新仲見世のアーケードを通っているとジャズが聞こえてくる。
ジャズの音色を追うと不思議な看板。
そこには古美術 光工房がある。
開けた間口は骨董屋という敷居の高さを忘れさせてくれる。
むろん、ここのお店は“そういう”敷居の高さはない。
ここにあるのは亭主荒木さんの“好き”なモノだけだ。
もともと機械の設計の仕事をしていた荒木さん。
プライベートでは骨董品をコレクションするのが趣味だった。
そのうちどんどんコレクションは増えていき
“これどうするの?”“誰が片づけるの?”なんて家族からクレームが聞かれるように。
そんなちょっと悲しいきっかけで、売ってみるか!と思い立った。
それならば大好きなジャズをかけ、大好きなコレクションを販売する店舗にしようと決めた。
“ジャズと骨董品が共存しているのは私にとってはなにも違和感がないんです”
その後めぐりあわせで、知人に今の場所を紹介してもらい3年前店舗を構えることに。
以前は清水市に住んでいたのだがその家を売って、修善寺の山の中へ移住した。
そして商いの場は沼津の街。
このギャップのバランスが良いとのこと。
だから、ここには荒木さんのライフスタイルが詰まったお店なのだ。
ジャズに包まれた骨董品。
今もコレクションをするように、ほぼ毎週定休日には自分の好きなものを集めてきている。
好きなものをコレクションし、売る。
家族からのクレームもクリアし好きなものに囲まれる。
なんともうらやましい限りだ。
数十万もする品もあるが手ごろな価格のものも多くある。
全体的に古民具が多い。
お客さんは年齢を問わず“古くて良いもの”を求める。
実際客層も50~80代が多いそうだが20代も来るそう。
“出会いによって広がりが深まったりするのが楽しい”
骨董やジャズを通じていろいろな人が来る。
そこで話をしたり、素敵なものに出会ったり。
沢山の大好きなものが詰まった小さな空間は
過去と未来をつなぐ未知の世界が広がっている。
≪古美術 光工房≫
沼津市大手町4-5-14 沼津新仲見世通り