
竹の力強さに負けないように、まるで家を建てるように作られていった。
細く竹を割いたり、
丸くしたり、
幾重にもかさねたり。
まっすぐに伸びる竹にこんなにもいろんな表情があるのかと驚く。
男性チームも洗練された技術を駆使し作り上げていった。
よりまっすぐに、勇ましく。
矢来をモチーフにした竹のトンネル。
角度をつけ、高低差がついた竹のトンネルを作ることは難しい。
この竹のトンネル抜けると各チームが力を合わせて作った竹のインスタレーションが並ぶ。
御用邸を守るため海風を耐え、斜めにはえる松の木とまっすぐ伸びる竹が一緒に背景を作り出す。
草月のいけばなは「型」にとらわれることなく、常に新しく、自由にその人の個性を映し出す。
いけ手の自由な思いを花に託して、自分らしく、のびやかに花をいけていくことを大切にしている。
伝統と技術と自由。
そして“自分らしく”
それはどこか沼津と似ている。
今回もそうだ。
伝統ある御用邸で沼津ならではの新しいプログラムが行わる。
11月9日(土)10日(日)にアートの中で食事会も行われる松間の饗宴。
御用邸の松林の庭と竹のモダンなアートの共演、
食材と沼津のシェフたちとの共演。
刻まれた歴史、貴重なものたちの中に
新しい時代のエッセンスが加わる。
いつもとはまた違う世界を楽しんでもらいたい。
この草月流の“竹のインスタレーションアート展”は
11月2日(土)~17日(日)9:00~16:30
に御用邸園内で行われる。
沼津市制施行90周年記念事業 沼津御用邸記念公園 松籟の宴 2013
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