沼津のアーケード街を抜けて左にちょっと行くと
”PiLOT”と大きな青いロゴをつけた古着屋がある。
お店の中には、オーナー夫妻が
直接アメリカから買い付けたり、デザイナーと直接やり取りをして仕入れたアクセサリーや洋服などのこだわりの商品が並ぶ。
17年を迎えたパイロット。
今日もかわらずお客さんに愛される二人の空気がお店の中に充満している。
ふとレジカウンターをみてみると
奥さんがお客さんと話している。
旦那さんが見当たらない。
どこへ行ったのかと聞くと、かき氷を売りに行ってると。
え?と思わず聞き返してしまいそうになるが
夏の間、旦那さんのノリさんはかき氷屋になる。
ノリペチーノといわれるかき氷。
かき氷の概念が変わるおいしさと驚きを秘めている。
シロップもカクテル用を使用したり、
静岡県産のお茶やシロップ用にコーヒーをブレンドしたりとこだわり、妥協は許さない。
看板メニューであるキャラメルダブルコーヒーノリペチーノは
朝ドリップした濃いめのコーヒーに、手作りコーヒーゼリー、キャラメルシロップ、練乳がたっぷりかかっている。
山盛りの氷にももちろんこだわって。
最初はかき氷を堪能する。手作業ならではのふわっとした中にしっかりとした氷の存在感。
シロップと練乳。そして触感の違うコーヒーゼリーがアクセントになる。
食べ進めていくと氷も解けちょうどいい濃さのコーヒードリンクになる。
最後までサプライズの続くかき氷なのだ。
どうしてかき氷やを始めたかというと
「かき氷器を借りることになったんだけど、機械がかっこよくてこのかっこよさに惹かれた。
この機械があったからはじめたよ」
”TAKARA船”を掲げるかき氷器は
たしかにかっこいい。
手作業で回すレバーも特注品。
どんどんカスタマイズを進めているそう。
性能はよくなったからといって、手作業で氷を削っているのには変わりはない。
休むことなく一人でかき氷器を回し続けるノリさん。
だが疲れも見せずにお客さんへ一言かけながらノリペチーノを手渡していく。
実は今年で8年目になるノリさんのかき氷。
最初はお祭りの日だけだったが、外に呼ばれるようになり、
もっとおいしいかき氷を作りたいというノリさんの想いが、ノリペチーノに日々進化をもたらしている。
評判を聞きつけてたくさんのお客さんがくる。リピーターも多い。