「ハレと日常の中間のようなお店を目指しています。」
沼津駅南口から徒歩で7分、沼津銀座の入口にイタリア料理店『Baker’s Dozen』がオープンした。
丁寧に作られる港町ならではの料理に加えドルチェ、手作りパンそしてワインなどを気軽に楽しんでもらえるレストランだ。
オーナーシェフである塩川雅也さんは沼津市出身。
パティシエやシェフとして東京の三軒茶屋でお店を構えていたが、ビルの取り壊しを機に家族で移住、沼津で開店することとなった。
20代前半、下北沢にある洋菓子店に修行に入った塩川さん。
その当時から料理、また飲食店に興味があり、夜間の菓子製造の学校や休みの日にワークショップ等を見つけ自分で勉強し、4年の洋菓子店勤務ののちイタリア料理の世界へと入っていった。
お菓子は正確度や再現性が重視される分野。計量で1g、水分量も1%違ってもだめだという。
精密性の高いお菓子作りもすごく楽しい分野ではあった。
それとは別に、“ノリで作る料理”、その時のパッションでお皿をつくり上げていく感覚をイタリア料理に感じ、とにかく楽しめるのはこれだと感じたそう。
その後は、イタリア料理店のシェフやイタリアンバールの立ち上げ、運営をなども手がけた。
イタリアベネチアでパティシエの仕事のお声がかかり行くことを決めていたが、ちょうど子どもが出来た時期と重なり辞退することとなった。
これからどうしようかと迷っていた時期にたまたま歩いていた三軒茶屋で空き物件と出会いトントン拍子で自分のお店を持つこととなった。
ビルが取り壊しなるまで丸三年。お客さんもついてきていたので安定を考え都内で物件を探し始めていた。
そんな時、たまたまデザインの仕事をしてる奥さんに“ぬまづのリノベ”という冊子を作る依頼があり、塩川さんはアテンドして取材に同行した。
いつかは沼津に戻ろうと強く思い東京で生活をしていたが、タイミングはなかなか巡ってこなかった。
しかし、取材を進めるうち“やっぱり沼津に戻って来たいんだな”と感じていったそう。
「18歳から沼津を離れていたから、沼津で商いをして生活してる人のお話をしっかりとまじめに聞くってあんまりないじゃないですか。すごいそれがよかったですね。沼津で働き暮らすことの現実というか、自分の夢を目指してやってる人たちの生の声を聞けて、沼津へ移住しここで出店することの後押しになりました。」
その後本格的に沼津で物件を探し、今の店舗に巡り会った。
「パッと見たときにこのエリアって結構味わいがあるじゃないですか。この奥は沼津銀座で、なかなかディープな場所。その入口の角地だからこのエリアの顔を作れる。なんか、しっかりと街の一部になれるような気がしたんです。」
漆喰で塗られた壁に小さな窓が3つ。内装もプロにおまかせするだけでなく自分たちでも手を動かし作ったそう。
そして4月23日にグランドオープンした。
そしてBaker’s Dozenは
一緒に働くスタッフを募集をしている。
「経験だとか技術だとかってのは特に無くても大丈夫。あればそれにこしたことは無いんですけど。それよりもっとポジティブさだったり、問題を解決しようとする熱意、姿勢の方が大事ですかね。人として、もちろん優しくて礼儀正しいっていうか」
“でもとにかくいい人、友達になりたい人がいいですね”とお茶目に語る塩川さん。
履歴書で判断するのではなく会って話して一緒に働くかを決めたいという。
塩川さんから、料理やお菓子作り、パン作りを学びながら働きたい方。
そして10時〜14時、17時〜22時としっかりと入っていただける正社員候補を募集したいとのこと。
「飲食店で働く人間って、独立を考えてると人がいて当然だと思うから、全部できたほうがいいだろうし、そこは全部やってもらおうと考えています。」
美味しい香りとともに新しい顔が沼津に出来る。
Baker’s Dozen
沼津市 町方街 9-1
https://www.bakers-dozen.jp