2月23日(日)富士山の日にキラメッセ沼津でふじのくに美しく品格のある邑づくり連合による“ふじのくに美しく品格のある邑まつり”が開催された。
会場は千本の菜の花で彩られ、一足先に春の訪れを感じさせる。
静岡県の農山漁村の個性ある食や工芸品や伝統芸能に触れる事が出来るイベントだ。
そもそもタイトルにある“邑(むら)”
なかなか見ない漢字だ。
一般に「むら」と言えば市町村の「村」を使うが、行政的な区分ではなく、
地縁型ではない「目的型の新しいコミュニティを農山漁村に作りたい」という強い
思いから、人が多く集まるところという意味を持つ“邑(ゆう)”の字を用いているそう。
つまり、この“ふじのくに美しく品格のある邑づくり連合”は
誰もが憧れる農山漁村づくりを進めるため、個性的で美しい田園環境、自助・共助の精神に溢れた農村社会、
創意工夫を凝らした地域経済の視点から、持続的発展が見込まれる地域を“美しく品格のある邑(むら)”として認定し、PRしているのだ。
今回のこのイベントもその一つ。
小さな地域も、みんなで力を合わせれば魅力を広く伝えられる。
この“ふじのくに美しく品格のある邑連合”は静岡県の全部の35市町村と静岡県が会員となり
農山村漁村地域の魅力向上のお手伝いをしている。
現在、65邑が登録されている。
“農村景観の美しい場所、豊かな資源がある場所、伝統が残る場所は過疎化など社会影響で失われつつあります。
そこに光を当てていこう。そして多くの人に知ってもらい、来てもらい、楽しんでもらう。邑を応援してほしいです。
そうして地域の人たちの励みになったらいいなと思います”
そうお話しするのは静岡県交通基盤部農地局の八木嘉隆さん。
この活動は要望がある限り続くそう。
逆を言えば、一人一人が邑に興味を持つことによって
“地域を守る”ことが出来るようになったら終わる。
会場のステージでは普段ではそこに行かないと見ることのできない伝統的な舞が行われ注目を集めていた。
その他、シカ肉やかぼちゃの麺など各邑のおすすめの一品が並び、
購入や試食をすることが出来た。
そば打ちの実演を行っていたりと製品が出来上がるまでを楽しむのもひとつ。
真ん中では2年前から始まったこの活動のロゴを決めるコンテスト(投票形式)や写真の展示、
子どもたちも楽しめる木で作るフォトフレームなどのワークショップスペースがあり
親子で楽しむ光景が見られた。
邑というのは私たちが暮らしている本当に近くにある。
気付くか気づかないかで大きく生活も変わってくる。
ちょっと行けば顔の見える作物を食べる事が出来るし、
ちょっと行けば、思わず涙が出てしまいそうな美しい景色にも出会うことが出来る。
この恵まれた静岡を感じる事を“邑”は教えてくれるような気がした。
ふじのくに美しく品格のある邑づくり連合はイベントだけではなく
ホームページやスマートフォンアプリ、動画等で邑の魅力を伝えたりと、
いろいろな活動を行っている。
自分の住んでいる地域にはどんな“邑”があるのか。
県内にはどんな“邑”があるのかチェックしてみてはいかがだろうか。
《ふじのくに美しく品格のある邑づくり連合》
http://www.fujinokuni-mura.net/